国会だより
リンゴ火傷病
検疫緩和でアメリカが圧力
侵入防止へ万全の対策を
高橋千鶴子衆院議員が質問
WTO(世界貿易機関)の紛争処理委員会(パネル)で、アメリカとの間で争われているリンゴ火傷病の検疫問題では、わが国の主張が受け入れられず、いっそう検疫措置の緩和が行われようとしています。六月中にも最終報告が出される予定です。
この問題では、昨年六月に、わが国はアメリカの主張を受け入れて、輸入リンゴ園周辺の緩衝地帯を五百メートルから十メートルに縮小し、園地検査を年三回から一回にするなど検疫措置を緩和しましたが、アメリカは「それでも不十分だ」として、WTOのパネルで再度争われています。
アメリカのリンゴがもっとも多く輸入されたのは一九九六年の約八千五百トン、金額にして約十四億円です。ところがアメリカは、積算根拠を示さないで、「言うことをきかないなら対抗措置として百五十五億円の報復関税をかける」と、脅しています。
日本共産党の高橋千鶴子衆院議員(写真〈写真はありません〉)は、六月九日、農水委員会で「アメリカの不当な押し付けはBSE問題と同じ構図だ」と質問。島村農水大臣は「どんな国であれ、正しいと考えていることは主張する」と答弁。また万一、国内で発生した場合の対応について、中川消費・安全局長は、「防疫マニュアルがまもなく完成し、生産者など関係者に説明する」と答えました。
いったん火傷病の侵入を許せば、リンゴだけでなくナシや街路樹など、広範囲に壊滅的な打撃を与えるおそれがあります。アメリカの不当な主張をはねかえし、万全な対策が求められます。
(新聞「農民」2005.6.27付)
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