「農民」記事データベース20050110-667-01

大モテです農民連産直コーナー

熊本県観光物産交流スクエア「かたらんね」

関連/休刊のお知らせ

 地産地消を推進している熊本県。県観光物産交流スクエア「かたらんね」は、県産農産物の普及をめざした販売店。そのなかで、新鮮な野菜や果物、加工品を販売し、ひときわにぎわいを見せているのが、熊本県農民連のコーナーです。県連はここを拠点にして地域の「ものづくり」を掘り起こし、会員を増やしています。


売り上げも、会員も増えました

 一時は閉店も覚悟したが…

 熊本県農民連のコーナーがある「かたらんね」は、熊本市内の繁華街にあります。「かたらんね」とは、熊本の方言で「おおいに語り合い、交流を深めましょう」という意味。「安全・安心にこだわり、地産地消でなじみ客を増やしたい」(県物産振興協会)と二〇〇三年六月に、団体と企業・個人が出店してオープン、約一年半がたって、十二月十六日には「お買い上げ二十万人」を達成しました。その一角に農民連のコーナーがあり、売上げは二百万円を超える月も。地域住民になくてはならないお店になっています。

 農民連の「かたらんね」への参加は、中央農民組合が結成され、直売所での販売を経験したことがきっかけ。同組合が、「かたらんね」への参加を県連に要請し、各単組の責任者会議を開き、議論を重ねて出発しました。

 しかし農民連の「かたらんね」運営は、初めから順風満帆だったわけではなく一時は「閉店」を覚悟したこともありました。

 一件一件農家回り安定出荷

 県連はこの時も何回も議論し、「ふるさとネットワークくまもと」を立ち上げ、専従者も配置して再建をめざします。専従者になった嶋田芳郎さんは、農家を一軒一軒まわり、作物の発育状況を聞いたり、新たな作物を出荷できる農家探しを地道に進めました。トラックでの物流システムをつくり、会員の農家から多品目少ロットでの安定出荷を進めた結果、売上げが徐々に伸びてきたのです。そしてこの取り組みを通じて、農民連の会員を四十人余り増やすこともできました。

 小川町の藤本洋一さん(44)は、二ヘクタールでショウガを中心に多品目栽培や地鶏の平飼いなどに取り組み、野菜や卵などを「かたらんね」に出荷しています。

 「隣の農家から、『こんなもんでも直売所に出せるんか』と声がかかり、『出せるんよ』と会員になってもらった」と話す藤本さん。

 県連は今、県下にある七つの単組をネットワークでつなげ、「ものづくり」運動を大いに発展させようと構想しています。「南部の産地で採れた農作物を北部の産直に提供するなどして、点から面への活動に発展させたい。そして人口の集中する熊本市とその周辺を、全国ネットも活用してぜひ開拓したい」と抱負を語る嶋田さん。そのためには、今の会員だけでは生産量と品目に限りがあるため、新たな生産者との結びつきを広げ、会員をさらに増やそうと奮闘しています。

 大矢野の母ちゃんたちが大活躍

 「かたらんね」にも晩柑類などを出荷し、元気なお母ちゃんたちの姿が印象的な大矢野農民組合。

 これまで税金対策のほか、これといった活動をしてきませんでしたが、昨年九月の総会を契機に心機一転。さっそく食健連の「自給率向上署名」の街頭宣伝に取り組み、女性部を中心に十四人が参加。新潟県中越地震の募金もあわせて行い、はじめは恥ずかしさもありましたが、五千円の募金をしてくれたおばあさんにも励まされて、約六百筆の署名と約四万円の募金が集まりました。

 また、沖縄県で開かれた農民連九州ブロックの交流集会にも、二人の女性組合員が参加。集会のあと、辺野古を訪れた益田百合美さんは、「じいちゃん、ばあちゃんが、この美しい海を守ろうとしている姿が印象的でした」と。また鬼塚正義組合長は、「必要なことはみんなで話し合い、良いと思ったことは積極的に打って出る行動が大事。これからもこの調子でがんばりたい」と、話しています。


休刊のお知らせ 農民連第16回定期大会のため次週1月17日付は休みます。
新聞「農民」編集部

(新聞「農民」2005.1.10付)
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2005年1月

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