米価暴落の原因は外米輸入なのに、なぜだ!?全農・経済連が今年も輸入・販売
九九年産の自主流通米価格は、全銘柄平均で一万六千七百五十六円(一俵=六十キロ)。史上最高だった九三年産米と比べれば、六千円、約三割もの暴落です。 政府は六月九日に発表した『農業観測』で「(米価は)下げどまり、ほぼ横ばい」などといっていますが、暴落水準が「横ばい」しているのが実態。 暴落の原因は野菜と同様に外米の輸入。義務でもないのに「義務だ」と言い張ってミニマム・アクセス米を輸入しているからです。 米や野菜の暴落で、農業生産額が一九七六年以来、二十三年ぶりに十兆円台に落ち込んだというのに、救済の手を差し伸べるどころか、米に続いて牛乳や大豆、砂糖きび・てん菜も暴落させようと、解散直前の国会で、これらの農産物の価格保障制度を廃止したのが自公保政権。本当に冷酷で逆立ちした政治です。 もう一つの逆立ちは全国農協連合会(全農)と一部の県経済連。 “米一俵七百円”――ラーメン一杯並みの値段でエサ用に投げ売りする穴埋めに、全国の稲作農家から十アール当たり千五百円も取り上げ「これで万全、あなたの稲作」などというとんでもないパンフを全国で配っているのが、全国農協中央会(全中)と全農です。 ところが、全農の子会社「組合貿易」が性懲りもなく外米輸入を続け、神奈川・静岡・愛知・和歌山の各経済連と東京経済連の子会社(パールライス)が外米を買い付けていることが判明しました。五月二十三日に実施された二〇〇〇年度第一回売買同時入札(SBS)でのこと(「商系アドバイス」六月五日付)。
組合貿易が輸入したのは中国米二百三十四トン。「米国産から中国産に切り替え」という「大手商社のコメ輸入戦略の転換」(「日経」五月二十二日)のお先棒をかつぐものです。また、神奈川経済連が約一千トン、静岡経済連が六百五十トン買い入れたとも報じられています。 米関税化強行以来、農協中央は自民党・政府に抱き込まれて悪政推進にウツツを抜かしていますが、米暴落に手を貸す外米の輸入・販売を相変わらず続ける――こんなやり方に未来がないことは明白です。
(新聞「農民」2000.6.26付)
|
[2000年6月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2000, 農民運動全国連合会