「すずき産地」の八細工七貧乏北茨城市から 鈴木孝夫
レンゲ草を田んぼの肥料に「有機」栽培に投資し花の風景を演出今年、田植えのやり方を成苗ポット植えという方法に切り替えました。ろくな予備知識もないままで、育苗箱は七五〇枚。なかなかのバクチでしょ。十数年来、化学肥料をいっさい使わないでやってきたうちでは、肥料として、有機資材を発酵させたボカシ、自家の平飼い養鶏から出るケイフン、大量に手に入る米ヌカなどを利用してきました。ただし、いまはいずれも補助的な利用です。 変わって、ここ数年、田んぼの肥料としてレンゲソウを栽培しています。かつてレンゲは稲刈りの前に種まきしたそうですが、暖冬化のせいか、今は稲刈り後でも間に合います。そして翌春、花が咲くより前に耕耘するのが、稲を倒伏させないためには安全です。
花を待って田植えを遅らせるしかし、ここでとどまらないから「八細工七貧乏」。「せっかくのレンゲがもったいない。どうせなら広い田んぼいっぱいに花を咲かせたい」という理由で、田植えのやり方を全面的に変えちゃいました。苗代で大きくしておける成苗田植えならうまくいくはずだと目論んだわけ。成苗ポットの田植機と専用の播種機と箱、一式が中古で九十万円。花の風景を演出するための投資です。 なお花盛りまで生育させるためには、スキ込み量が多くなりすぎないように、種まきを早くしすぎないのと、播種量を減らすこともポイントです(十アールあたり一キロ以下)。
アイガモ農法にも適するポット苗成苗植えに取り組んだもう一つの理由がアイガモ農法との連携です。雑草対策のためには、「田植え後できるだけ早くアイガモを田んぼに放したい」。がっちりと大きく育ったポット苗は、この点でも有利です。さらに、レンゲを浅くスキ込んだ田の土はトロトロ。そこに田植えをするときに、しっかりとした根鉢ごと植える成苗ポット苗は非常に具合がいいこともわかりました。
(新聞「農民」2000.6.26付)
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[2000年6月]
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