原発依存から自然エネルギーへの
転換を今こそ
公害地球懇が記念シンポ
公害地球環境問題懇談会(公害地球懇)は5月14日、東京都内で、総会と原発問題をテーマにした記念シンポジウムを開きました。
記念シンポでは、地質学者として30年以上にわたって全国の原発問題を追及してきた新潟大学元教授の立石雅昭さんが講演しました。立石さんは、東北地方太平洋沖地震のデータや、最近になって研究の進んだ平安時代の「貞観(じょうがん)津波」の研究成果などを紹介しながら、電力会社や国が福島原発をはじめ全国の原発で、地震や津波への対策を怠っていることを批判しました。また「“産・官・学の癒(ゆ)着”が、根拠のない『安全神話』を生み出してきた」と指摘し、原発推進の構造がなお健在であることに強い警鐘を鳴らしました。
福島・浜通り農民連の三浦広志さんが、「時間はかかっても、農民として再出発したい」と、原発事故によって避難生活を強いられている自らの体験を報告。「事故の危険性は福島だけの問題ではない。震災後の復興にも太陽光発電を大々的に取り入れるなど、今こそ原発依存のエネルギー政策を変えなければならない」と訴えました。また農民連からは、4月26日に行われた東電本社前抗議行動や損害賠償の現状などを報告しました。
また、東京電力で思想差別をたたかった労働者が「電気は本来、公共的なもので、もうけの対象にしてはいけない。しかし東電はもうけを最優先し、地域独占に守られて巨大企業になった。その姿勢が、福島の原発事故にも結びついている」と発言しました。
(新聞「農民」2011.5.30付)
|