「農民」記事データベース20000619-453-08

「キレる」子どもたちに農業体験を

心がいやされるはずです

岡田道子(岡山在住)


 五月二十七日、岡山県加茂川町で開かれた農民連と新婦人との田植え交流会に参加し、子どものころ、田舎の田んぼを走り回っていたことを思い出しました。

 積まれていたワラに寝ころんで空を飛ぶトンビを見た時を過ごしたこと、ワラの暖かかったことなど…。

 しかし、いまはそんな悠長なことをしていられなくなりました。

 家族総出で横一線に並び、腰をかがめて苗を植える風景は、遠い昔のことになってしまったのです。昔はみんな生きるために、必死で家族で力を合わせていました。それは社会性を育むうえで、大きな役割を果たしていたのではないでしょうか。

 いまの「キレる」子どもたちに、昔ながらの農業を体験してもらいたいと思います。心がいやされるはずです。

 加茂川町の美しい自然と、そこに暮らす人々の温かさにふれて、田植えの心地よい疲労感も重なり、いまとても表現できないほどの幸せな気分です。でも帰りの牧場で聞いたことは、しっかりと心に響いています。

 外国の低賃金労働者を使って熱帯雨林の焼き畑は、大地から富を略奪、地球を破壊していること。それに比べて日本の水田が、いかに自然にやさしいか。営々と築いてきた日本農業が、焼き畑に太刀打ちできるはずがないことを。

 日本の農業を守らず、国民の食糧も安全も守ろうとしない政府に改めて怒りを覚えます。

(新日本婦人の会岡山支部ピアニシモ班)

(新聞「農民」2000.6.19付)
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2000年6月

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