2005年6月
■2005年6月27日(第689号)
- ズサンどころかBSE牛見つけない策だ/全頭検査は消費者の信頼を回復する唯一の方法
- アメリカ産牛肉の輸入再開の是非が食品安全委員会に諮問されるなか、全国食健連・農民連はアメリカにBSE視察団を派遣(5月30日〜6月6日)。佐々木健三・農民連会長、坂口正明・食健連事務局長をはじめ、石黒昌孝・食品分析センター所長、福永隆・全農協労連副委員長と私(二瓶康一)が参加しました。視察を通じて、アメリカの対策は「ずさん」を通り越して、“BSEを見つけないための対策”との感を強くしました。
- 改憲反対運動のうねりを/小規模農家つぶす政策だ
- 全国革新懇(平和・民主・革新の日本をめざす全国の会)は6月11日、東京都内で第25回総会を開催。全国から245人が参加、38人が地域・職場・団体など各分野で繰り広げられている革新懇の多彩な活動を報告しました。
- 国際会計基準と農協経営〈解説〉(下)
- 国際会計基準に従って、今年四月から上場企業はもちろん、農協にも「減損会計」が適用されることになりました。この「減損会計」というのは、土地・建物・遊休施設・遊休地やソフトウエアなど、有形・無形の固定資産について、回収可能価額と帳簿価額との差を、その兆候から察知して将来もその傾向が改善されないと判定された場合、帳簿価額を回収可能価額に改め、その差額(減損損失)を特別損失として計上する会計基準です。
- 国会だより/リンゴ火傷病
- WTO(世界貿易機関)の紛争処理委員会(パネル)で、アメリカとの間で争われているリンゴ火傷病の検疫問題では、わが国の主張が受け入れられず、いっそう検疫措置の緩和が行われようとしています。6月中にも最終報告が出される予定です。
- 近づく農業委選 地域農業振興へ
- 全国3分の2の自治体で行われる、いっせい農業委員会選挙(7月10日投票)が間近に迫ってきました。全国でがんばる農民連会員の農業委員の取り組みを紹介します。
- アメリカBSE汚染の深刻さ実感(1/3)/(2/3)/(3/3)
- 佐々木 私たちは7日間の視察で、10の消費者・農業団体、NGO、それから政府、業界団体と話をした(1面表)。ハイライトはやはりアメリカ農務省と食肉輸出連合会。農務省では対日交渉チームの代表を務めるチャック・ランバート副次官が、食肉輸出連合会ではフィリップ・セング会長が自ら応対した。これは、BSE問題に対する日本国民の運動、関心の高まりへの彼らなりの警戒感の表れだろう。アメリカ産牛肉の輸入解禁を迫る“本丸”と対決できた成果は大きい。
- 読者からのお便り
- お元気ですね!! 田中美智子さん/生きてるだけで丸もうけ、賛成/半年か1年の命と言われたら…/トラクター購入来年こそは必ず/今年は気温が変 冷夏になるか?/お米1粒1粒の大切さ、体で痛感/三陸の豊富な海の幸も最高!!/わが家のゆすらうめ 甘酸っぱい香り漂い食べごろに/街中の貴重な田で小5生が田植え
- “地産地消”と結んで学校給食を育てよう
- 5回目となる保育園・学校給食交流集会「地域が育てる子どもの給食」が6月12日、都内で開かれ、全国各地から調理師、栄養士、保育士、教職員、生産者、父母ら160人が集まりました。家庭栄養研究会と食べもの通信社の共催です。
- 人間性優先こそ地域活性化への道/保育園児ら歓声
- 第5回「小さくても輝く自治体フォーラム」が6月4、5の両日、新潟県関川村で開かれ、約300人が参加しました。
- ふるさとネット ワクワクだより
- 手延べうどん(里のめぐみ)/無添加・てづくり みそときなこ/豚ロースみそ漬け物
- 農民連青年部/夏の学習交流会in北海道・空知
- 夏の学習交流会in北海道・空知に、全国から参加しましょう―農民連青年部は7月6〜8日までの3日間、北海道で2005年「夏の学習交流会」を開催します。
- 北海道連青年部 新鮮組
- 農民連・空知産直センターの会員や会員の後継者7人が集まり、4月13日、青年部活動をスタートさせました。名前も昨年のNHK大河ドラマ「新選組」にあやかって「新鮮組」に。役職も「局長」と「副局長」です。局長は美唄市峰延で稲作中心に営農している二児の父親、松村広樹さん(30)、副局長は栗沢町でゆり根や麦、大豆などを作る新婚の谷内宏和さん(31)に決まりました。
- 新婦人道本部・農民連空知産直センター/楽しい田植えツアー
- 新日本婦人の会北海道本部と農民連・空知産直センター主催による「田植えツアー」が6月5日、開催されました。さわやかな青空の下、気持ちよく楽しく田植えを体験しました。
- 旬の味
- 7月3日投票の東京都議会議員選挙が迫っている
■2005年6月20日(第688号)
- 遺伝子汚染 国内に広がる/自給率向上が何よりも大事
- 食用油や飼料向けに輸入されている遺伝子組み換え(GM)ナタネが、運搬作業中にこぼれ落ち、港周辺での自生が全国各地で広がっていることが、農民連食品分析センターの調査で明らかになりました。農水省や市民団体などの調査によっても、輸入港近辺で生育が確認されているGMナタネ。自生種が世代交代を繰り返すうちに非GMの国産ナタネなどと交配し、汚染を広げる危険性が指摘されています。
- 農家を支えるのは女性 希望のもてる支援ぜひ
- 農民連女性部は6月7日、「当面の農業施策と農家の女性への支援を求める要請」を島村農水大臣あてに行ないました。この要請行動には、首都圏の県連をはじめ、遠くは青森、岩手、福島、愛媛、奈良、静岡などから15人が参加しました。
- 農農研総会と研究大会活発に質疑・討論
- 農業農協問題研究会は六月四日、東京都内で第22回総会を開き、全国から60人余の会員が参加して、2005年度の事業計画と予算案などを討議。また、「九条の会」事務局長で東京大学教授の小森陽一さんが、「憲法をめぐるいまの事態をどうみるか―『九条の会』の1年と国民運動の課題」と題して特別講演。
- 国際会計基準と農協経営〈解説〉(上)
- いま国際会計基準の見直しが進められ、「会計ビッグバン」とよばれています。経済活動のグローバル化のなかで、企業が海外で資金を調達するのに、投資家が企業実績を適切に判断できるように、各国ごとに異なっている会計制度を国際的に統一する必要性から取り組まれているものです。
- 迫り来る大地震にどう備えるか 全国フォーラム
- 阪神・淡路大震災から10年、「迫り来る大地震、自然災害にどう備えるか」――。「全国フォーラム」が5月27、28の両日、神戸市で開かれ、19都道府県からのべ400人。農民連から本部・新潟・福井の代表4人が参加しました。
- 私たちは侵略戦争の美化と「不戦の誓い」の破棄を許さない
- 東ティモールで開かれたビア・カンペシーナ東南・東アジア地域会議で、農民連が表明した「私たちは侵略戦争の美化と『不戦の誓い』の破棄を許さない」を紹介します。
- インド農業最大の危機/〈投稿〉殺虫剤はムダ(中)
- 「緑の革命」が始まって30年が経ち、農学者たちは「殺虫剤は時間と金の無駄である」と気づき始めた。土地がやせ、地下水が汚染され、農民が殺されて、ようやく彼らは大きな過ちであったと気がついた。
- 農業・食料を通じて憲法を考えました
- 農業・食料問題を通して憲法を考える取り組みが始まっています。「国民の食糧と健康を守る宮城県連絡会」(宮城食健連)は6月5日、ラムサール条約に指定登録されている伊豆沼のほとり、栗原市若柳で、「おにぎりと憲法」と題した憲法行事を行い、新鮮な地場の農産物を食べながら、大いに語り合いました。
- おいしい郷土料理 私の体にピッタリ
- 千葉県野栄町にある「産直の家」で、「八日市場市を味わうつどい」が5月28日、開催。「多古町を食べる会」につづき2回目の開催となりました。
- 茨城県母親大会に1200人
- 今年7月に日本母親大会が開かれる茨城県で、5月二12日、県母親大会が土浦市で開かれ1200人が参加。県西農民センターからは、17人が参加しました。なかでも朝市部会は、4組の夫婦を含め9人で採りたて野菜や農産加工品を展示販売して大好評。安心・安全でおいしい地場産農産物をアピール。お父ちゃんたちが販売を引き受け、女性メンバーは全体会に参加も。
- 旬の味
- 田植え後、半月も緑黄色のままだった稲にやっと色が出た。ヒエも半月も生えなかった。畦草をビーバーで刈ると同じ量の混合油で2割も余分に刈れる。雑草がやわらかいからだ。ドロオイムシの発生も遅い。カエルの声もイマイチ。浅間山の噴煙は5月下旬まで、冬のようにこちら側(南側)へ降りてきた
■2005年6月13日(第687号)
- 農民連 ビア・カンペシーナに加盟/大いに歓迎する!
- 農民連のビア・カンペシーナ加盟が実現しました。2002年に最終的な独立を達成した若い国、東ティモールで開かれたビア・カンペシーナ東南・東アジア地域会議は、5月18日、農民連の加盟申請を全会一致で承認。折からの停電により、キャンドルが照らしだす会場で「コングラチュレーション!」(おめでとう)という歓声と温かい握手に包まれました。
- 香港WTO閣僚会議にストップを/ディリ宣言WTO第6回閣僚会議が12月13〜18日に香港で開かれます。1999年にシアトルで、2003年にメキシコ・カンクンで開かれた閣僚会議は、なんの結論も出せないまま決裂しました。
- 〈投稿〉農民の自殺(上)
- 昨年11月に来日、農民連専従者研修会で「WTO
は世界の農業と食糧に何をもたらしたのか」と題して講演したインドのNGO活動家、デビンダ・シャルマさんから投稿が届きました。「農民の自殺―インド農業最大の危機」と題する論説を紹介します。
- GM稲の屋外実験中止を
- 新潟県上越市で、中央農業総合センター・北陸研究センターが遺伝子組み換え(GM)稲の屋外栽培実験を計画するなど、GM作物の問題が食の安全・安心を脅かしています。この間、都内でGM作物に反対する学習会や集会が行われ、市民が運動を強めています。
- 日本で米国産飼料用から検出
- 「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」(天笠啓祐代表)は5月26日、「遺伝子組み換え作物に関する議員と市民の学習会」を、国会議員とともに開きました。
- 食糧 農業 平和 考えた!!
- 5月28日、茨城県小川町にある百里平和農園で田植えがにぎやかに行われました。「いざ、田植え!」と銘打ったこのイベントは、今年で12回目。農民連県青年部や百里平和委員会、民青同盟などでつくる「一緒につくろう!日本のお米」実行委員会が「田植えをしながら、食糧、農業、平和を考えよう」と主催しました。
- 岩手県農民連女性部のしょうゆづくり
- 毎年、田植えのころになると、岩手の女性はソワソワします。しょうゆ麹(こうじ)を作るとき、醗酵の時に出す自熱や水分の微調整に活躍するウルシ科のヌルデの葉の成長を待っているからです。
- 農民との共同求め農村ツアー/サツマイモの苗5000本植えました
- 全労連・全国一般東京地本(室井清委員長)から、農民との共同を求めて千葉県農民連に呼びかけがあり、農村交流ツアーが開催されました。
- 旬の味
- 毎年この時期、一週間ほど仙台市に足を運ぶ。3日間は拘束された時間を過ごさなければならないが、あとは楽しい東北の旅を満喫する
■2005年6月6日(第686号)
- BSE問題 大丈夫かな?
- 全国食健連は5月21日、「大丈夫なの? BSE検査緩和・アメリカ産牛肉の輸入再開」と題してBSE問題緊急フォーラムを都内で開催。日米の一流のゲスト報告者を交えて活発に討論し、「力を合わせて、BSEの危険から食の安全と国民の健康を守ろう」と決意を固め合いました。
- 牛の縫いぐるみで名演技
- 「許すな憲法改悪! 守ろう国民生活」を掲げて、5月20日、全国から約1万人が参加して、「国会包囲国民大行動」が行われました。
- 国会包む怒りのデモ
- 農民連は、「5・20国会包囲国民大行動」の一環で、「BSEの全頭検査継続、米や農業への万全な対策の確立」を求めて農水省、環境省と交渉。さらに3600人が埋めつくした日比谷野外音楽堂の集会に参加するとともに、国会に向けてデモ行進しました。
- 「全頭検査を」の声が続出/岩手県食健連が署名訴え
- 厚労省と農水省は5月20日、アメリカ産牛肉の輸入再開に向けた意見交換会を都内で開催。約300人が参加し、「なぜアメリカに全頭検査をやれと言えないのか」「ここで出た意見を政策に反映してほしい」といった意見が相次ぎました。
- 草の根から運動強化を
- 国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)は5月22日、都内で第16回総会を開き、76人が参加。各団体が各地の取り組みを交流しました。
- 米国政策は危険を消費者に押しつける。全頭検査が最大の予防措置です
- 私が最初に強調したいのは、予防することの重要性です。そして、BSEに関しては、全頭検査することが最大の予防措置だということです。
- 全頭検査を危険部位の除去との組み合わせがリスクを最低限にできる
- 「BSEの安全対策を考える」というテーマで話をさせていただきます。日本におけるBSE対策は、大きく分けると、と畜場と農場で行われています。と畜場で行われているのは、全頭検査と、脳やせき髄など特定危険部位(SRM)の除去。農場では、牛に肉骨粉を与えない飼料規制、24カ月齢以上のすべての牛を対象とする死亡牛検査、それに生産履歴を管理するトレーサビリティーがあります。
- 都市農業 振興か切り捨てか…
- 東京都議選が6月24日告示、7月3日投票で行われます。くらし・福祉切り捨て、大規模開発優先の石原都政のもとで、農業を重要な産業として位置づけ、振興を図るのか、国と一緒になって農民・都民いじめを続けるのか、各党の姿勢が問われています。
- 元気もりもり 沖縄農民連は今…
- 昨年11月に沖縄県で開催された農民連の「九州・沖縄交流集会」を契機に、沖縄県農民連が大きく変わりつつあります。全国と九州ブロックの活動に学んで、「沖縄でも農民の期待にこたえられる組織と運動を」と、若い会員を中心に話し合い、県連役員の若返りと農民連本部への長期未納金の解決をはかり、新しい前進を始めました。中村康範会長は、「7月の全国委員会までに、豊見城市と南風原町で農民組合を再建し、元気な沖縄をアピールしたい」と決意を語っています。
- お届けします 各地の豊富な農産物
- 「ふるさとの味と心を伝えたい」――農民連ふるさとネットワークの「05年夏秋ギフトカタログ」ができあがりました。日本列島3000キロの、作り手の顔も心根も思い浮かぶような安全で豊かな農畜水産物が満載です。
- 読者からのお便り
- 缶入りお茶よりお茶屋の緑茶を/おいしい日本のお茶があるのに/安全・安心は全頭検査でこそ/農業やめる人多く複雑な気持ち/こわい輸入食品表示みて買おう/詩がすばらしく文章にも感動/異常に遅い春 農家は困ってる
- さんだいの庭で3種の花が競演
- 福岡県浮羽町にある「さんだいの庭」。ここは、小塩という集落で、佐藤好英さんが手作りした山庭です。
- この人/愛媛・岩城島に移り住んだ
- 「ブルー・レモン・ファーム 安心安全な食を求めて」。名刺にしっかりと記されています。
- 田植え初体験に母子ら歓声/雪の斜里岳を背景に種まき
- 晴れわたった青空の下宮崎市内の田んぼに27人が集まりました。5月15日、農民連と新婦人の初めての田植え。
- ふるさとネットワクワクだより
- 泉州水ナスの浅漬け/マダーボールスイカ/りんごっ子ジュース/紅玉リンゴジュース
- ガンで「余命半年から1年」と告知されてもピンピン元気です
- いま『さよなら さよなら さようなら』という本が話題になっています。著者は元衆議院議員(日本共産党・革新共同所属)の田中美智子さん(82)。「余命半年から一年」と宣告されて書き始めたエッセー集が実に面白い。術後二年近くなるのにピンピン元気で、各地への講演や旅行、執筆と忙しい毎日です。
- 旬の味
- 初夏を迎えた大阪で「旬の味は?」と聞かれたら、いの一番に“泉州水ナス”と答える。5〜8月が最盛期だ
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