「農民」記事データベース20000731-458-04

麦価引き上げを

農民連が政府に申し入れ


 今年産麦の政府買入れ価格をきめる麦価審議会が七月十九日開かれ、小麦(銘柄区分II・一等裸価格)で六十キログラム当たり前年より六十九円下げの八千八百二十四円、大麦は五十キログラム当たり六千三百三十四円に、はだか麦六十キログラム当たり九千百二十六円と、四年連続で引き下げました。

 さらに政府買い入れ価格保障制度の改悪で今年産麦は民間流通が九六%、残りの四%を政府買い入れとなる見通し。そのほかナタネの基準価格は六十キログラム当たり八十九円引き下げ一万一千二百七十二円としました。

 農民連は、これに先立つ十八日、(1)小麦の政府買入れ価格を生産者が再生産できる価格に引き上げること(2)ナタネの基準価格を大幅に引き上げること(3)「麦作経営安定資金」(民間流通の激変緩和策として政府が定額で交付)を出荷時点で支払うこと(4)品種改良をすすめ、国産麦製品開発への助成を強化すること(5)学校給食に国産麦製品を供給すること、などの農水大臣あての要請書を手渡しました。

 応対した農水省担当者らは、「規模拡大し、民間取引業者の要求にこたえた品種と品質の麦を作れば生産費が下がり、高く買い取ってもらえる」などと答弁。生産者は「品質向上には適期収穫がだいじ。それには大型コンバインや乾燥機が必要で、結局生産コストが上がる。第一あなたがたは生産者が努力すればするほど価格を下げるではないか。これでは作る農家がいなくなる」と迫りました。

 要請に参加した北海道十勝士幌町の清水英雄さんは、「生産者の気持ちがわかっていないし、自給率向上の気迫も感じられない」と、怒りの感想をのべていました。

(新聞「農民」2000.7.24・31付)
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2000年7月

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