旬の味
今年は受難だ。春から夏にかけて長雨と日照りが交互に続き、台風は四回も来襲した▼水稲の被害は、米作り五十年の大先輩が「こんな被害は初めてだ」というほど、見るも無残な状況だ。熱風と塩による害だといわれているが、出穂直後のコシヒカリが、翌日から白くなり、日ごとに茶褐色に枯れていった▼つい先日開かれた農協の座談会でのこと。台風被害対策の話は出るが、毎年この時期に示される米の仮渡金が提示されない。農協の役員は「卸などが抱える米の在庫が多くて、いくらで売れるのか判断がつかない」という。私は「昨年の不作につけこんで、不足分を上回る政府米、とくに超古米を大量放出した政府こそ、米離れと米価暴落をもたらした張本人だ」と発言した▼米価暴落は、農水省の仕業であって、自然災害ではない。しかし私たちが語らなければ、多くの農家には「米余りが米価暴落の原因」としか伝わらない。知らせ、語ろう、草の根から。被災して、打ちひしがれている農家の分まで。そのことが、来年の生産意欲につながるはずだ。 (巌)
(新聞「農民」2004.9.20付)
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[2004年9月]
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