神奈川農畜産物供給センター 陸前高田へサバのみそ煮・餃子に思わず涙“来月また来るね 何食べたい?”
神奈川農畜産物供給センターは4月16、17の両日、第4弾の救援活動を行い、岩手県陸前高田市の避難所に「母親フーズ」が提供してくれたさばのみそ煮(510パック)や手作りギョーザ(2000個)、米や野菜、「母親シャボン」が提供してくれた石鹸などの日用品を届けました。同行した、農民連ふるさとネットワークの笠原尚さんのリポートです。
約300人が生活する小学校の避難所では、被災した女性十数人で毎日の食事の用意していました。家も日常生活も失っている皆さんですが、調理室は意外にも和気あいあいと楽しい雰囲気で驚きました。しかし「みんなで慌ただしく調理をしているから辛さを忘れられる」「1カ月間、調理場以外は出たことがない」という話を聞き、胸が痛みました。 6カ所で炊き出しをしました。避難されているみなさんが「ギョーザを食べるのは1カ月ぶり!」と言って喜んでくれました。「神奈川供給センターの女性職員が総出で手作りしたんですよ」と伝えると、「津波が来た時は泣かねかったのに、あんたらの優しさには涙が出るよ」と、感謝の言葉をかけてくれました。 「昨日はラーメン屋さんがボランティアに来て、1カ月ぶりにラーメンを食べた。みんな思いっ切りズルズルと音を立てて食べたよ」と教えてくれました。
神奈川農畜産物供給センターの今森節夫さんは「食事やお風呂、洗濯、娯楽など、以前は当たり前のようにしていた生活を、ひとつひとつ取り戻していくことが励みになるし、そういう支援が必要だと思う。復興まで支援をやり抜きたい」と語っていました。別れる時に、「来月また炊き出しに来ます。何が食べたいですか?」と聞いたら、即座に女性が「チーズケーキ!」と答えて、みんなで大笑いしました。 避難所生活はまだまだたいへんですが、被災地と心をつなげて、できることを一つずつ積み重ねていくことが生活再建に近づくと感じました。
原子力事故の損害賠償の流れ原発事故の被害に対する賠償は、「原子力損害賠償法」で定められています。別表のように、原子力損害賠償紛争審査会が損害賠償の「判定指針」を定めます。被害者(避難住民や農漁業者など)は賠償請求を申し出ますが、「判定指針」に基づいて東京電力と交渉します。そこで示談すれば賠償金が支払われますが、不服の場合には「紛争審査会」が仲介に入って和解するまで交渉を続けるか、裁判で争うことになります。法律では、被害額がいくらになろうと東京電力が全額賠償する義務を負っていますが、国が肩代わりすることもできます。今回の事故では、賠償額が数兆円にも及ぶことが予想されることから、国が公的資金を投入して東京電力の経営を監視する「原発賠償機構」を新設する案などもとりだたされています。
(新聞「農民」2011.5.2付)
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[2011年5月]
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