2011年5月
■2011年5月30日(第974号)
- 未承認のGMパパイア流通
- 沖縄県内で販売されたパパイアから昨年、未承認の遺伝子組み換え(GM)が確認され、いま大問題になっています。農水省が調査した結果、那覇市内の種苗会社で収集した品種「台農5号」の種子からでたものであることがわかりました。GMパパイアが市場に出回ったことで、「台農5号」の出荷はストップし、それ以外のパパイアも価格が暴落。農家は大打撃を受けています。
- 被災者支援長く続けよう/大震災救援募金 ご協力ください
- 遠く南の沖縄から「1日でも長く被災地を支援しよう」と、工夫しながら義援金を呼びかけている米屋さんがいます。農民連ふるさとネットワークを通じて、福島産をはじめ東北の米などを扱っている(株)仲間米屋です。
- TPP交渉参加先送り/風評被害はれっきとした損害
- 菅内閣は5月17日、東日本大震災後の政策運営を定めた「政策推進指針」を閣議決定しました。そのなかで、TPP(環太平洋連携協定)交渉へ参加するかどうかを決める時期を「6月まで」としていたこれまでの基本方針を変更して、「総合的に判断する」との表現にあらため、事実上先送りしました。
- 食健連 宮城県へ被害・復旧視察/愛車を寄贈
- 全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)は5月12、13の両日、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県で被害と復旧状況を視察しました。全国食健連の坂口正明事務局長や農民連の笹渡義夫事務局長ら7人が参加しました。
- 欲しい物手に笑顔あふれる
- 岩手県農民連女性部は5月14日、5回目の炊き出しと「青空0円市」を、津波で甚大な被害を受けた山田町で行いました。避難所には、田ノ浜地域から54世帯113人が避難していますが、昼はパンと飲み物のみ。日本共産党の佐藤照彦議員から、「できればこの避難所で炊き出しを」との要請を受けておこないました。
- 農のこころ
- 雨脚の代田たたいて迅くなる
- 6月1・2日 全国公害被害者総行動/第36回全国公害被害者総行動
- 今年で36回目を迎える全国公害被害者総行動が6月1・2の両日、東京都内を中心に行われます。未曽有の被害をもたらした東日本大震災・福島原発事故のもとで行われる今年の総行動は、原発事故の被災者との連帯が大きなテーマに掲げられています。なぜ公害運動が被災者との連帯に取り組むのか――同実行委員会事務局長で、「水俣病被害者の会全国連絡会議」事務局長でもある中山裕二さんに聞きました。
- 原発依存から自然エネルギーへの転換を今こそ
- 公害地球環境問題懇談会(公害地球懇)は5月14日、東京都内で、総会と原発問題をテーマにした記念シンポジウムを開きました。
- 米粉の魅力まるごといただき!
- 米や雑穀の粉の利用は、奈良時代に遣唐使によって、中国から唐菓子が伝えられたのが始まりでした。この唐菓子が伝わって以降、穀物を加工した日本の菓子が始まり、江戸時代には、神社、仏閣へのお供えや、公家、大名などの御用菓子といった茶の湯とともに美を追究した和菓子が地方に広がりました。
- 震災復興がんばれ!/「空の安全」「食の安全」求めて
- 日本航空(JAL)不当解雇撤回裁判原告団から震災被災地(岩手、宮城、福島)の各農民連に激励の寄せ書きが届きました。
- どろんこになって親子田植え
- 関西の有力米穀店が集まる「あすなろの会」は5月8日、滋賀県農民連の協力のもと、産地交流も兼ねて「田植え体験学習」をしました。ほかの消費者団体も加わり約100人が参加しました。
- 原発が空を土を海を汚した
- 4月29日、茨城県結城市の北嶋誠さんちの菜の花畑と雑木林で、「第13回菜の花まつり」が開かれました。参加した音楽グループ「いわき雑魚塾」の比佐和美さんから、感想が届きました。
- 旬の味
- 大震災から2カ月余りが経っても、原発はまだ予断を許さない状況が続いている。浜岡原発の停止という一筋の光明が、脱原発へと大きく舵(かじ)を切ることにとつながってほしい
■2011年5月23日(第973号)
- 届けた米は17万食分/子どもにおなかいっぱい食べさせて
- 宮城県農民連は大震災以来、全国から寄せられた支援物資を各地の避難所や救援センターに連日のように届け、米だけでも15トン余り、17万食を超えました。そのほかに、野菜やくだもの、みそ、ミネラルウオーター、生活物資や衣料品など20トン余りにもおよんでいます。
- 原発賠償/仮払い実施へ/大震災救援募金 ご協力ください
- 政府は5月12日、東京電力福島第1原発事故の損害賠償について、農業者・畜産業者・漁業者に賠償額の確定を待たずに仮払いするよう、東京電力に要請しました。農民連、全国食健連は4月26日の「全面的に償え! 抗議・賠償請求行動」などで、東電と政府に仮払いを含めた速やかな賠償を求めてきました。
- 大震災口実の増税許さない/原発行政ゆがめる天下り
- 農民連も加入する消費税廃止各界連絡会議は5月11日、「復興財源は国と大企業の責任で! 消費税増税で国民への負担押し付けは許さない」をテーマに、国会内で学習決起集会を開きました。
- 農のこころ
- 田水張る棚田一枚ごとの貌(かお)
- 核兵器廃絶求め一歩一歩/福島支援の甘酒完売
- 「今年は特別な平和行進です。原発はいらない! 核兵器廃絶を求めて一歩一歩踏みしめ、広島・長崎をめざそう」―今年も国民平和大行進がスタートしました。
- アースデイ東京2011/被災農地の復旧は…
- 地球のことを考えて行動する日、「アースデイ東京2011」が4月23、24の両日、東京・代々木公園で開かれ、2日間で10万人が参加しました。今年のテーマは「ふんばれ日本、かわらなきゃ未来」。東日本大震災を経験し、新しいエネルギーのあり方や環境問題へのメッセージを発信しました。
- 4.26抗議・賠償行動参加者の声
- 国や東電は農家の苦労わかっていない/放射能こわいが農業をつづけたい/家族バラバラ酪農だめにした/牛はどうなる?先が見えない…/普通のくらし、きれいな福島返して/福島の農民は何つくればいい/原発事故の収束一刻も早くして/社長は福島に来て皆に謝れ
- 2011夏季カタログ
- 「農業を支え続けたい」の声にこたえる「2011夏季カタログ」ができあがりました。このカタログは、産直品を紹介するだけでなく、出品した農家にも大きな励みにもなっています。
- 旬の味
- テレビドラマ「高校生レストラン」が始まった。これは、三重県多気町にある県立相可(おうか)高校食物調理科の先生と生徒たちが、調理も接客も会計もすべて運営する実在のレストラン「まごの店」をモデルにしている
■2011年5月16日(第972号)
- もはや生活はギリギリだ!! 一刻も早く賠償を仮払いせよ
- 「もう生活できね。すぐに仮払いしろ!」「汚した農地、ふるさとをすぐ返せ!」「家畜を見殺しにはでぎねぞ!」―4月26日、東京・千代田区の東京電力本社前には、バス3台に乗り込み160人で駆けつけた福島や茨城、千葉など各地の農民をはじめ、労働組合や消費者団体などから400人以上が集まりました。そして、「モ〜、許せん!」と千葉・福島からトラックで連れてきた2頭の牛のほか、ムシロ旗やプラカードを掲げ、出荷停止になったキャベツやホウレンソウを手に怒りをぶつけ、一日も早い原発事故の収束と全面的な損害賠償、早期の仮払いを求めました。
- 東電が賠償しないなら国がやれ 従来の枠にこだわらず米増産策を/農水相あて要請書
- 農民連と全国食健連は、農水省と交渉を行い、(1)全面的な損害賠償を速やかに実施すること(2)大震災を踏まえた米政策を抜本的に見直すこと―を求めました。
- うちのとうさんは東電に抗議するため命を絶った
- うちのとうさんは、東電に抗議するため命を絶ったと思っています。地震の後は元気に後片付けをしていましたが、原発が爆発したというテレビを見てから、「もう福島の農業は終わりだ」とすごく落ち込んでいました。とうさんは日ごろから「被爆国の日本がなんで原発やってんだ」「反対しているのは共産党だけだ」と言っていました。広島にも行って勉強もしていました。
- 東電本社前 抗議集会あいさつ
- 現在未来失った損害補償をしろ/地元で商売を続けられるのか/農民に犠牲の押し付け許さぬ/農家が生産物を売れないなんて
- 農のこころ
- 春の田の水分(みまくり)石の乾きなほ
- 「線引き」や「引き延ばし」をやめ、あらゆる被害・損害に全面賠償を
- 東京電力福島第一原発事故による損害賠償について、文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会(以下、審査会)は4月28日、第1次指針を策定しました。
- 放射能汚染地帯を行く(下)リポート 福島・飯舘村
- 「今さら避難と言われても、なにも決まってない。決まっているのは作物を作ってはならないということだけだ。補償が確約できなければ避難したくても動けない」と、不満が爆発している。高橋幸吉さん(56)は父親と息子たちで和牛、コメ、野菜、花などを作っている。息子が後を継ぐと言うので、昨年トラクターなどを買った。ハウスなどの設備投資で1000万円の借金がある。「もう返済できねえ」と肩を落とした。ハウスの中にはホウレンソウが青々と育っていた。ハウスの中だから汚染していない。「近所の人に配っているが、配りきれない。持って行くか?」と、お土産にたくさん頂いた。「コメも作るな、何も作るな。田や畑は耕すな。でも補償はなにも具体的になっていない。殺されるのをじっと待っているようなもんだ」と、高橋さんは怒りを押し殺して言った。
- 北海道から救援乾草届く/大震災救援募金 ご協力ください
- 北海道の北の町、幌延を出発して約35時間。5月6日、乾草とともに幌延町の鷲見(すみ)悟さんが福島市入りしました。10トントラックに積まれた370キログラムの乾草22個が、酪農家の佐々木健三さんと息子の光洋さんが経営するささき牧場に到着しました。
- 旬の味
- 4月26日、昼下がりの東京電力本社前。「抗議・賠償請求行動」には、千葉と福島から牛が来て「モ〜」と鳴いて抗議した。「何の因果で東京のど真ん中にこなければならないのか!」と、つぶらな瞳がそう訴えているようだ
■2011年5月2・9日 合併号(第971号)
- 放射能汚染地帯を行く(上)リポート 福島・飯舘村
- 「村は放射能汚染で一気に有名になってしまった」、でも「ここの電気は東北電力だ。東京電力の恩恵を受けているのは東京や周辺自治体だ。なんで東京電力のおかげで、苦しまなきゃなんねえだ?」と、農民たちの怒りが爆発している。
- 農民連 すぐ被災地へ飛び救援物資次々/農民連に寄せられた募金 各団体・個人から1000万円超/大震災救援募金 ご協力ください
- 大震災発生から1カ月余り。全国の農民連は震災後、ただちに支援に立ち上がり、米や野菜などの農産物を被災地に届けてきました。4月20日現在、37の都道府県連から米で約33トン、みそ約1トン、肉約500キロ、たまご約2500キログラム(4万5000玉)、野菜約30トン、果物約20トンなどが被災者に届けられました。合計で約100トン、金額ベースに換算すると約3000万円分にも相当します。
- サバのみそ煮・餃子に思わず涙/原子力事故の損害賠償の流れ
- 神奈川農畜産物供給センターは4月16、17の両日、第4弾の救援活動を行い、岩手県陸前高田市の避難所に「母親フーズ」が提供してくれたさばのみそ煮(510パック)や手作りギョーザ(2000個)、米や野菜、「母親シャボン」が提供してくれた石鹸などの日用品を届けました。同行した、農民連ふるさとネットワークの笠原尚さんのリポートです。
- 農のこころ
- 畝立ての人陽炎を四方にせり
- 「判定指針づくり」を討論/農林水産関係者で「連絡会議」
- 原子力損害賠償紛争審査会(以下、審査会)の1回目の会合が4月15日、文部科学省で開催されました。メンバーは、法学、医学の学識者や、原子力分野を研究している高度情報科学技術研究機構の会長など10人。
- 戸張順平、鮎川泰輔両弁護士に聞く
- 東京電力・福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故による農産物への被害が深刻化しています。東電に全損害の賠償を求めるために何が必要か。JCO放射能漏れ事故(1999年、茨城県東海村)で損害賠償の請求活動に携わった弁護士の戸張順平さんと鮎川泰輔さん(水戸市)に聞きました。
- 東電は全面的に償え(1/4)/(2/4)/(3/4)/(4/4)
- 福島原発の重大な事故による放射能漏れはいまだ止まらず、福島県や茨城県の田畑を汚し続けています。育った野菜は出荷できず、酪農家は毎日、牛にえさを与え搾っては捨てていきました。東京電力と政府は、風評被害も含めて全額補償の立場を表明し、当面、補償仮払いをただちに行うべきです。
- 春耕雑感
- 私の田は、秋にワラを全量鋤(す)き込むので、春先にもう一度耕起しなければワラは腐らない。だから春耕は欠かせない作業だ。
- 本の紹介/ブックレット アジアの平和と「新防衛大綱」/パンフレット 1からわかる日米安保
- 安保破棄中央実行委員会はこのほど、安保がわかるシリーズの7冊目としてブックレット『アジアの平和と「新防衛大綱」』を作製しました。
- いち早く支援団現地へ
- 全日本民主医療機関連合会(略称・全日本民医連、藤末衛会長)は、大震災が起こって以降、いち早く、医師や看護師、医療スタッフが支援に入りました。その人数は、北海道から沖縄まで、被災地の岩手・宮城・福島を除くすべての都道府県から2289人に達しています。(4月24日現在)
- 日販連・ふるさとネットが野菜即売会
- 日本販売農業協同組合連合会(日販連)と農民連ふるさとネットワークは4月21日、東京・新宿農協会館前で、被災地と風評被害産地を支援しようと、茨城・千葉産の野菜即売会を開きました。午前10時の開店前からお客さんが集まり、午後2時半には完売しました。日販連の職員たちが「安全な野菜です」と呼びかけると、「風評被害に負けないで」と、コマツナやゴボウ、土付きネギなどの野菜や卵をたくさん買ってくれました。
- 子どもたちの元気届け!!
- 福岡・みのう農民組合は「里山にどんぐりを植えて、シイタケを作ろう!」という運動に取り組んでいます。そのひとつに、「幼稚園や保育園にホダ木を持ち込み、園児たちに育ててもらってシイタケ狩りも楽しんでもらおう。自然に親しんでもらおう」ということで、4月11日、熊本県山鹿市の山鹿保育園にホダ木10本を持っていきました。お土産に持っていったカブト虫の幼虫の入ったダンボールをあけるたびに、女の子園児たちは、「ぎゃあ〜!」「ぎゃあ〜!」の声。
- 「自由が丘3丁目・白山米店のやさしいごはん」/激励の絵手紙
- 東京都目黒区の自由が丘駅から歩いて5分。家族3人で営む白山(はくさん)米店が立っています。この小さなお米屋さんのお母さん、寿松木(すずき)衣映(きぬえ)さんが、娘の苗実(なみ)さんに贈った愛情たっぷりのレシピ集「自由が丘3丁目・白山米店のやさしいごはん」がいまおいしさと笑顔を振りまいています。
- 旬の味
- 東日本大震災で亡くなった方々の冥福(めいふく)を毎日祈っている。被災された人たちも、不便な暮らしの中で助け合いながら生きていることが報道されている
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