「農民」記事データベース20000717-457-03

食糧庁調査

外米「買いたくない」が91%


 “外米は買いたくない”人が九一%で、“買いたいと思う人”はわずか四%――。食糧庁が行った「食糧モニター調査」で、こんな結果が出ていたことがわかりました。この調査は食糧庁がモニターを委託した消費者(全国で千二百九十八人)を対象に、昨年九〜十月に実施したもの(公表は今年三月二十四日)。

 購入したくないと答えた主婦のうち六二%が「安全性に不安がある」と答え、「以前食べてみておいしくなかった」「食べたことはないがおいしくなさそう」の合計も六二%に達しています(複数回答)。

 また「購入したい」と答えたわずか五十人のうち三十六人(七二%)は「料理法によって使いわけたい時がある」、十二人(二四%)は「興味があるので一度試しに購入したい」と答えており、「国産米とさほど違いはない」と、日常的に主食として外米を食べようと思っているのはたった二人(調査総数の〇・一五%)にすぎません。

 同時に軽視できないのは食糧庁が「購入したくない」と答えた人にまで「どのくらいの価格までなら購入するか」と、誘導とも思われる質問をしていること。

 これに対して「どんなに安くても購入しない」がアメリカ産・オーストラリア産米でそれぞれ四七%、タイ産米では五七%。食糧庁の設問は十キロ二千円未満から五百円きざみで四千円未満まで五段階の価格を設定していますが、たとえばアメリカ産米の場合二千円未満なら買うと答えた人が一〇%、三千五百円〜四千円なら買うと答えた人はわずか一%にすぎません。

 五月に行われたSBS(売買同時入札、主として主食用)米の食糧庁買入価格はアメリカ産精米で十キロ六百九十三円、中国産米で六百七円。これに二千円前後の関税(マークアップ)をかけているために卸の買付価格が十キロ二千六百円前後になっていますが、アメリカは次期WTO交渉で、「ゼロ関税」を要求するとしており、今回の食糧庁調査は、こういうアメリカの圧力を誘発する可能性があるといわざるをえないものです。

 昨年四月から米の関税化が実施され、大資本のリストラ・賃金切り下げが続くなかでも、国民各層がきわめて健全な意向を持っていることに大いに確信を深めるとともに、中小米流通関係者とも力を合わせて、日本の米と食糧を守る国民合意の形成に努力する条件と必要性が高まっていることを、この調査結果は示しています。

(新聞「農民」2000.7.17付)
ライン

2000年7月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2000, 農民運動全国連合会