2004年9月
■2004年9月27日(第653号)
- 米価に異常あり!
- 出来秋だというのに、米価が大暴落を続けています。8月27日と9月11日に行われた米価格センターの入札では、どの銘柄も1990年に自主流通米入札が始まって以来の最安値。それでも買い手がつかず、それぞれ61%、65%が売れ残るという異常事態。
- 改憲反対の声 急いで全力で/発足よびかけ6団体が東京・新宿で署名・宣伝行動
- 憲法改悪を許さない草の根からの運動を――。「憲法改悪反対共同センター(略称・共同センター)」が9月16日、発足しました。全労連、新婦人、全商連、民医連、民青同盟、農民連の6団体が呼びかけていたものです。
- 台風被害・BSE・米…/北海道の台風18号被害
- 宮崎県では、台風16号と18号による農林水産関連の被害が、合わせて160億円(いずれも県調べ、9月10日現在)。宮崎県農民連の落合幹雄会長ら6人は9月13日、台風被害への対策と、BSE汚染国であるアメリカ産牛肉の輸入解禁問題、および米問題で対県交渉を行いました。県側からは、農政水産部と福祉保健部から5人が対応しました。
- 食政研が25周年記念シンポ
- 食糧政策研究会は11日、東京・新宿農協会館で、「設立25周年記念シンポジウム――食料・農業政策の再建を目指して」を開きました。研究者をはじめ農民連や労働組合、消費者団体などから約70人が参加。3人の研究者が報告しました。
- ピーマン+トウガラシの接木 おいしいピートン2世誕生
- 「さっぱりした甘さとシャキシャキした歯ごたえが、とってもおいしい」―。農の会の柳下登会長(東京農工大学名誉教授)が今年一月、品種登録した赤ピーマンの新品種「ピートン2世」です。「ピー」はピーマン、「トン」はトウガラシ。「ピートン」は、両者を接木(つぎき)して生まれました。半世紀の間、追い求めてきた柳下さんの夢の実現です。
- ピートン2世のおすすめ料理
- 「ワーカーズ フェアビンデン 食と農の談話室」代表の石井正江さんに、「ピートン2世」を使ったおすすめ料理を作ってもらいました。石井さんも「ピートン」の普及を願う一人です。
- この目で見たベトナム農業
- 「1975年4月30日、ベトナム解放軍は雪崩を打ってサイゴン市に進撃した。正午近く戦車部隊は大統領官邸(いまの統一会堂)に突入し、南ベトナムは解放された」―それから30年。いま、ドイモイ政策のもとで、ベトナムの農業や農業教育はどうなっているのか。ベトナムの農家や農業高校・大学を視察して、ベトナム社会の理解を深めようと、全国農業教育研究会(略称=全農研)の呼びかけで、8月18日から25日まで、ベトナム農業視察旅行が行われました。
- オクラ1パックでも出荷できていいネ
- ここは郡山市石筵(いしむしろ)。辺りはまだまっ暗な早朝の4時30分、渡辺イリ子さんが、軽トラで自宅を出発します。畑でとれたピーマン、ナス、赤オクラ、ジャガイモ、トマトなどの新鮮な野菜を荷台に積み込み、近所にある安田カツ子さんの倉庫に向かいます。
- 青森県農民連が合宿学習
- 青森県農民連は8月24〜25日、恒例の合宿を青森市で開きました。県連・単組の役員、事務局員を中心に約20人が参加。農民連参与の山本博史さん、青森県議の諏訪益一さんを講師に学習しました。
- “上山の千枚田”見学
- 新日本婦人の会岡山県本部は8月27日、3月に取り組んだ神戸港輸入農産物見学に続く、ウオッチング企画第二弾として、県中部にある英田町上山地区の棚田見学を行い、20人が参加しました。
- 旬の味
- 9月15日、今朝は寒い。昨日の昼は38度もあったトマトの鉢の温度が、今朝は17度しかない。人間は服を着て調整できるが、トマトはそうはいかない。急激な気温の低下のうえに冷たい水をあげたらトマトがかわいそう
■2004年9月20日(第652号)
- 食と農を守る強力な砦(とりで)に
- 「いま、食と農を守る砦(とりで)、農民連食品分析センターが出番!」――。安全な食を確保することは国民の権利です。農民連食品分析センターは、あふれる輸入食品の残留農薬などを分析し、情報を広く国民に提供してきました。9月8日に開いた「設立8周年、重金属分析装置の新設を祝う会」は、100人を超える参加者で大にぎわい。遺伝子組み換え大豆を使っていないはずの豆腐から組み換え遺伝子の検出や、生肉に使われる鮮度保持剤の分析など、最新のデータをもとに分析センターの活躍を特集します。
- 第16回定期大会(05年1月12〜14日)の開催を決定。大会めざして「会員と新聞『農民』読者拡大期間」に全力を
- 9月7〜8日に開かれた農民連第13回常任委員会は、来年1月12〜14日、都内で第16回定期大会を開催することを決定しました。
- 農作物に甚大な被害
- 今年、日本に上陸した台風は18号で七個目。観測史上最多となりました。連続的な台風の襲来が、全国各地に深い傷跡を残しています。農家は、米をはじめ農作物の価格下落とダブルパンチ。政府は、万全の救済策をとるべきです。
- ふるさとネット総会/各地からの発言
- 農業破壊の流れではなく、国産品を求める「もう一つの流れ」について、東海ネットの経験を紹介します。
- 米つぶしやめろ地域農業守ろう
- 農民連、厚生連労組、全農労組で構成する秋田県米価対策共闘会議は9月3日、秋田市内で「『米改革』は中止せよ! 米と地域農業をまもる9・3秋田県集会」を開き、全県から約60人が参加。集会のあと、トラクターを先頭に軽トラなど36台を連ねて元気にデモ行進し、市民に訴えました。
- 産地と直結、地域に根ざす/がんばる米屋さん
- 「○○さんのお米2キロください」。お客さんが指定した農家の玄米を、その場で精米。アイガモ農法や各種こだわり農法米が並んだ店頭には、農家の名前に続いて品種、産地などの表示と写真、米と農家にまつわる一文が添えられています。
- 自給率向上の請願署名を草の根から盛り上げよう
- 全国食健連は9月2日、参加団体会議を都内で開き、秋のグリーンウエーブ行動について論議しました。
- 賞味期限切れの肉が、たちまちピンク色の新鮮な肉に大変身?!
- 賞味期限が切れて褐色に変色した肉。しかし、これをふりかければ、たちまちピンク色の新鮮肉に生まれ変わる――。そんな、謎の白い粉の正体を暴いてほしい、実際に市販されている肉に使われているかどうか調べてほしいという依頼が、読売テレビから農民連食品分析センターに持ち込まれました。
- 熱い連帯と期待こめて
- 9月8日、分析センターの地元、東京・板橋区で「農民連食品分析センター8周年 重金属分析装置新設レセプション」が開かれました。消費者、労働者、加工業者、学者・研究者、国会議員など、100人あまりの多彩な人々が、分析センターの果たしているかけがえのない役割をこもごも語り、祝いました。
- 台風の荒れ狂う様、県民の叫びに聞こえた
- 9月4日から6日まで、米軍ヘリ墜落事故で怒りが急速に高まる沖縄へ、宜野湾市民大会への参加や現場視察、市民・自治体との交流などを目的とした安保破棄中央実行委員会の「連帯代表団」の一員として参加しました。
- 証言 私の戦争体験
- 小学校の先生をしていた父は、教え子の出兵に対して、「敵でも人を殺してはいけない。君はお母さんのために帰って来い」―これが送別の言葉でした。当時は、「天皇陛下のために戦死せよ」という戦争教育をしている時代ですから、勇気のいることでした。
- 読者からのお便り
- もっと農業の人と交流したい/少しでも安全な物をと産直利用/「中間論点整理」解説よくわかる/新聞「農民」で大豆栽培法みて/「健康」欄・かぜひかぬ法に感心/健康守る上で農業はすばらしい/台風多く心休まる暇ないですね/わが家の朝顔 失ってしまった/味違う新米の出回り待ち遠しい/夏バテの防止に役立ったゴーヤ/豊作なのに 喜べない米価
- 『きくまの民話と伝説』
- じょうごやの前にどぶ川があって、そこに石橋がかかっとりました。
- 食品大手「カゴメ」参入の後押し
- 和歌山県は、関西空港建設のための土砂採取跡地「コスモパーク加太」(和歌山市)にカゴメ(株)のトマトハウスを誘致する動きを強めています。県は、カゴメの農業参入に道を開くために、同地区を「構造改革特区」に申請。県の予算で土地を安く貸し出し、大企業の参入で地域農業を崩壊に導こうとしています。こうした暴挙に対抗する草の根からの共同が広がりつつあります。
- 演劇/劇団俳小の 悲喜劇『自殺者』
- 劇団俳小はロシアの演出家ウラジーミル・ベイリス(モスクワマールイ劇場主任演出家)を迎えて悲喜劇「自殺者」を上演します。失業者があふれている1920年代のソビエト社会を風刺したニコライ・エルドマンの作品。今回は、年間3万人もの自殺者が出るという日本の現状を考え、生命の尊厳、生きることの意義を訴えるヒューマン悲喜劇としてとりあげています。
- 農産物の安全確認会
- 盛岡有機農産物産直センターは9月3日、いわて生協との「安全確認会」を、西根町大更の工藤勉さんのビニールハウスで開きました。
- 沖縄のパイン畑でボランティア体験
- 今年の夏、8年目を迎えた農民連の農業ボランティア。沖縄でパイナップルを生産する高江洲義吉さんの家で、農業体験した東京都の宮嶋奏子さんの手記を紹介します。
- 1泊2日の交流会
- 「もっと農業の勉強をして、新しいことに取り組んでいきたい」(農業青年)、「農業という仕事の大変さがわかり、食べ物を大切にしなければと思った」(学生)、「自然の中で子どもを育てることの大切さを改めて実感した」(子育て中の女性)――。静岡県藤枝市の農業青年と東京の大学生らによる大交流会が8月25日、藤枝市で行われ、援農体験の感想や農業への思いなどをそれぞれ語り合い、交流を深めました。
- この人/福島の実家で農業に打ち込む佐藤哲子さん(21)
- 今年4月、福島県農業短期大学校を卒業し、キュウリ10アールと稲作4ヘクタールを営む実家に戻った佐藤哲子さん。
- 旬の味
- 今年は受難だ。春から夏にかけて長雨と日照りが交互に続き、台風は4回も来襲した
■2004年9月13日(第651号)
- 米屋さんと生産者をつなぐ交流会/昨年は不作高騰、今年は大暴落――激動の時こそ
お互いより結びつき強めよう
- 「米と一緒に産地まるごと届けたい」「大手中心ではないもう一つの米の流れを作ろう」――農民連は、8月22日に東京で、29日には大阪で、お米屋さんと生産者との交流会を開きました。
- 米屋さん・生産者の交流会/参加者の感想
- 農家と直接話ができるこういう機会はとてもいい。カドミ問題の報告もよかった。食の安全は、いま一番大事な問題。消費者の信頼を失えば、商売は続けられない。農民連の食品分析センターを活用して、安全なお米を大いに供給してほしい。
- 諫早湾干拓差し止め命令
- 佐賀地方裁判所は8月26日、国営諫早湾干拓事業の工事を続行してはならないと命ずる画期的な仮処分決定を出しました。大型公共事業で、裁判所が工事差し止めの判断を下したのは、全国でも初めて。
- 食料自給率向上の署名
- 新聞「農民」に載った「食料自給率の向上を求める署名」をコピーして、35筆分の署名を郵送してくれた岐阜市長良の島尻尚子さん(72)。電話で話をうかがうと、生協や新婦人などの仲間から集めたということでした。
- 証言 私の戦争体験
- 私は、1926年、福岡県浮羽郡御幸村(現在の浮羽町)に生まれ、百姓の子でしたので跡を継がねば、と思っていました。
- 佐久楽農倶楽部通信
- 8月末のある日、事務局の井出一恵さんが「トウモロコシはもうダメね」と言って、肩を落とした。24日現在、昨年の5万9千本に対して、今年の出荷は3万7千本にとどまっている。9月半ばまで出荷する計画だから、まだ追い込めるわけだが、畑では収穫を待たずにロータリーをかけて、早々と終了宣言するところが相次いでいる。
- 今年も原爆パネル展開く
- 8月15日の終戦の日、愛媛県大西町の平和実行委員会が主催して原爆パネル展が開かれました。
- ふるさとネット総会/各地からの発言
- 京都の産直運動は1990年、新婦人産直をきっかけに始まりました。当時、参加した農家は15人。一方、新婦人の会員は約1万人います。「さー始めるぞ」という意気込みはあっても、物がありません。そこで、全国からたくさんの物を送ってもらいました。例えば、ジャガイモ、タマネギを通年供給するために、3月から長崎、6〜9月は京都、それ以降は北海道にと、今でもつないでいます。
- 県農政に大きく影響を与えた農民連活動/久保弘会長のあいさつ
- 埼玉県農民運動連合会(埼玉農民連)は8月28日、結成30周年記念集会を開き、県内外から100人余りが参加しました。1974年9月に結成された埼玉農民連は、80年に待ち望んだ本部事務所を建設、現在では約1千人の会員を擁する農民団体に発展し、埼玉農林行政になくてはならない存在となっています。
- 小麦「すい星」を「花博」に
- 静岡県の浜名湖周辺では、4月から10月までの半年間、「浜名湖花博」が開催されています。「農の会」の会員でもある私は「花博」に、将来必ず来ると思われる食糧危機に備えて品種改良した、地上2メートルにもなる大型で多収穫の小麦品種「すい星」を出展栽培しました。
- 旬の味
- 「君は農家の息子だ。われわれの代表だ」「大地の子ガンバレ。日本の大地のエネルギーを」「全国の百姓が応援している」「全力を出して自分らしいたたかいを」
■2004年9月6日(第650号)
- 願い一つ 草の根から/“忍”の一字 へこたれない!
- 「平和を守る共同を草の根から広げよう」――。第50回日本母親大会が8月21〜22日、埼玉と東京を会場に開かれました。半世紀の歴史を刻む母親大会の出発点は、平和と暮らしへの母親の願い。今年もまた、のべ2万人の女性たちが集い、思いを一つにしました。農民連の女性部員も全国各地から多数参加。オリンピック期間中にもかかわらず、戦火が絶えないイラクの女性や子どもたちに思いをはせ、「アメリカは侵略戦争をやめよ」「日本は加担するな」「憲法九条を守ろう」と大きな声をあげました。
- WTOは「前門の虎」農政改革は「後門の狼」》下《
- 戦後農政の二大柱は価格保障と農地制度であり、小泉「農政改革」の標的もこの二つです。
- 証言 私の戦争体験
- 私は、1944年、満20歳のとき徴兵検査を受け、京都から青森県弘前の部隊に入隊しました。10日ほどして中国東北部(満州)の黒河近く山神府の輜重隊(しちょうたい=軍用品の運搬)に転属し、初年兵教育を受けました。一期の検閲を受けたあと、私は、獣医師の資格をもっていたものですから、長春(かつての新京)にあった陸軍獣医学校に幹部候補生として入りました。そのときに、ソ連軍が満州に侵入してきたわけです。
- 米軍の横暴を許すな、普天間基地撤去を、飛行再開に抗議
- 米軍の大型ヘリが沖縄県宜野湾市の大学構内に墜落した事故で、安保破棄中央実行委員会に参加する8団体・12人の代表は8月23日、内閣府とアメリカ大使館を訪れ、日本政府とアメリカ政府に「飛行訓練中止、事故原因の徹底究明、普天間基地の無条件全面返還」などを強く要求しました。
- 食と農と環境守る取り組み 地域とともに歩む学校作り
- 「農業従事者を育てる農業教育を」「小学校・中学校・高校をとおした農の教育を」――。全国農業教育研究会(略称・全農研)の第34回大会が、8月7〜9日、滋賀県朽木村で開かれ、全国から47人が参加。開会集会では、朽木村の玉垣勝村長から歓迎のあいさつがありました。
- 分析センターだより/“国民の命守る砦”だから一般の人からの依頼歓迎
- 先日、ある公営の衛生研究所を見学する機会を得ました。この研究所では、残留農薬や重金属をはじめ、ダイオキシンや細菌類、環境ホルモンなどの分析、さらに化学物質の有害性についても研究を進めています。
- いのこし、西山生鮮市3周年記念の集い盛大に
- 「いのこし、西山生鮮市・3周年記念の集い」が7月28日、名古屋市本山のめいきん生協・生活文化会館四階ホールで開催。生協の理事さん、お店のお客さん、店舗スタッフ、加工品メーカー、野菜生産者など72人が出席し、盛大な集いになりました。
- 私の好きなキクラゲが輸入 なんで日本で作れるのに!!
- 「私は、横浜見学に行ってちょっと残念なことがあります。それは、大好きなキクラゲが輸入されていたこと、犬や猫のエサの肉や魚も輸入だったこと。家に帰ってから犬のエサの缶詰を見ると『オーストラリア』と書いてあり、猫のエサの缶詰には『タイ』とありました。私は、なんで日本で作れるものも輸入するんだろうと思いました」(小学4年 久保美緒)
- 04年 わが家の米作りと田んぼ
- 集中豪雨とうだるような暑さにみまわれている8月上旬の日本列島。水害のみならず干ばつの被害も出るのではと心配になります。さいわい私の地域では水害もなく稲は順調に生育しています。コシヒカリは今、穂揃期から傾穂期(穂が下を向く時期)。民間機関の作況予想は豊作とのことですが、高温障害による品質低下が心配です。
- シュロのハエたたき作りました
- この夏、シュロのハエたたき作りに挑戦しました。今夏は入院したり体調が良かったり悪かったりで、参院選もままならず、「せめてこのハエたたきで世の中の悪政をたたければ」と、つぶやきながら、約40本を手作りしました。
- 旬の味
- 書店に近年、太平洋戦争を「日本を守るためにやむを得なかった」と美化肯定する本が並んでいる。瀬島竜三・元大本営作戦参謀の本もある
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