アメリカBSE汚染の深刻さ実感(2/3)全国食健連訪米視察団に参加して
毎年三百人ものヤコブ病死者…だが原因究明なし佐々木 どんな内容か楽しみだ。視察から帰ってきた五日後に、農務省は疑陽性になった三頭をウエスタンブロット法で調べ直したところ、そのうちの一頭から陽性反応が出たと発表した。これからイギリスで確認検査するそうだが(十七日現在まだ送ってもいないことが判明)、日本の基準ならすでに二頭目の感染牛だ。ハンセン博士は、ウエスタンブロット法で検査すれば陽性になると、ほとんどの科学者が考えていると語っていた。石黒 これ一つとってもアメリカの検査のズサンさがはっきりするし、「かなり汚染されている可能性がある」というハンセン博士の指摘にも信ぴょう性が出てくる。しかし、農務省はいまだにいつどこでどんな牛を検査しているのか公表しない。このことを食肉輸出連合会でも聞いたところ、テロの脅威を口実にして「安全保障上の理由からだ」という答えだった。“テロの脅威”などありえない。本当に恐れているのは真実が明らかになることだと直感した。 坂口 それから、ロドニー・レオナルドさんによると、自主的全頭検査を表明していたクリークストーン社は最近、方針を翻したそうだ。ジョン・スタウバーさんは「農務省は九十年以上前の法律を持ち出して、自主的全頭検査を禁止している」と指摘していた。(囲み左) 石黒 とにかく臭いものにはフタをするという態度だ。スタウバーさんとロニー・カミンズさんは、変異型ヤコブ病のことについても語っていた。アメリカでは毎年約三百人がヤコブ病で亡くなっているが、その人たちがBSEに感染したのかどうか、まったく調べられていないと。
(新聞「農民」2005.6.27付)
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[2005年6月]
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