歯止めのない農産物輸入・価格暴落とどう戦うかB.アメリカも中国も超低賃金の労働力で作った野菜を輸出
アメリカはメキシコなど中南米の労働力で野菜を安く作って日本に輸出し、日本の大商社や量販店は、中国の安い賃金で作らせて開発輸入しています。
(1)中国野菜の生産コストは日本の八〜一〇%メキシコの労賃(ILO調査)はアメリカの八%、中国の労賃は日本の三%という具合です(表3)。そこの農業労働者や農民の労賃がさらに安いことは言うまでもありません(詳しくは、雑誌『農民』No.51参照)。
こういう低賃金の労働力を使って作るのですから、野菜の生産コストも、日本の八〜一〇%(表4)。
さらに、輸送コストも表5のように、中国国内から東京への運賃と、千葉や茨城から東京都心までの運賃が同じレベルです。中国ものが安く入荷するわけがここにあります。
(2)輸入を基本にし、国内は端境期の補充用日本の大商社や量販店はこうして安いものをリレー式に輸入し、端境期を国産で埋める作戦すら立てています。尾崎亨氏(酪農学園大学)の研究によると、農水産物の中堅輸入商社・X社の取扱上位品目のオクラ、カボチャ、アスパラガスのうち、輸入アスパラガスが調達できない端境期=六〜七月には北海道ものを取り扱い、カボチャについては二〜四月、九〜十月に北海道産を取り扱っています(図3)。 商社や輸入業者が国内農民にうまい話を持ちかけて取り込もうとしているのは、国内産野菜を輸入の補充に組み込むためにすぎないことは明らかです。
(3)中国国内のリレーによる周年出荷で、対日輸出をもくろむ日本企業図4は中国各産地の枝豆収穫期の違いです(野菜供給安定基金「ビーナス情報」四月号)。この収穫期のズレを利用して周年的に対日輸出しようというのです。
(新聞「農民」2000.7.24・31付)
|
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2000, 農民運動全国連合会