「農民」記事データベース20040920-652-03

台風の連続襲来

農作物に甚大な被害

収穫皆無の農家も

 今年、日本に上陸した台風は18号で七個目。観測史上最多となりました。連続的な台風の襲来が、全国各地に深い傷跡を残しています。農家は、米をはじめ農作物の価格下落とダブルパンチ。政府は、万全の救済策をとるべきです。


米 塩害で倒伏・白穂、脱粒も
大豆 枝折れや葉枯れ…

〈秋田〉

 八月二十日未明、台風15号が日本海を縦断。秋田・山形両県の日本海側では、フェーン現象と塩分を含んだ暴風により、出穂二十日前後の水稲に白穂・脱粒が発生、大豆は枝折れや葉枯れなどで収穫皆無、さらにビニールハウスなど園芸用施設が倒壊するなど、甚大な被害を受けました。

 秋田県では、被害額が約二百億円(九月三日現在)に達しています。このうち水稲被害が約百五十四億円で、大潟村では約八千ヘクタールの作付面積のうち四〇%にあたる約三千三百ヘクタールで塩害を受け、倒伏や白穂が発生し、被害額は約四十八億円におよびもっとも深刻。また山形県の酒田市を中心とするJA庄内みどり管内では、作付面積の約九二%、約八千八百ヘクタールで被害を受けました。

 秋田県本荘市の農家は、「ごらんのように塩害を受けた稲は白く枯れ、稲穂のすぐ下にある“とめ葉”がやられている。これでは収穫は皆無」と、一面に広がる被害田を呆然とみつめていました。また酒田市刈屋の梨農家は、「葉が枯れ落ちて新芽が出始めた。これでは二、三年にわたって収穫が見込めないだろう」とガックリ。

万全の救済策つくせ

農政局に 東北農団連が要請

 東北六県の農民連でつくる東北農民団体連絡協議会(東北農団連)は八月二十七日、東北農政局に対し、被災農家が生活と営農を続けられるよう万全の救済をつくせと要請しました。

山形・酒田市周辺で 作付面積の約92%被害
収穫前リンゴ大量落果 青森・長野北海道で

 ハウス全壊だ

 また九月八日には、台風18号が日本列島を縦断。暴風雨が収穫前のリンゴを直撃、青森県や長野県、北海道などの産地では、大量のリンゴが落果。またハウスが倒壊するなど、各地に甚大な被害をもたらしました。北海道仁木町の農家は「ブドウハウスが全壊。サクランボハウスの骨組みは、飛んできたビニールで曲がってしまい使い物にならない。共済には入っていないし、損害は少なくても五百万円」と語っています。

(新聞「農民」2004.9.20付)
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2004年9月

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