「農民」記事データベース20000605-451-08

“こんなに輸入が多くちゃ…”

築地市場で聞いた嘆きのこえ


 五月二十五日、東京築地市場で仲卸組合の副理事長をしている、D商店のおやじさん(社長)にばったり会いました。

 おやじさん「何やっているんだ?」

 「農民連というところで…大いに生産を…市場出荷を…」

 おやじさん「そんな場合じゃないだろ!見ろ!市場には輸入物がいっぱいだ!こんなに多くちゃ、農家はみんなつぶれてしまう!何とかならねぇーのか!」

 「そうなんです。輸入が大問題なんです。先日、価格が大暴落したみかんのことで農水省と交渉し緊急に輸入をストップしてくれと要請してきたんです」

 おやじさん「熊本の甘夏いくらだと思う?数年前には5000円(1箱10kg)もしたことがあったのに、今日は500円で買った。王林(りんご)だってたった1500円(1箱10kg)。これじゃ農家やる人いなくなるよ」「ヨーシ!今度また会って話し合おう!」

 

 帰りにD商店をのぞいてみたら、グレープフルーツが店の半分を占めるくらいいっぱいありました。輸入攻勢のすさまじさを突きつけられた思いがしました。

(佐藤龍雄/新聞「農民」2000.6.5付)
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2000年6月

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