「農民」記事データベース20050613-687-07

岩手県農民連女性部のしょうゆづくり

テレビ局が密着取材


“私たちは誇りと自信をもって 郷土食・食文化を伝えました”

 毎年、田植えのころになると、岩手の女性はソワソワします。しょうゆ麹(こうじ)を作るとき、醗酵の時に出す自熱や水分の微調整に活躍するウルシ科のヌルデの葉の成長を待っているからです。

 五月二十三日、例年にも増してソワソワ。それは、私たち女性部のしょうゆづくりに、「岩手テレビ」が地産地消の取り組みを紹介する番組づくりに、一日密着取材に入ったからです(写真〈写真はありません〉)。アナウンサーとカメラマンなど若い取材班にとって、手造りしょうゆの工程すべてが初めての体験。驚きと感動に取材の手を休めることもしばしばです。

 当日の参加者は、十五人。原料の大豆を煮て小麦を煎(い)り、麹を寝かせてもろみを仕込み、しょうゆを搾る。しょうゆが出来るまでの二年半の作業を一日に凝縮した内容です。今年で六年目。テキパキと仕事を進め、取材班や県外からはじめて参加した人に教えていきます。そして、自分のタルを持ち自分で搾った本物の手造りしょうゆを食べていることの誇りと自信に満ちあふれたお母ちゃんたちに感激。

 昼食は、搾ったばかりのしょうゆで、山菜ざんまいに舌鼓を打ちながら、岩手の昔ながらのしょうゆづくりが作り上げてきた郷土食・食文化など、さまざまな分野で計り知れない大きな宝に思いをはせました。そして、失われつつある大切なものを掘り起こし伝えていくことの大切さを、一年一回のしょうゆづくりのなかで、今年もまた強く感じました。

(岩手県農民連女性部 伊東庚子)

(新聞「農民」2005.6.13付)
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2005年6月

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