歯止めのない農産物輸入・価格暴落とどう戦うかA.米も青果物も底知れない暴落
米がこの数年間に一俵五千円〜六千円も値下がりしてしまいました。暴落したのは「豊作のためだ」「米の消費が減ったからだ」と宣伝され、そう思い込んでいる人が少なくありません。しかし、米の暴落は(1)コメ輸入自由化、(2)自主流通米の値幅制限を撤廃し、暴落の歯止めをなくしたことなどに原因があります。
(1)野菜の暴落の主な原因は輸入関東ではレタス一箱(十キロ)二百円(一玉二十円)。京都でも白菜一箱(十五キロ)百五十円、一玉二十円にまで暴落しました。しかも築地市場のある卸売会社の調べによると、春の入荷は昨年より減っているにもかかわらず、価格は上がらず、ほとんどのものが安値です(表1)。
その原因は、国内生産が不足しなくても野菜の輸入が激増しているからです。野菜の世界では供給が二割〜四割増えただけでも暴落するというのに、数年前に比べて野菜の輸入が三・五倍にもなっているのですから暴落するのは当然です。 表2は、今年六月中旬の東京都中央卸売市場における野菜の“産地”別 入荷数量ですが、生シイタケは輸入ものが国内産をおさえて一位、カボチャ・サヤエンドウは二位 という状況です。野菜の底なしの安値の背景には、こういう事情があります。
(2)アメリカと中国の輸入が激増生鮮野菜の輸入が新たな段階に入ったことは明らかです。(図1)野菜の主な輸入先はアメリカと中国です。図2が示すように、中国からの輸入が激増しアメリカからの輸入と肩を並べているのが近年の一大特徴。
(新聞「農民」2000.7.24・31付)
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