十億円かけ“ぬかるみ”作ったズサンな土地改良に怒り〈青森〉
五月二十六日、青森県浪岡町の吉野田地区。一枚一町歩(一ヘクタール)の広い田んぼで、二十人ほどが田植えをしていました。膝の上までぬかり、とても田植機が入れるどころではありません。 となりの区画では、ぬかるみを慎重に避けて運転していた田植機が、途中で立ち往生していました。 写真を取りに引き返すと「写真を取りにきたぞ。このぬかるみを証拠にとっておいてもらうべの」と叫ぶ農家の声に、やり場のない怒りが感じられました。土地改良工事は五月十三日完成・引き渡しの予定でしたが、農家の一人は「引き渡しだというが、なんの連絡もない」と怒っていました。 工事費は十アール二百万円、全体五十ヘクタール。十億円もかけて、ぬかるみをこしらえたことになります。 工事発注者の中南農村整備事務所の職員は「雨が降って予定が狂った。なにせ自然が相手なもので」と言い訳ばかりでした。 ズサンな土地改良は、実は三年前、田舎館村の大根子・豊蒔地区でもありました。受益者とともに中南農村整備事務所と交渉し、欠陥工事のやり直しを約束させました。事務所長は、農民組合に対して「工事に万全を期してまいります」と文書で回答していましたが、今回の工事でまた同じことを繰り返しています。 (津軽農民組合 須藤宏)
(新聞「農民」2000.7.3付)
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[2000年7月]
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