旬の味
大震災から2カ月余りが経っても、原発はまだ予断を許さない状況が続いている。浜岡原発の停止という一筋の光明が、脱原発へと大きく舵(かじ)を切ることにとつながってほしい▼長野県売木村放牧組合では、福島で被災した牛を牧場で受け入れることになった。しかし何頭の牛を、いつからいつまで、どのような形で受け入れるのか、具体的なことは何も決まっていない。組合員一同、初めてのことに戸惑いも大きいが、「遠くの誰か」ではなく、「同じ牛飼い仲間」が困っているならと受け入れを決めた▼5月半ばの牧場開きに向けて、4月から草地の肥料まきや柵の修繕など組合員はもとより村の職員まで出て準備を進めてきた。しかしここにきて、県の北部・東部にある放牧場の放射線量測定の結果を待ってからという理由で、牧場開きの日取りを決められずにいる▼牛たちが新緑の牧場を駆け回る日を待ちわびながら、わけのわからない東電の収束に向けた「工程表」に、なんだか落ち着かない日々が過ぎてゆく。 (よ)
(新聞「農民」2011.5.30付)
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[2011年5月]
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