集荷倉庫の米袋 大量被害食健連 宮城県へ被害・復旧視察地域の声生かした復興計画こそ
全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)は5月12、13の両日、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県で被害と復旧状況を視察しました。全国食健連の坂口正明事務局長や農民連の笹渡義夫事務局長ら7人が参加しました。 12日は、宮城県農民連の鈴木弥弘事務局長の案内で、美里町の「みどりの農協」の米集荷倉庫を訪れ、米穀課長の高嶋秀治さんから、米袋の破袋・カントリーエレベータの損壊などの被災状況について説明を受けました。高嶋さんは「大量の米袋が崩れたのを見たときは、どこから手を付けたらよいものと途方にくれた」「やっとのことで積み直したかと思ったら、また4月7日の地震で崩れてしまい、やっと片付けた」と話していました。 また、津波被害の大きかった東松島市に住む宮城県農民連の武田久夫さんを訪問し、津波で道路がえぐり取られズタズタに破壊された排水機場など視察。被災後初めて訪れたという武田さんも「ここまでひどいとは思わなかった。改めて津波の威力に驚いた」と話しました。
13日には、県農協中央会を訪れ、営農農政部次長の安齋明修さんから農産物や農業施設の被害状況と今後の課題について話を聞き、懇談しました。安齋さんは、「農業生産額の6割を占める米が大きな被害にあった。施設園芸に力を入れてきた沿岸部が津波にやられ、これを機にやめる農家もある。国有化などの復興計画が一時報道されたが、農協にはいっさい話しがない。農協としても復興再生プランを提起し、組合員とともにこの難局を乗り越えていきたい」と話しました。
愛車を寄贈神奈川の高橋さん神奈川県でJA直売所の組合長を務める高橋誉夫さんは、愛車を被災地に贈るため、自ら運転して今回の視察に参加。高橋さんから自動車寄贈の申し出を受けた武田さんは、「車の支援物資なんてすごいですね」とびっくり。高橋さんも「喜んでもらえる人に渡せてよかった、ここまで来た甲斐があった」と感激していました。(農民連 吉川利明)
(新聞「農民」2011.5.30付)
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[2011年5月]
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