「農民」記事データベース20000731-458-10

歯止めのない農産物輸入・価格暴落とどう戦うか

終わりに


 なによりも、農業をつぶしてもかまわないという政治を変えることが根本です。悪政に次ぐ悪政がまかり通り、いかにも世の中は変わりそうに見えません。

 でも、先の総選挙を見ても、自民党に最も有利な小選挙区制で、そのうえ政権党が選挙違反の謀略ビラを大量にバラまきましたが、それでも大敗北を喫したではありませんか。しかも国民の困難については、まったく解決不能です。こういう政権は崩壊する直前まで難攻不落に見えるものです。ソ連がそうでした。ベルリンの壁も一夜にして崩れました。歴史の転換とはそういうものです。

 腐敗がはびこり、庶民にはリストラ、消費税の大幅引き上げ、医療福祉の削減などを強行し、一方では大銀行やデパートなどデタラメな経営をした者の救済には国費(税金)を何十兆円でも注ぎ込む――とどまることを知らない暴政が強行されようとしています。このまま平穏無事ですむわけがありません。

 農産物は輸入すればいくらでもあるという大商社や財界の政策や行動は必ず破綻します。それまで、農民連に結集して、経営と暮らしを守ろうではありませんか。

 どんなに展望があってもたたかう前から逃げ腰では始まりません。昔、富士川で源平両軍が対峙したとき、水鳥の飛び立つのに驚いて、たたかわずにいち早く京都に逃げ帰った平家の臆病さは「平家物語」で歴史に残されました。政治が変わるまでやることはないかと言えば、まだやれること、やらなければならないことがたくさんあります。

 日本の農産物は諸外国に比べて劣っていません。日本の農民のレベルは決して諸外国に負けるほど低くありません。たたかえば、必ず展望が開ける――それが二十一世紀の世界の食料・農業の状況ではありませんか。それなのに、たたかわずして逃げ出すことがどうしてできるでしょうか。

 いまたたかわずして、いつの日にたたかうか!

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(新聞「農民」2000.7.24・31付)
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