2005年1月
■2005年1月31日(第669号)
- 癒えぬ傷跡いまなお深く…
- 「あの日から10年。震災はまだ終わらない」――。6433人の尊い命を奪い、40数万戸の住宅を破壊した阪神・淡路大震災。あれから10年目を迎えた1月17日早朝5時46分、松平晃さんが吹奏するトランペットの追悼曲が静かに流れるなか、10周年メモリアル「早朝追悼集会」の参加者400人は、ちょうちんと白菊の花を手に、それぞれの思いをこめ、犠牲者に黙とうをささげました。
- 救援の手、広げよう/被災農漁民の救援呼びかけ
- 「世界は一つ、人類は一つ。被災者救援の募金をお願いします」と農民連の石黒昌孝事務局次長の声がビル街に響きました。1月18日、農民連、全労連、婦団連、日本AALA(日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会)の四団体が、JR新宿駅西口でとりくんだインド洋大津波被災者救援募金。各団体の弁士が、宣伝カーの上から被災者がより大きな人道支援を必要としていることを訴えます。1時間で集まった募金は70839円。男性や女性、お年寄りから子どもまで多くの人々が応じてくれました。
- アメリカ産牛肉輸入禁輸問題 今後の行方を探る〈上〉
- BSE発生にともないアメリカ産牛肉の輸入がストップして丸1年が過ぎました。日米両政府は当初、昨年4月の局長級会合で「夏を目途に輸入再開について結論を出す」ことを申し合わせましたが、安全・安心を求める国民の反対で断念。アメリカの要求を最優先にしたい小泉内閣の手足を、国民世論がしばっています。今後の展望を見ました。
- 異常な米価下落で建議書採択/食料自給率 国の責任で45%実現を
- 秋田県の西目町農業委員会(加川一男会長)は、昨年12月の定例会で「米問題の異常事態に対する建議書」を、全員が提出者、賛成者になり、全会一致で採択。ただちに総理大臣、農水大臣あてに送付しました。
- 食品分析センター募金者氏名
- (03年7月17日〜10月31日)
- 選出された新役員/各界の11氏が連帯のあいさつ(順不同、 敬称略)/各界からの祝電とメッセージ
- 佐々木健三会長のあいさつ
- 大会に参加された代議員、評議員のみなさん。日夜困難ななかで「農民の苦悩あるところ農民連あり」の気概で奮闘されていることに心から敬意を表します。
- ビア・カンペシーナから農民連第16回全国大会を祝福するメッセージ
- 親愛なる農民連の仲間たち
- ものを作ってこそ農民!
大企業の農業・食糧支配を許さない
「もう一つの流れ」を強く大きく/(2/4)/(3/4)/(4/4)
- 大会決議案は、アメリカが、日本を新たな世界戦略の拠点として日米同盟を再編強化するねらいを強めていることや、アメリカに追従する小泉内閣の際立った危険性を指摘しています。また、国民生活のあらゆる分野で国民犠牲を推し進める小泉政治を厳しく批判し、「アメリカの国際的孤立、財界の政治・経済支配の危機、自民党政治の行き詰まりを背景に、危機の打開のために国民生活のあらゆる分野に犠牲を強い、国のあらゆる制度や法律、憲法にいたるまで『国家改造』をするというものです。『二大政党』も、自民党が国民に見放されてもアメリカと財界の利益を最優先する政治を継続するためのものであり、国民に追い詰められた結果にほかなりません。こうした国民の根本的利益に背を向け、国と地域の経済破たん、戦争する国づくりを進める政治は、多数の国民との矛盾を深め、彼ら自身の支持基盤さえ崩壊させて破たんせざるをえません」と指摘しています。これが今の情勢の特徴です。
- ふるさと自慢の味楽しむ
- 1月12日の農民連大会記念レセプション「ふるさと自慢市」には、47都道府県の地酒、料理、加工品をはじめ果物、野菜などが出品され、大会参加者は、全国各地の味自慢を楽しみ、100人を超える来賓の方々とともに交流しました。
- 旬の味
- 農民連第16回定期大会が1月12〜14日、東京・大田区で開かれました。群馬農民連からは、私を含めて6人の仲間が参加しました
■2005年1月24日(第668号)
- 生産をもっともっと広げ、仲間づくりを前進させよう
- ものを作る農民の底力で、大企業の農業・食糧支配を許さない「もう一つの流れ」を強く大きくしよう――農民連第16回定期大会が1月12〜14日、東京・大田区産業プラザで開かれました。47都道府県から390人の代議員・評議員が参加。2年ぶりに開かれた大会は、台風・地震による災害や米価の暴落など困難に立ち向かい、果敢に奮闘してきた各地のとりくみを交流。「農民の苦難あるところ農民連あり」の旗を高く掲げ、全国の農民が熱く連帯する農民連の存在感を大きく示しました。
- 新婦人産直情報交流会
- 農民連ふるさとネットは12月9〜10日、都内で新婦人産直情報交流会を開催。22都道府県35組織から61人が参加しました。新日本婦人の会の高田公子会長が連帯あいさつ。高橋清・ふるさとネット副代表の基調報告(別項)に続いて、福島農民連産直農協の根本敬さん、神奈川農畜産物供給センターの松下憲司さん、京都産直センターの民谷清治さん、千葉・多古町旬の味産直センターの小林由紀夫さんが取り組みを報告。参加者の質問に答え、討論しました。
- 高橋清ふるさとネット副会長の基調報告/経理実務研修会に73人参加
- 新婦人は、農業と国民の食料・健康を守る運動を一緒に取り組んでいる、農民連にとって最も親しい団体です。この新婦人との産直をしっかりと定着させることはもの作り運動を前進させる大きな力になります。
- 私と憲法
- 私は島根県で、農家の六男坊として生まれました。国民学校高等科(当時14歳)を繰り上げ卒業し、校長の推奨で国策の満蒙開拓青少年義勇軍に志願。「お国のため、天皇陛下のため」と信奉し、島根中隊の一員として内原義勇軍訓練所に入所。時あたかも日米開戦の年の春でした。
- 被災地にトラックを贈ろう
- 昨年12月26日に起きたインドネシア・スマトラ島沖地震は、1月16日現在、犠牲者16万人を超す歴史上まれにみる大惨事になりました。地震と津波の被害は、アジア、アフリカ11カ国に及び、現在でも世界で多くの人々が苦しんでいます。
- 税金対策ワンポイント
- 全国各地で、お年寄りや年金生活者を狙った「おれおれ詐欺」や「架空請求詐欺」などの「振り込め詐欺」が横行していますが、岡山市では昨年12月、「振り込め詐欺」まがいの税務署の架空請求がありました。
- 食料自給率向上の声大きく
- 国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)は1月5日、東京・新宿駅西口で、新年最初の「食料自給率向上署名」に取り組み、農民連など各団体から20人が参加しました。
- 本の紹介/揺らぐ食の安全
- BSE、鳥インフルエンザ、コイヘルペスなど食の不安が絶えません。本書は、食の安全が脅かされている実態を消費者の観点、食卓の現場から、わかりやすく解明しています。
- 地元産の小麦で合鴨ラーメン
- 北海道滝川市では、地元産の小麦「ハルユタカ」を100パーセント使ったラーメンを特産にしようと、生産者、加工業者、消費者が一体になり、それを市が後押しする取り組みが始まっています。
- 料理/柑橘きんとん
- 普通のきんとんにないアクセントの効いた味、さわやかな甘さが特徴の「柑橘きんとん」です。
- 旬の味
- 土砂降りの雨や吹雪、そんな厳しい天気の日の行動ほど記憶に残る。庄内の雪は「下から降る」と言われ、吹雪けばヘッドライトをつけていても、目前を走る車さえ見失う
■2005年1月10日(第667号)
- 大モテです農民連産直コーナー/休刊のお知らせ
- 地産地消を推進している熊本県。県観光物産交流スクエア「かたらんね」は、県産農産物の普及をめざした販売店。そのなかで、新鮮な野菜や果物、加工品を販売し、ひときわにぎわいを見せているのが、熊本県農民連のコーナーです。県連はここを拠点にして地域の「ものづくり」を掘り起こし、会員を増やしています。
- 米異常事態で緊急要請
- 2年続きの不作にもかかわらず、米価が暴落し、米流通が停滞する異常事態になっています。直接の原因は、卸が大量の古米在庫を抱え、新米の買い入れを手控えているから。しかしおおもとには、不作に便乗した政府古米の大量放出と「米改革」による米流通の完全自由化があります。。
- 米価暴落 米づくり途絶えかねない
- 「15ヘクタールの稲作農家でも、今年の米価では生産費を大きく下回る。このままでは北海道の米づくりが途絶えかねない事態だという認識で、国が特別な対策をとるべきだ」。農民連の白石淳一副会長は農水省の要請で、仮渡金が1俵(60キロ)1万円(稲得込み)に暴落している現場の実情をこう訴えました。
- 農業の現状をもっと知らせよう/05年版“税金の手引き”できました
- 季節はずれの嵐が残した強風が吹き荒れる12月5日、愛知県豊橋市の市職員会館で、第35回愛知県消費者大会東三河分科会が、約100人の参加で開催されました。今年のテーマは、国際コメ年にちなんで「お米食べてますか? お米から世界と日本が見える」です。愛知農民連も呼びかけ団体の一つとして参加しました。
- 大会向け 新聞「農民」読者拡大に奮闘
- 岡山農民連は、1月12日から始まる第16回全国大会めざして、新聞「農民」の読者拡大に奮闘しています。昨年10月末の執行委員会で、県内各ブロックがたてた自主目標を達成し、県連役員は5人の読者を増やして運動の先頭に立とうと意思統一。12月に入って11人の新聞「農民」読者を増やしています。
- 食料自給率向上 政府に責任果たさせよう(1/4)/(2/4)/(3/4)/(4/4)
- 食料自給率の抜本的向上を求める署名が全国で広がりを見せています。農民連ふるさとネットワーク事務局の佐藤龍雄さんは千筆を突破。全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)の目標である100万筆が達成できるよう、さらにがんばる決意をしています。
- 飢餓なくし、食料主権の確立へ 世界に広がる大きなうねり(1/2)/(2/2)
- 昨年の11月25日から3日間、バングラデシュの首都、ダッカで「民衆の食糧主権に関するアジア太平洋会議」が開かれました。会議を主催したのは、アジア・太平洋リサーチネットワーク(APRN)と食糧主権に関するアジア太平洋ネットワーク。コーディネーターと通訳は、元APRN理事の伊庭みか子さんです。
いま食糧主権をめぐるアジアと世界の運動はどうなっているのか、バングラデシュの農村では、どのような取り組みが行われているのか――。会議に参加し、バングラデシュの新農業運動(ナヤクリシ・アンドロン)を視察した農民連副会長の真嶋良孝さん、全国食健連事務局長の坂口正明さん、茨城・県南農民組合の市川和子さんに語ってもらいました。
- 読者からのお便り
- 農民連さんへエール送ります/がんばる人の姿知り励まされる/新聞「農民」を楽しく読んでます/また農民連会員町長おめでとう
- 京都の伝統野菜えびいも
- おせち料理やおでん、煮物が食卓をにぎわせる1月。京都の伝統野菜で、しま模様と曲がり具合がエビそっくりの、えびいもは、サトイモの一種。食べれば体が温まります。
- 故郷を思い出し涙が出た
- 百姓フォーク「ヒューマン・ファーマーズ」のコンサートが11月22日、奈良県磯城郡田原本町の町民ホールで開かれ、100人近い参加者でにぎわいました。奈良県農民連と地元の平和運動のメンバーが協力して準備してきたもの。
- きくまの民話と伝説
- 昔は、そこらへんの、ごいど、の中や石垣の穴、ほてから、海辺なんかのあんまり人のいかん岩場なんかに河獺がぎょうさんおった。
- 救援ボランティアしたい! 被災地・川口町へ行ったよ
- 山形・庄内農民センターは12月3日から3日間、新潟県中越大震災の被災地・川口町に入り、イモ煮やご飯の炊き出し、もちつき、障子張り替えなど、救援ボランティアに取り組みました。
- 引き続き全国の農民連から救援物資・募金寄せられる
- 新潟県中越大震災では、震災直後から引き続いてたくさんの救援物資、370万円を超える義援金が、全国の農民連組織・個人・団体から寄せられています。新潟県農民連は、寄せられたお米、野菜、果物、日用品などを避難所や市町村の救援センターに届け、被災した方々の一日も早い生活再建と営農再開に向けて奮闘しています。
- 1日も早い復興を
- 神奈川の「生産者と消費者が手をつなぐ会」の金子不二子会長は12月17日、農民連本部を訪れ、新潟・中越大震災の義援金940400円と「自給率向上国民署名」2003人分を佐々木健三会長に手渡しました。
- 京都で「社会フォーラム」
- 誰もが安心して住み続けられる「もうひとつの世界」をテーマに12月11、12の両日、京都市の京都大学構内で「京都社会フォーラム」が開かれ、NGO(非政府組織)、市民団体、個人が集いました。
- 自分で打てばソバおいしく
- 「自分で打ったソバがこんなにおいしいとは!」――埼玉農民連春日部支部の直売所「夢いちば」主催の「ソバ打ち体験」教室が12月18日、直売所2階で行われ、20人が参加しました。
- 野積みされた玉ネギ、カボチャ、腐りかかった産物にびっくり
- 奈良県農民連女性部が主催した「神戸港倉庫見学会」が12月6日行われ、農民連組合員や新婦人会員など24人が参加。港では、元神戸税関職員で兵庫食健連事務局長の柳沢尚さんらの案内で、輸入農産物が積まれた現場やくん蒸倉庫などを見学しました。
- 旬の味
- 新年おめでとうございます。原稿を持つ手の横にポツンと置かれたサンゴの石片。昨年11月に訪れた沖縄・辺野古海岸で拾ったものだ。キャンプシュワブへと続く海辺を歩いていると、「そこから先はアメリカだよ。逮捕されるよ」。何気ない一言に「基地の現実」を見た
■2005年1月3日(第666号)
- “がんばれ!!新潟”
- 2004年10月23日、午後5時56分―。ドーンという大地を揺るがす激しい衝撃が、新潟県中越地方をおそいました。家屋は倒壊し、土砂が道路を寸断し、40人の尊い人命と多くの財産を奪いました。農林水産業への被害も1300億円を超え、いま「雪の降り出す前に」と懸命の復旧が進められています。
そうしたなか農民連は、12月5日、山形、千葉、茨城、そして地元新潟から青年たちが集まり、もちや甘酒など炊き出しを行い、「新しい年をよい年に がんばれ!新潟」と被災者を激励しました。
- もの作る喜びでいっぱい
- がっちりとした体格にさわやかな笑顔。農業の後継者不足がさけばれるなか、30歳の新規就農した青年は国際派。保田宗忠さんは、ネパールで足かけ2年にわたって、農村開発のNGO活動を行い、農業の大事さを実感し、一昨年、茨城県阿見町で就農しました。「実際に畑で野菜を作ってまだ2年目。仕事の流れがわかった程度だけど、ものをつくることは本当にすばらしい」と語ります。
- わが家の正月料理
- 福島の正月料理に欠かせないのが、「イカにんじん」と「凍み豆腐」。「イカにんじん」は、千切りしたニンジンとイカを漬け汁につける料理です。それぞれの家庭で味付けや作り方が少しずつ違い、十人十色の味が楽しめます。
- 笹野一刀彫
- 勇猛な鷹の目が、世間の悪をにらみます――。山形県米沢市の笹野集落に伝承する「笹野一刀彫」。起こりは千数百年前、技法はアイヌのものだといわれています。
- 農と福祉・健康守る町づくりに挑戦
- 農業を育て、国民の健康を守る、希望ある2005年に――。農民連の佐々木健三会長は「健康と福祉のまち」を掲げる北海道奈井江町を訪れ、同じ酪農家の北良治町長と、農業やまちづくりについて対談し、酪農談義に花を咲かせました。
- 「民謡界」の枠にとらわれず「民謡」の復活へ向けて
- 若い人たちからお年寄りまで心をゆさぶる「多喜雄の民謡」。全国各地のステージで公演するかたわら、横浜・野毛の大道芸も欠かさない多喜雄さん。その生い立ちから民謡への熱い思いをお聞きしました。
- 旬の味
- 酉年に、鳥にちなんだ古言時評を二つ三つ
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