2004年12月
■2004年12月20日(第665号)
- グリーンウエーブ集結行動
- 国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)と農民連は12月7日、「2004年グリーンウエーブ集結! 中央行動」を東京都内で行い、全国から集った労働者、農民、消費者らが「食料自給率の向上を」「食糧主権を確立しろ」の声を響かせました。
- 戦争と憲法を考える/新年号のお届けと休刊のお知らせ
- 「12・8戦争と憲法を考える集い―いま、原点を見つめて」が12月8日、東京・豊島区公会堂で開かれました。憲法改悪反対共同センターが主催したもので、約600人が参加。「九条の会」の小田実さん(作家)、明治学院大学教授の浅井基文さん、日本国際ボランティアセンターイラク現地調整委員の原文次郎さんが講演しました。
- 私と憲法
- 私は、1945年、18歳のときに志願して、霞ヶ浦にある海軍の予科練に入隊する予定でした。最初の志願は、16歳でしたが不合格。特に記憶に残っているのは2回目の志願で、教官に呼ばれ「お前たち4人は家に帰れ。一生懸命百姓をやれ」と言われ、すごく衝撃的でした。この4人はすべて農家の長男です。この時入隊した人たちは、沖縄戦までに多くが戦死しました。そして3回目に合格したのですが、入隊の12日前に終戦を迎えたわけです。
- 消費税の大増税食い止めよう
- 「消費税は亡国税、消費税の大増税を食い止めよう」―11月29日、東京・全国教育文化会館で、「消費税大増税は許さないシンポジウム」が開かれました。政府税調が25日に大増税答申を出したなかで、消費税廃止各界連絡会が主催したもの。会場いっぱいの220人が参加しました。
- 厚労省が表示徹底を通知
- 精米段階で古米に添加し、新米に見せかける「精米改良剤」。厚労省は12月6日、同改良剤を使った米、米飯、おにぎりなどに、その表示を徹底するよう都道府県などに通知し、合わせて全農や卸・小売の業界団体、外食産業の団体にも同趣旨の文書を送付しました。
- 税負担軽減へ運動進む
- 静岡市の政令市移行(来年4月)にともなう農地の固定資産税問題。大増税になることから、農家が市役所に座り込むなど抗議行動を行っていることはすでに紹介しました。これに対して市は、生産緑地指定を行うことを決め、その対象にならない小農地(500平方メートル以下)についても支援策を示しました。
- 憲法ワイン
- ワインをプレゼントして憲法守れの思いを伝えよう!―山梨県農民連が推薦する「憲法ワイン」が発売されます。
- 今たたかわずしていつたたかうのか
- 「三反歩の稲刈って軽トラ一つしかねけぇ。モミすりしたら一俵半、そのうち七割は三等米以下だけぇ。今暮らす金がねぐでぃ困る」。山形・酒田市の農民は、吐き捨てるようにこう言います。8月末に来襲した台風15号は、農業に従事して40年の私も経験したことがない甚大な被害を庄内地方にもたらしました。
- WTOは世界の農業と食糧に何をもたらしたのか 》下《
- 各国の農民がお互い、輸出用に作れば作るほど、輸出先の農民を苦しめる。農民という駒を将棋台の上に並べて、敵対させている人たちがいるのです。
- 地震で収穫遅れた田んぼに稲刈りボランティア/全国から寄せられたお米120俵長岡市、山古志村の被災者へ
- 新潟県農民連は11月22、23日、地震で稲刈りが遅れていた田んぼの援農にかけつけました。栃尾市の農家から「まだ刈り残した田んぼがある。何とかしてもらえないか」と電話が入ったのは19日。「今ごろなぜ?」と思いましたが、「地震で道が通れなくなった」とのこと。翌日さっそく、県央センターの西潟和幸会長、鶴巻純一事務局長と私が、現地へ向かいました。
- 大豆畑トラスト収穫祭
- 福岡・みのう農民組合の大豆畑トラスト収穫祭が、11月28日、佐々木督文書記長宅で開かれ、80人余りが参加しました。
- 障害者がミカン狩り
- 11月14日、愛媛県菊間町にある私のミカン畑で、障害者と健常者の親睦を深めようと、ミカン狩りが行われました。松山市の障害者団体「障害者の自立支援センター」の呼びかけ。今年で10回目を迎え、障害者16人を含め、45人が参加しました。
- 旬の味
- 今年も数日を残すばかりとなった。1年過ぎるのが早く感じられて仕方がない。もう少し時がゆったり流れないものか
■2004年12月13日(第664号)
- 晴天下 生産者と消費者が一体で賑やかに(1/2)/大阪で食と農の祭り
- 澄み渡る晴天となった11月23日、大阪市扇町公園で「国際コメ年・おおさか食と農のまつり」が行われ、5000人の府民が参加。「和太鼓」や茨城の百姓バンド「ヒューマンファーマーズ」のコンサート、「お米○×クイズ」などが行われた中央舞台を中心に、大阪府下のとれとれ農産物や伝統食の即売、米にまつわる展示コーナーやワラと竹の加工体験をはじめ、40余りのテントが出展しました。
- 晴天下 生産者と消費者が一体で賑やかに(2/2)/掛け声高く餅つき
- 農民連ふるさとネットは11月27日、東京、神奈川、埼玉の準産直米を扱う5店の米屋さんの店頭で収穫祭を開催。のべ1400人の都会の消費者が、産地からかけつけた農家と交流しました。
- 小さな自治体へ財源保障を
- 全国25人の町村長が呼びかけた第4回「小さくても輝く自治体フォーラム」(主催=自治体問題研究所)が、11月21、22の両日、群馬県上野村で開かれました。このフォーラムには、全国110の自治体から21人の町村長を含む464人が参加。「三位一体改革」や「平成の大合併」で小規模自治体の切り捨てが進むなか、活気ある意気高い集会になりました。
- 食料自給率向上の署名
- おおさかパルコープは理事会で、「食料自給率の抜本的向上を求める請願」署名に取り組むことを決めました。「3つの理念」((1)平和とよりよい社会(2)豊かな暮らしと健康(3)安全でよりよいものをより安く)を掲げ、大阪市東部と枚方市、寝屋川市など8市を区域に活動している同コープ(組合員・28万人)。組織部担当の田ノ上正樹さんに、署名への取り組みについて聞きました。
- WTOは世界の農業と食糧に何をもたらしたのか 》中《
- 現在の飢餓人口8億4千万人が、2015年までに14億人に増えると予想されています。しかし、WHO(世界保健機関)の予測によれば、いま世界中で生産している食料を均等に配れば、すべての人が必要なだけもらっても、まだ余ります。
- 農民連第十六回定期大会決議(案)(1/8)/(2/8)/(3/8)/(4/8)/(5/8)/(6/8)/(7/8)/(8/8)
- 2度の国政選挙によって生まれた「二大政党」の流れの強まりのなかで、悪政と国民の矛盾が拡大し、これまでの枠組みを越えた共同が広がるという新しい情勢が生まれています。財界の利益を最優先にした自由化と「農業構造改革」路線が推進されているもとで、米価をはじめとした農産物価格の大暴落、度重なる台風や「新潟中越地震」被害などが農民経営の困難に拍車をかけています。
- 読者からのお便り
- 「白川郷」の記事感動して読んだ/農業こそ自然を守る力です/さすが!農民連の災害救援活動/自然災害のりこえがんばろう/輸入野菜増大でとても不安
- 第49回働く女性の中央集会
- 「くらしと平和を守る女性の力を広げよう」――。第49回はたらく女性の中央集会が11月20〜21日、長野市で開かれました。1日目は7つの分科会で交流し、2日目は全体会を開催。のべ1300人が参加しました。
- 名品「蜂屋柿」
- 新婦人の方たちの応援をいただき、蜂屋柿の柿干しが始まりました。気候の温暖化は、干し柿を難しくします。いろいろ研究し、これに対応してがんばっています。今年は厳しい天候が続き、一般には4割減収といわれますが、わが家の蜂屋柿は、懸命に手入れをしたおかげで1割減で済みそう。よい製品ができそうです。注文は下記まで。
- 旬の味
- 「食料は『命の源泉』である。我々は農業に夢を取り戻さなくてはならない」。いまどきこう高らかに宣言する団体がある。なんと、日本財界の政策立案機関、日本経済調査協議会だ
■2004年12月6日(第663号)
- BSE問題 検査見直し 米産牛肉輸入再開狙う政府
- 厚生労働・農水の両省は10月15日、BSE全頭検査から20カ月齢以下の牛の除外を食品安全委員会に諮問。その8日後には、日米両政府が、アメリカ産牛肉輸入の「可能な限り速やかな再開」で一致しました。検査見直し↓輸入再開のレールを敷く政府。しかし、これには国民から強い懸念の声があがっています。諮問の内容を科学的に評価する立場にある食品安全委員会プリオン専門調査会委員の山内一也氏(東大名誉教授)に話を聞きました。
- 台風被害など 兵庫、京都で対県・府交渉
- グリーンウエーブ兵庫県実行委員会(兵庫食健連、兵庫農民連など)は11月18日、台風23号などによる深刻な風雨被害の実態に合った県の対策を求めるとともに、食料自給率の抜本的な向上、BSE全頭検査の継続、学校給食での地産地消の推進、農産物の輸入をめぐる問題で県に対応を求めました。要請には日本共産党の練木恵子、新町三千代の両県議が同席しました。
- 「公正・的確な検査」は公的検査のいのち(4)
- 前回までに検査を行ううえで大事だと思うことを八点にわたって述べてきましたが、なんと言っても大事なことは、自らの鑑定技術の鍛錬です。いかなる条件のもとでも的確な格付けができるようにするには、日ごろから検査実用標準品を物差しとして、鑑定・分析研修することが大事です。見た目の整粒歩合が分析結果に近づくことや、被害粒など限界基準品についての習熟も必要です。
- なんとしても米軍基地強化に反対 守ろう憲法9条
- 「基地はいらない、 守ろう憲法9条」――。04年日本平和大会が11月20〜22日、長崎県佐世保市で開かれました。米軍がイラク・ファルージャで住民虐殺を繰り返すなかで開かれた今年の平和大会。開会に先立って国際シンポジウムが開かれ、アメリカ、韓国、フィリピン、日本の4人のパネリストが連名で「アメリカのイラク侵略に反対し、国連憲章がめざす平和と正義の世界秩序を求める」との「発表文」を公表しました。
- 米屋さんと新しい接点が広がった お米マイスター交流会
- 日本米穀小売商業組合連合会が主催するお米屋さんと生産者の交流会が11月14日、都内で行われ、農民連ふるさとネットワークも出展。岩手、宮城、山形、福島、富山などから参加した生産者らが米のサンプルを配布。黒米や雑穀、ナタネ油のサンプルも展示し、幅広い農産物をアピールしました。
- WTOは世界の農業と食糧に何をもたらしたのか 》上《
- 11月6日に都内で行われた農民連専従者研修会で、インドのNGO活動家、デビンダ・シャルマさんが「WTOは世界の農業と食糧に何をもたらしたのか」をテーマに講演しました。講演の要旨を紹介します。
- 日本茶は誇れる食文化、消費者と手携え守りたい
- 「伝統食列車15号」(10月29日、大阪)で開かれたシンポジウム「『列車』が拓く日本の食」。シンポジストの杵塚歩さん(24)=藤枝・無農薬茶の会=の発言が大きな感銘を呼びました。その内容を紹介します。
- 食べるには安全な国内産がいいネー
- 東京都大田区の産業プラザで11月14日、中小業者らが職人芸や展示品を披露する大田商工まつりが開かれ、各地の農民連と農民連ふるさとネットワークも産直野菜を販売しました。
- この人/和歌山県連の新専従 高橋範行さん(22)
- 7月から和歌山県農民連の事務局員として働いています。紀ノ川農協にある事務所まで車で、15分の道のり。自宅は米のほかトマトなどの野菜を作る専業農家です。昨年四月に県立農業大学校を卒業後、実家の農業をしながら、紀ノ川農協の直売所の取り組みなどを手伝ってきました。
- 旬の味
- 「はじめチョロチョロ、中パッパ、赤子泣いてもフタ開けるな」。昔から伝わる薪(まき)でご飯を炊くコツ。今では便利な電気がまで忘れられているが、農産加工には微妙な手加減や勘がはたらく
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