2000年6月
■2000年6月26日(第454号)
- 「農民連の品ぞろえはすご〜い!」/店頭交流販売を推進
- 「農民連の品揃えはすごい!」「どこからこんなに物を集めてくるんですか?」――経営研究会―米の卸売会社・小売店で作る団体)の全国大会が6月11日、千葉県の幕張メッセで開かれ、農民連ほくほくネット(東北・北海道ネット)や産直協事務局、関東ネット代表の8人が初参加し、会場を大いに沸かせました。
- 全農・経済連が今年も輸入・販売
- 99年産の自主流通米価格は、全銘柄平均で16,756円(1俵=60キロ)。史上最高だった93年産米と比べれば、6,000円、約3割もの暴落です。
- 水膨れ用水事業に“待った”
- 「高い水利料は、間接的に百姓をやめろと言っているようなもの」「農産物価格を見合うように安定させろ」――6月10日、千葉県農民連が事務局になっている「北総中央用水事業をよく考える会」が開いた説明会。国・県・市から出向いた役人に対し、集まった約20人の受益農家から厳しい言葉が浴びせられました。
- WTO協定の抜本改定を/藤田スミ前衆院議員が訴え/自給率向上、中山間地保障を
- 「WTO協定は、日本にとって比較的有利なところにおさまっている」――6月8日、関東農政局が開いた「WTO農業交渉に関する意見を聞く会」で、石原葵経済局長はこう述べました。農水省の立場は、「輸入しながら減反は許せない!」との農家の思いと、あまりにもかけ離れています。
- 総選挙 農の現場からの発言/軽トラで“宣伝”
- 「俺は社会党(現在・社民党)の支持者だったんな」という長野県飯田市上郷の沢柳実さん(63)は、米二百俵を作り、リンゴ25アール、特産の市田柿10アールを栽培する、ここ伊那谷では数少ない米農家です。
- ニューヨークで核廃絶訴え
- 9月に行われる国連ミレニアムサミットに向けて世界のNGO(非政府組織)からの声を聞こうと、国連が呼びかけて、ニューヨークで開かれた「NGOミレニアム・フォーラム」に、5月22日から5日間にわたって、日本からの代表団(つたえようヒロシマ・ナガサキ)の最年少代表として参加してきました。
- 「平和地主」になりませんか
- 「百里基地の真ん中の平和地主になりませんか」――茨城県小川町にある航空自衛隊百里基地は、土地の買収を拒んでたたかってきた農民らの運動によって、誘導路が「く」の字に曲がった世界でもめずらしい欠陥基地です。百里平和委員会は、その基地の中にある土地の地主になってくれる方を募集しています。
- 新鮮で美味しいと好評
- 「スーパーとは全然違っておいしいし新鮮だ」「他で買ったものが食べられなくなる」など、今年1月にオープンした福島・いわき農産物直売所が好評です。テレビ、新聞にも報道され、「物の良さ」をわかってくれる固定客がつくようになりました。
- 今年は作付面積も倍増
- 新潟県農民連豊栄支部は五月下旬、大豆トラスト畑の約50アールに種を播きました。豊栄市の「生活と健康を守る会」会員の畑をはじめ3カ所で守る会会員ら5人の支援を得て、国産大豆の種播きをしました。
- 各地の話題
- ひょう害救済に全力/北海道・空知で「田植えツアー」
- 戦時中の米の強制供出
- 父親(明治21年生)がのこした書類箱を整理していたら、1枚の小さな書き付けが出てきました。それには男女、年齢別に自家保有米の割り当て量が筆で書いてあるのです。
- 「すずき産地」の八細工七貧乏
- 今年、田植えのやり方を成苗ポット植えという方法に切り替えました。ろくな予備知識もないままで、育苗箱は750枚。なかなかのバクチでしょ。
- 学生ボランティアの感想(下)
- 茨城県ひたちなか市の野菜と水稲農家の大沼博さん宅で農業ボランティアを体験した感想です。
■2000年6月19日(第453号)
- 野菜 異常な安値に悲鳴
- 「何を作っても安い。もうがっかりだ」――今、野菜農家は尋常ではない価格暴落に見舞われています。今年5月の市場価格は過去10年間で最安値を記録。一方で野菜の輸入は激増しています。
- 選挙後また提出ねらう
- 農業者年金の改悪案に対する農民の激しい怒りに驚いた政府・自民党は、改悪案をいったん引っ込めたふりをして、全国農業会議所、全中(全国農業協同組合中央会)、全国農業者年金連絡協議会の3団体と意見交換会を5月12日から開いていますが、総選挙後の7月10日には「農業団体の意見を聞いた」と称して改悪案の強行をねらっています。
- 総選挙 農の現場からの発言
- いやぁ、ほんとにない(ねぇ)。いま田植えも終わって、ひゃくしょ(百姓)はない、青々とした田圃を見てほっとしてんだわい。でもない、今度の選挙は本気になってやんねどなんねぇって思ってんだ。ここ何年か見でみなんしょ。米の輸入だ、遺伝子組み換えだ、減反だ、なんだかんだって、めまぐるしくて、何がなんだが分かんねうちに、いろいろ出だバイ。でもない、農家にはちってもいいごどねぇばい。
- 森首相の「神の国」発言は憲法と相容れない
- 今度の総選挙の争点は、ひとつに森首相の「神の国」あるいは「国体」といった「主権在民」を明記するわが国の憲法と相容れない発言がある。
- 緊急輸入制限 なぜ発動しない自公保政権
- キャベツ一個6円、エノキ1袋3円――国内産地を異常な価格破壊が襲っていますが、「調査中」を繰り返すだけで、激増する輸入に、なんの手もうたない自公保政権。
- また酒米精算金(150万)戻る
- 「私一人の力ではできないが、農民連の協力で百五十万円の清算金を返金させた」と喜ぶ兵庫県小野市の松本栄一さん(53)。
- 八百屋さん励ます店頭販売は大賑い
- 「市場産直に取り組んでいる八百屋さんを励まし、消費者と交流しよう」と、1年ぶりに埼玉県鴻巣市のスーパー「おたふく」前で5月26日午後、店頭販売を行いました。これには、埼玉、茨城、長野県の関東農民連産直グループ代表10人が参加しました。
- 「キレる」子どもたちに農業体験を
- 5月27日、岡山県加茂川町で開かれた農民連と新婦人との田植え交流会に参加し、子どものころ、田舎の田んぼを走り回っていたことを思い出しました。
- 学生ボランティアの感想(上)
- 「農業を知りたい」「農作業を体験したい」――YAC(ユースアグリクラブ)の仲間たちが、農業ボランティアに参加し、農作業に汗を流しています。感想が届いたので、紹介します。
- 揚・排水具「でいろ」
- 長野市の北に位置する豊野町の小高い丘の上にある町立郷土資料館に、土器・石器、鎧や民具・農具とともに江戸時代から戦後の1960年代まで使われていたという「でいろ(だいろ=でんでん虫のこと)」と呼ばれた揚・排水具が保管されています。
■2000年6月12日(第452号)
- 政治を変え、まともな農政実現するチャンスです
- 6月2日、衆議院が解散されました。13日公示、25日投票で行われる総選挙。21世紀を目前に農の現場の声を追いました。
- 農民連 自治省交渉で成果/固定資産税の学習会(山口農民連)
- 米をはじめ農畜産物価格の暴落のなかで、毎年上がる固定資産税は、農民の経営や生活に大きな重石――農民連は固定資産税問題に取り組んで成果をあげ、運動を広げ、自治省をあわてさせています。
- 茨城の2団体が新加入
- 茨城県南農民組合は、先月、河内町の「長竿第一生産組合」と藤代町の農事組合法人「SUN農園」(岡田剛彦代表理事、現在7人)の2団体を、新たに会員に迎えました。
- 個人補償を急げ
- 有珠山噴火後2カ月が経過し被害はさらに広がっています。着の身、着のままで退避を余儀なくされ、生活ができない。ハウスの野菜は収穫も植え付けもできない、搾乳や世話ができず、豚の子どもは死ぬ、ホタテの養殖がダメなど、農家の損害は甚大ですが政府の支援は何もありません。
- 新婦人産直小組と交流会開く
- 岡山県連は5月に新婦人の産直小組の班会5カ所に役員を派遣して米、野菜産直について交流しました。
- “この清流にダムは不要だ”
- 五木の子守唄で知られる熊本県五木村。村を流れる川辺川は環境庁が「水質日本一」の折り紙をつける清流です。この清流に建設省が計画している九州最大の多目的ダムにより、子守唄のふる里が湖底に沈み、川が死んでしまおうとしています。
- 部会を結成 枝豆に本格挑戦
- 茨城県西産直センターは、農民連の「大いにものを作ろう」という呼びかけに応えて4月3日に枝豆部会を発足させ、栽培に取り組んでいます。部会には20戸の農家が参加し、のべ作付け面積3.8ヘクタール、収量予定21トン、袋数(1袋2〜300グラム)で約8万袋です。
- “許せぬ”農地への廃材投棄/腹立たしいNHKの報道に抗議した
- 兵庫県三田市の農地に建築廃材から廃自動車、産業廃棄物までが不法に投棄され、農業用用水路が埋没したり、流れ出る汚水などで水田を放棄しなければならない事態が発生しています。
- 俳句、手品など多彩な才能発揮
- 和歌山県下津町上地区在住の中西源治さん(78)は、若い頃からみかんの減農薬栽培を志し、しもつコープファームの前身である下津町農民組合の時からずっと産直活動に取り組んできました。
- 各地の話題/各地で田植え交流会
- エンドウ狩り袋にいっぱい/百里平和農園で/30人で手植え 岡山/楽しかった――高校生ら
- 民族衣装も華やかに舞う
- 日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(AALA)が招聘(しようへい)・企画した「韓国民族伝統芸能」日本公演は5月17日から6月1日まで全国11カ所で行われ、5月26日の東京・中央区立中央会館ホールでの公演を鑑賞した。
■2000年6月5日(第451号)
- 畜産配合飼料から大量検出
- 大手飼料メーカーが販売している家畜の配合飼料や市販のペットフードから大量の遺伝子組み換え作物を検出。しかもその中には、米コーネル大学の実験でチョウの幼虫を大量 死させた問題の殺虫蛋白を持ったトウモロコシなど、農水省、厚生省が未承認の2品種が混入していた――。
- 米海兵隊が射撃訓練
- 5月23日、沖縄県の本島北部、東村高江のサトウキビ畑の中で、50人以上の米兵がライフル銃を使った射撃訓練をするという事件が起きました。私のパイン畑のすぐそばです。現場に行くと、なぎ倒されたサトウキビ、乗り入れた車の轍、壊された畝、それにあちこちに散乱した薬きょうが生々しく残っていて、米兵の訓練の様子がうかがえました。
- 価格保障制度を全廃
- WTO農業協定と新農業基本法にもとづき、価格保障制度を全廃してしまえ――今度の国会で、牛乳(加工原料乳)、砂糖キビ・テンサイ、大豆・ナタネの価格保障を廃止する法案が次々に可決・成立しました。
- 「農民」号外を手に対話行動
- 各地「この通りだ!」自民農政に不満続々
- 補償・検査・予防策急げ
- 宮崎県に続いて、北海道でも発生した口蹄疫問題は、水際でウイルスの進入を防止できなかった農水省、さらに肉価、乳価を下げ、輸入飼料に頼らざるをえない多頭飼育に追いこんだ自民党政治をきびしく告発しています。
- 夏場のトウモロコシに挑戦/大阪東部市場を見学
- 農民連・産直協の「多様な流通を共同で探求しよう」の呼びかけに応えた取り組みが、各地で始まっています。関東ブロックネットワークは埼玉・大宮市場の要請を受け、統一品種のトウモロコシを栽培して夏場の連日出荷に挑戦し、会員や作付をする農民を増やしています。近畿ふるさと産直ネットワークも大阪東部市場と懇談するなど、各ブロックで精力的に展開しています。
- 降ひょうで農作物大被害
- 5月24日正午過ぎに降ったひょうは、千葉県北西部から茨城県南部にかけた広い地域に大きな被害をもたらしています。農作物の被害は60億円にのぼり(5月25日現在)、被害がさらに広がることが予想されます。
- “こんなに輸入が多くちゃ…”
- 5月25日、東京築地市場で仲卸組合の副理事長をしている、D商店のおやじさん(社長)にばったり会いました。
- パンフ・バッジできる
- 『核兵器のない21世紀へ行動と共同を』――原水爆禁止2000年世界大会のパンフレットとバッジができました。
- 家族農業のよさ実感!
- 若い農業後継者が、今年四月、仲間たちの祝福のなか、結婚式を挙げました。新郎新婦は、広島県甲奴(こうぬ)郡上下(じょうげ)町で酪農(50頭)と水稲を営む福家一三(ふけかずみ)さん(23)と、昌代さん(25)。
- 各地の話題
- 田植え交流会に80人参加/産直交流会は元気の素/岐阜県農民連が功労者顕彰会
- 青年劇場「真珠の首飾り」を観て
- 青年劇場の演劇「真珠の首飾り」(作・演出=ジェームス三木)が5月18日に東京・朝日生命ホールで上演されたので観劇しました。ちょうど森首相の「日本は天皇を中心とした神の国だ。そのことを国民に承知してもらう」という現憲法に反する「神の国」発言が、大きな政治問題となっている中だったので、立ち見席ができるほどの盛況。
- 「すずき産地」の八細工七貧乏
- いわゆる有機農業を、差別化のためとか、消費者へのアピールと捉える人は少なくありません。そこから、ごまかしや「認証」なんて問題も出てくるんだと思いますが、じつは農薬の最大の被害者は現場の農家自身と土壌。そう考えて、誰よりも自分のためにこそ無農薬栽培に取り組んでいます。
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