「農民」記事データベース20110530-974-12

原発が空を土を海を汚した

福島に菜の花が広がったらいいなぁ


茨城「菜の花まつり」に参加した
「いわき雑魚塾」の比佐和美さん

 4月29日、茨城県結城市の北嶋誠さんちの菜の花畑と雑木林で、「第13回菜の花まつり」が開かれました。参加した音楽グループ「いわき雑魚塾」の比佐和美さんから、感想が届きました。

 いわき雑魚塾は、歌もヘタ、楽器もヘタ、福島で一番ヘタなチームですが、「菜の花まつり」で歌うことが楽しみです。人生、何が起こるかわかりません。今年は昨年の分まで歌おうと思っていたところ、3月11日の大地震です。その後、原発事故がありさらに大変な事態になっています。

 水素爆発の直後から1週間、県外に避難していました。でもいまは、いわき市に戻って仕事を再開しています。原発事故の後、風評被害を受け、ガソリンや食糧が不足しました。風評被害では、農業に従事する方々は本当に大変だと思います。

 高村光太郎の妻、智恵子は「福島にはほんとの空がある」といいましたが、原発は空を汚し、土を汚し、海を汚し続けています。それでも原発にまだしがみついているのは、誰にとって何のためにと考えてしまいます。

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「いわき雑魚塾」のみなさん(右端は、比佐さん)

 漁に出れない漁師、作物を作れない農家、外遊びができない子どもたち、故郷に帰れない避難者…。少しずつ良くなっていくことを願うしかありません。そして人間の生活をいかに自然と共存していくかを考え、原発に依存したエネルギー政策を転換していく機会となればと思います。

 「菜の花まつり」の会場となっている雑木林の中を、風が吹き渡っていきました。菜の花が満開です。福島県にもいわき市にも、菜の花が広がったらどんなにいいだろうと想像しています。

(新聞「農民」2011.5.30付)
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2011年5月

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