「農民」記事データベース20040920-652-08

賞味期限切れの肉が、たちまちピンク色の新鮮な肉に大変身?!

分析センター 謎の白い粉の正体つきとめた

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“新鮮な肉”のカラクリは  こうして解明された―

 賞味期限が切れて褐色に変色した肉。しかし、これをふりかければ、たちまちピンク色の新鮮肉に生まれ変わる――。そんな、謎の白い粉の正体を暴いてほしい、実際に市販されている肉に使われているかどうか調べてほしいという依頼が、読売テレビから農民連食品分析センターに持ち込まれました。

 四種類の物質は鮮度保持剤

 まずは、白い粉を顕微鏡で観察。すると、結晶や形状から判断して四種類の物質があることが推定されました。

 さらに四種類の物質の正体をつきとめていきます。一つはヨード反応と形状からバレイショデンプン、二つめは結晶と程色反応などからグルタミン酸ソーダ、三つめは高速液クロマト法によりアスコルビン酸、そして四つめはペーパークロマト法によってポリリン酸塩だと確認しました。定量すると、アスコルビン酸が一五・五%、グルタミン酸ソーダが一〇・三%。残りは、ポリリン酸塩、バレイショデンプンなどです。アスコルビン酸を主とした鮮度保持剤であることが判明しました。

 食品衛生法に違反するもの

 次に、依頼された肉について調べます。表面を切り取って、アスコルビン酸、デンプン、グルタミン酸、ポリリン酸の含有量を測定。すると、新鮮な肉と比べて、明らかにアスコルビン酸やグルタミン酸が多いもの、デンプンが残留しているものがありました。

 このようにして鮮度保持剤としてのアスコルビン酸使用が白日のもとにさらされたのです。これは食品衛生法違反です。

 テレビも報道し大反響呼ぶ

 読売テレビは、七月二十六日の夕方、この問題を放映。翌日、京都保健所は、この白い粉を使っていた店に、違反容疑で調査に入りました。しかし、その時はすでに、いつも使っていた白い粉入りのビンがなかったそうです。さらに翌日の日本テレビが、この事実を全国報道して、大きな関心を呼びました。

 “羊頭狗肉”(ようとうくにく、店先の看板には羊の頭を出しておき、実際には犬の肉を売ってごまかすこと)ということわざがありますが、薬を使って賞味期限切れの肉を新鮮にみせかけるなんて、絶対に許せません。農民連食品分析センターは、こうした不正に敢然と立ち向かい、国民の「食」を守っていきます。

(分析センター 石黒昌孝)

(新聞「農民」2004.9.20付)
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2004年9月

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