「農民」記事データベース20040906-650-10

シュロのハエたたき作りました

〈新 潟〉


年配者「昔使った。懐かしい」せめて世の中の悪政たたければ…

 この夏、シュロのハエたたき作りに挑戦しました。今夏は入院したり体調が良かったり悪かったりで、参院選もままならず、「せめてこのハエたたきで世の中の悪政をたたければ」と、つぶやきながら、約四十本を手作りしました(写真〈写真はありません〉)。

 そもそものきっかけは、『いまむかし暮らしの小道具植物辞典』(井波一雄著毎日新聞社)を拾い読みしたとき、「シュロのハエたたき」を見つけたこと。わが家には、前の持ち主が残してくれた古いシュロのハエたたきが一本だけ現存しています。

 農村部に水道が普及するまで、シュロの皮はカナケ水(鉄分などが多い井戸水)をこす資材の一つとして、またシュロの繊維はシュロ縄の材料として、貴重な換金作物でした。わが家の裏庭にもシュロの子株がある…。古いハエたたきを手本に、シュロのハエたたきを作りました。

 作り方は、(1)葉のついた柄を刈り取り、(2)葉を扇形に成形、(3)葉脈を中心に葉を手でさいて、二〜三日陰干しし、(4)太い木綿糸で上下二列に編み上げて完成。作りながら、「物のない時代には、身の回りにある物を使い尽くしたんだなぁ」という思いがフツフツとわいてきました。

 年配の人は「昔使った。なつかしい」と言い、若い人には「民芸品になるね」など誉められたり、冷やかされたり。これからも作り続けたいと思います。

(新潟県連 松井一男)

(新聞「農民」2004.9.6付)
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2004年9月

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