「農民」記事データベース20041213-664-17

旬の味


 「食料は『命の源泉』である。我々は農業に夢を取り戻さなくてはならない」。いまどきこう高らかに宣言する団体がある。なんと、日本財界の政策立案機関、日本経済調査協議会だ▼こうもおっしゃる。「農業者に対して食産業としての意識改革を促して、創意と工夫を引き出さなくてはならない。…攻めの農業が今求められている」。結局、「日本の農民のみなさん、みなさんは農業をおやめください。『金もうけ』に長けた私たち企業が農業をやります」という「農業乗っ取り宣言」だ▼農業特区で参入が認められた土建会社に勤める農民がいう。「わが家のハウスで野菜を作るより、こっちの方が楽だ。責任がねぇもの。経営だ、効率だっていうが、土を耕して育てる人がいねぇんじゃ作物は育たねぇ」▼企業は一年、二年で結果が出なければその事業をやめざるを得ないだろう。農業は、何百年、何千年かけてものを作ってきた。たかが二百年ごときしかない「輩」にもの作りを奪われるわけにはいかない。

(本)

(新聞「農民」2004.12.13付)
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2004年12月

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