兵 庫また酒米精算金(150万)戻る相談農家「よかった」と入会
「私一人の力ではできないが、農民連の協力で百五十万円の清算金を返金させた」と喜ぶ兵庫県小野市の松本栄一さん(53)。 松本さんは酒米「山田錦」十ヘクタールを作っている専業農家。藤本糧穀に七百袋(一袋三十キロ)を出荷し、精算するよう要望しても返事がきません。藤本糧穀に出荷している人たちが加盟している「山田錦会」に訴えても、「会社ににらまれる」と、とりあってくれません。 困り果てていた松本さんは、県稲作経営者会議の総会で「山田錦」の精算金の不払いを解決した福永英世さん(57)の話を聞きました。農民連会員になった福永さんは、県連の協力で返金させた記事の載った本紙(四月二十四日号)を稲作経営者会議全員に発送。松本さんは、その紙面を読んで、さっそく夫妻で県連へ相談に訪れました。 県連は、松本夫妻とともに神戸食糧事務所を訪ね、松本さんの酒米の検査結果を調べ、五月二十日に藤本糧穀の藤本専務と交渉。交渉には「山田錦会」の長田義昭さんも参加しました。専務は「松本さんの酒米を新潟の酒造会社に売ったが、品質が悪いと言われたから精算はできない」と主張。松本さんは「検査でも特上、特、一等米にランクされている。悪いはずがない」と反論。会社は百六十五万円のうち百五十万円を支払うことになりました。 松本さんは「出荷した量も少な目にされるなど、酒米を作っている農家は集荷業者に言いなりにされ、泣き寝入りしている。農民連に相談してよかった」と語り、会員になりました。 県内の生産農民の権利を守り、経営を守るたたかいは、連鎖反応を起こしています。それを結ぶ糸が新聞「農民」です。 (兵庫県連 井之口薫)
(新聞「農民」2000.6.19付)
|
[2000年6月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2000, 農民運動全国連合会