世界的な農民運動組織農民連 ビア・カンペシーナに加盟私たちの闘争をもっと強くする
農民連のビア・カンペシーナ加盟が実現しました。二〇〇二年に最終的な独立を達成した若い国、東ティモールで開かれたビア・カンペシーナ東南・東アジア地域会議は、五月十八日、農民連の加盟申請を全会一致で承認。折からの停電により、キャンドルが照らしだす会場で「コングラチュレーション!」(おめでとう)という歓声と温かい握手に包まれました。
東南・東アジア地域会議で全会一致承認侵略と多国籍企業の国・日本の農民組織として会議に参加したのは東ティモール、インドネシア、韓国、タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシアと日本の八カ国、十一組織。農民連からは真嶋良孝副会長と福伝活人国際部員が出席しました。会議では、昨年四月に開かれた「WTOと食糧主権に関する国際シンポジウム」のパネリストとして来日したヘンリー・サラギ氏(ビア・カンペシーナ・インターナショナル責任者)が「私は訪日して農民連の組織の状況をよく見ました。農民連は立派に加盟資格を備えた組織です」と紹介。 これに応えて真嶋良孝副会長が次のように発言しました。 「農民連がビア・カンペシーナと知り合ってからの六年間、皆さんが私たちを温かく迎え、交流してくれたことに改めて感謝します。私たちは一月に開いた第十六回定期大会で、ビア・カンペシーナ加盟を決めました。 WTO協定が成立した後、日本の農業団体の中からはWTOに反対だという勢力が姿を消してしまいました。しかし私たちは、ビア・カンペシーナが示してきたたたかいの方向、とくに『WTOは農業から出て行け』『食糧主権の確立』に希望を見いだし、ここにこそ世界の流れがあると確信して活動してきました。 東ティモールでのセミナーや交流を通じて、私たちは改めて日本軍国主義の侵略と占領の歴史を直視しています。さらに日本は、現在、アジアにおける多国籍企業の拠点でもあります。 私たちは、こういう日本で活動する責任の大きさを深くかみしめながらビア・カンペシーナに加盟し、国際的な連帯を発展させる一翼を担いたいと考えています」
質問もそこそこに相次いだ歓迎の言葉議長を務めるヘンリー・サラギ氏が「農民連のことをもっとよく知るために、質問をしてください」と促すのですが、質問もそこそこに、出るのは歓迎の言葉ばかり。六年間にわたる交流のなかで、WTOの農業つぶしに反対し、食糧主権を要求して「もう一つの流れ」をともに築きあげてきた連帯感のあらわれでしょう。 実は、会議ではこれと対照的なことがありました。 今回の会議には農民連のほかに、もう一つの組織(タイ北部農民連合)が加盟を申請し、審議されました。タイ北部八州を代表し、五加盟組織を擁するなかなかの農民組織だという印象を受けました。しかし、残念ながら、これまでビア・カンペシーナとの交流の実績がほとんどありませんでした。 結局「加盟の条件が整っているかどうか判断できない」「一緒に活動して、明確な政策を持っているかどうかを知るプロセスが必要だ」という意見で、今回は加盟が認められず、来年の地域会議で検討することになったのです。
大いに歓迎する!WTOなどの問題で土台が同じだ「インドネシア農民組合連合」=FSPI委員長、ソマイリ氏「友人の農民連のみなさん、あなたたちの中に私たちがいて、私たちの中にあなたたちがいます。なぜなら、WTOなどの問題について、土台が同じだからです。農民連がビア・カンペシーナに加わったことで、私たちの闘争はもっともっと強くなることでしょう」
運動が大変な日本で勇気ある加盟タイ「貧困者連合」=AOPコーディネーター、ベラポン・ソパ氏「日本のような国で農民運動をすることはたいへん勇気のあることだと思います。皆さんがビア・カンペシーナ加盟に向けてとってきたプロセスがよくわかりました。農民連の加盟を歓迎します」
私たちは何年も前から知り合いマレーシア「ボルネオ先住民・農民運動」=PANGGAU事務局長、アワン・アリ氏「農民連が加盟の申請をしてくれたことにありがとうと言いたいと思います。私たちは何年も前から知り合いです。私は農民連の加盟を心から推薦します」
責任をともに連帯したたかおう東ティモール「持続可能な農業推進連合」=HASATIL執行委員、オスカル・ダ・シルバ「私たちは農民連を歓迎します。責任をともにし、連帯してたたかいましょう」
(新聞「農民」2005.6.13付)
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[2005年6月]
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