「農民」記事データベース20000703-455-03

九州ネット

女性パワーでエンドウ出荷

 南薩摩では北風が春風に変わる頃、エンドウの出荷が始まります。今年は、昨年の三倍(五トン)のエンドウを出荷し、会員も六人ふえました。六十代を最高に、子育て最中の新規就農者もいる女性だけの組織です。今年はじめての新人がうまく栽培したことで、果樹中心の農家も関心を寄せ、南薩摩一帯の会員の生産志向を高めています。来年は三月から五月にかけて三品種で二十トンの出荷を計画しています。九州ネットのヒット品となりつつあるエンドウ作りに取り組んだ枕崎市別府の下山佐津子さん(39)の手記を紹介します。
(鹿児島県連 下屋一美)


新たに6人加入 次は「オクラ」に挑戦

鹿児島・枕崎市 下山佐津子

 「手記」

 農民連の誘いに乗って、一反の畑に初めて二人共同で「グリンピース」を作ってみました。松山さん宅をセンターにして、ベテランにまじってワイワイ言いながら選別、箱詰、出荷を十八人の生産者がかかわり「九州ネット」に出荷してきました。

 初めの頃は、天候不順が災いして「空気豆」が多く、苦情がきたりで迷惑をかけたりしました。ほんとうに気候の変化が農作物に大きな影響を及ぼすことを実感しつつ、天気予報に耳をかたむけて雨、風、霜の日も大丈夫だろうかと毎日生育具合を見に行き、まるで子育てのように、こまめに手入れをしながら育てました。

 十月の種まきから、出荷の始まる三月から五月上旬まで、風の強い日のテープ張りとか、雨の中での収穫とか大変なこともありましたが、農業の楽しさを知ることができました。

 しかも楽しみながら育てた「グリンピース」が、これまたお金を生むという喜びと、鹿児島県長島町にいる両親が朝早くから暗くなるまで畑仕事をして私たち子どもを育ててくれた苦労を、肌で感じることができたことは私にとってもうひとつの収穫でした。

 「一反で一トンの収穫はよくできた」とみんなからほめてもらいました。これからも大きな農家だけが優遇されるのでなく、農業をしたい人、続けたいと思う人ができる農業を農民組合の力で発展させていってほしいと思います。

 松山さんを中心に、新たに六人が農民連に加盟してただいま「オクラ」に挑戦中です。

(新聞「農民」2000.7.3付)
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2000年7月

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