県農政に大きく影響を与えた農民連活動埼玉農民連結成30周年記念集会
埼玉県農民運動連合会(埼玉農民連)は八月二十八日、結成三十周年記念集会を開き、県内外から百人余りが参加しました。一九七四年九月に結成された埼玉農民連は、八〇年に待ち望んだ本部事務所を建設、現在では約一千人の会員を擁する農民団体に発展し、埼玉農林行政になくてはならない存在となっています。 久保弘会長が三十周年にあたってあいさつし(別項)、松本慎一事務局長が、組織の拡大とともに、大企業による農地買い占めに対するたたかいやネギのセーフガード発動、県内産の米や小麦を学校給食に使用させた取り組みなど、三十年間のあゆみを報告しました。埼玉県農林部の副部長が、上田清司県知事から寄せられたメッセージを代読、日本共産党の吉川春子参議院議員、新婦人の会埼玉県本部の加藤ゆりさん、農民連の笹渡義夫事務局長がお祝いのあいさつをしました。
秩父事件描いた映画「草の乱」の監督神山征二郎さんが記念講演また、秩父事件を描いた映画「草の乱」の監督、神山征二郎さん(下写真〈写真はありません〉)が記念講演。九月四日からスタートする「草の乱」上映にむけて、音楽を担当したフランスのディープ・フォレストとの出会いやボランティアで出演したエキストラの様子、募金への取り組みなどを紹介し、上映成功への協力を呼びかけました。農家に生まれた神山監督は、戦時下での幼い頃の思い出などを語り、「よその国もうらやむ憲法九条があったから、だれも殺めることがなかった。 『草の乱』の若者たちは、民主主義がなかったから武器を持ってたちあがったが、今は民主主義がある。この力で悪政を打ち破ろう」と述べました。
今度は大きくなりがんばろう結成にかかわり埼玉農民連の顧問をしている石井多計志さんは、「この三十年、『小さいながらもよくがんばった』と言われるが、今度は大きくなってがんばろうではないか」と話していました。
久保弘会長のあいさつ私たちは、石油危機、狂乱物価という未曾有の社会不安、農業危機のなかで「政府・自民党の農業破壊をやめさせ、畑革新県政とともに日本農業、地域農業を守ろう」と、埼玉農民連の前身である埼玉農団連を結成しました。埼玉では、国や県に対して「野菜価格保障制度をつくれ」などの要求を行い、その一部が導入具体化されるなど、県農政に少なくない影響を与えてきました。とりわけ、十年がかりで取り組んだ、学校給食パンの県産小麦使用実現は、全国のモデルになっています。 四年前には、ネギ・シイタケ・イ草の三品目で、史上初めてセーフガードを発動させることができました。この時に私たちが、国に先駆けて県に「実態調査」をさせたことが、国を動かす大きな力となりました。 埼玉農民連は今、組織的にも県下四地域に地域センターをつくり、日常活動を展開しています。三十周年を機に、県内農家の利益と日本農業再建をめざすたたかいに全力をあげて奮闘する決意です。
(新聞「農民」2004.9.13付)
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[2004年9月]
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