「農民」記事データベース20050620-688-11

旬の味


 田植え後、半月も緑黄色のままだった稲にやっと色が出た。ヒエも半月も生えなかった。畦草をビーバーで刈ると同じ量の混合油で二割も余分に刈れる。雑草がやわらかいからだ。ドロオイムシの発生も遅い。カエルの声もイマイチ。浅間山の噴煙は五月下旬まで、冬のようにこちら側(南側)へ降りてきた▼「…黒く淫らな雨雲(ニムブス)に云う …全天抛げ来すお前の意図ははや瞭(冷害・凶作をもたらそうとしているだろうの意=筆者注)しかればじつに小官は満腔不満の一瞥(いちべつ)を おまえに与えすみやかに この山頂を去ろうとする」(宮沢賢治「県技師の雲に対するステートメント」)。この詩を浅間山の噴煙とオホーツク海の寒気団に与えたい▼なぜなら一昨年六月、浅間山の噴煙が南側に下ったとき冷夏を予想したが、その通りに不作だったから。今年もまたそうなるのだろうか▼黒いエムブスよ。お前は、政府が食料自給率低下を天候のせいにするのを助け、FTA拡大の口実を与えるつもりなのか。

(節)

(新聞「農民」2005.6.20付)
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2005年6月

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