分析センターだより“国民の命守る砦”だから一般の人からの依頼歓迎
先日、ある公営の衛生研究所を見学する機会を得ました。この研究所では、残留農薬や重金属をはじめ、ダイオキシンや細菌類、環境ホルモンなどの分析、さらに化学物質の有害性についても研究を進めています。 人員と器具、機器の数も多く、無尽蔵とも思える試験管やフラスコ、使い捨てのシャーレ、何千万もする機械が何台も並んでいます。いくつにも分かれた研究部門に、それぞれ数人から十数人が配置され、一人一人が高い技術と豊富な器具で、がんばっていました。 しかし、ある部門の主任の言葉には驚きました。「自治体からの依頼は受けますが、一般の方からの依頼は受けません」。公営の研究所とは、みんなの研究所のことではないの?―こう疑問に思うのは僕だけでしょうか。 十分な予算は、結果的に精度の高い研究を実現します。しかし、どんな人にも情報が行きわたらない研究のあり方は、見直されるべきではないでしょうか。 ある放送局が分析センターに取材に来たときのこと、先輩の一人が僕に言いました。「どんな人にも、情報や技術を知る権利がある」。農民連食品分析センターは、「国民の命を守る砦(とりで)」として八年前に発足しました。農民連食品分析センターは一般の方の依頼も大歓迎です。それこそが命の砦の役目でもあるのですから。 (N)
(新聞「農民」2004.9.6付)
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[2004年9月]
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