「農民」記事データベース20000717-457-02

全国食健連が第11回総会

底なしの暴落に負けず食と農を守る共同の発展を

関連/セーフガード発動を


 全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)第十一回総会が、七月二〜三日、十九都道府県、十五中央団体から七十人が参加して開かれました。今年十周年を迎えた食健連が、さらに飛躍する土台を築く総会になりました。

 報告にたった坂口正明事務局長は、九割以上が「外国産米を買わない」と答えた調査結果を示して、「こうした国民世論を食健連運動が築いてきた」と述べ、今年二月の「WTO国際シンポ」の大成功が「国際的にも活動の基礎を築いた」と語りました。

 そのうえで坂口氏は、「賛同・共感する人たちと、ともに語り、ともに行動すること」、「国産農産物の生産・流通・加工・消費を拡大する取り組み」を「運動の両輪」と強調。具体的な取り組みとして、(1)セーフガード発動を求める署名、WTO農業交渉・コーデックス委員会への「意見反映署名」に取り組む、(2)各国大使館・領事館の訪問など多彩な国際活動・国際交流、(3)十〜十一月、キャラバンを中心とした一斉行動を全国的に展開する、(4)都道府県・地域食健連の確立などを提起しました。

 討論では、「多国籍企業の戦略にそった税関のフリーパス化、簡易申告制度は許せない」(全税関)「自治体リストラが学校給食、保育の現場で集中的に行われている」(自治労連)と、悪政や企業の横暴とたたかっている労働者が発言。

 農産物の底なしの暴落が尊い命さえ奪っている農業の現場からは、「地域食健連で消費者、小売、農家が安心して生活できるライフエリアをつくる運動を」と訴えられました。

 各地からは、「自治体訪問で、地域農業を考える熱心さをあらためて感じた」(長野)、「グリーンウェーブの行動に生協組合員のお母さんがたくさん参加。大きなパートナーを得た」(愛媛)など、着実な運動の前進を交流。

 また、新しく加わった日本AALA(アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会)の代表が発言(別項)。初参加の家庭栄養研究会の蓮尾隆子さんは「食生活への提言を、食健連としてまとめてほしい」と提案しました。

 日本AALAの幸野尭副 理事長の発言要旨

 シアトル会議の決裂であらわれた流れが、国際社会の中で続き、最近、キューバで百三十三の途上国が参加する七十七カ国グループ(G77)が、三十六年経って初めて首脳会議を開き、WTOに対して一致して臨むということを決めた。

 WTO、IMF(国際通貨基金)、世界銀行といった国際経済を支配する機構に対する批判は、根本的な一貫した流れになっている。WTO自身も、五月の年次報告で「経済のグローバル化の推進には厳しい抵抗がある」と認めている。同時に、世界の食糧危機は深刻で、三十六カ国が飢餓に陥っており、アフリカは千六百万人の飢餓人口を抱えている。これは、世界の食糧増産、合理的な分配という課題が未解決だということを表している。


セーフガード発動を

広島・徳島・秋田

 広島では六月二十四日に開かれた高田郡農協、世羅郡農協の総代会で「農畜産物の輸入優先をやめ、食料自給率向上を政府の義務とする」「今年の生産者米価を一俵二万円以上に引き上げる」「セーフガードを発動する」など六項目の決議が採択されました。
(大坪 求)

 徳島県上勝町議会は六月十六日、「椎茸の緊急輸入制限(セーフガード)を求める意見書」を全会一致で採択し、内閣総理大臣、外務大臣、農水大臣あてに送りました。

(徳島県連 松長英視)

 秋田おぼこ農協(組合員三万五百九十人)の総代会が六月二十五日に開かれ農民連会員の松井和明さんが「義務でもない米を輸入しての減反押し付けに抗議を」「価格保障(ヨーロッパ並み)を要求すべき」をJAの農政活動の柱にと提案、採択されました。

(藤原貫一)

(新聞「農民」2000.7.17付)
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2000年7月

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