「農民」記事データベース20041220-665-08

今たたかわずしていつたたかうのか

大会向けて奮闘してます


台風被害に悩む農民たちの生の声を山形県に届ける

庄内農民センター 佐藤 光雄

 「三反歩の稲刈って軽トラ一つしかねけぇ。モミすりしたら一俵半、そのうち七割は三等米以下だけぇ。今暮らす金がねぐでぃ困る」。山形・酒田市の農民は、吐き捨てるようにこう言います。八月末に来襲した台風15号は、農業に従事して四十年の私も経験したことがない甚大な被害を庄内地方にもたらしました。

 「農民の苦悩あるところ農民連あり。今たたかわずして、いつたたかうのか」。庄内農民センターは十月末、加工用米の作況調整、農業共済金の早期支払い、見舞金の支給、天災資金の要件緩和など、被災者支援を県に要請しました。

 マイクロバスに十五人が乗り込み、地元農家の期待を背中に感じて、「昔で言えば代官所への直訴だ。棒ほど願って針ほどかなえようぜ」と、自然と気持ちが高ぶります。

 交渉では、県の担当者が「過去最高の対策」と自画自賛する一方で、「被害に応じて加工用米を調整できる」との農水省通達さえ知らないお粗末な答弁。さらに、「兼業農家は被害率も少ないので、専業農家だけ天災資金の対象にした」との回答には、「台風被害に専業も兼業もあるか」と怒りの声があがりました。

 「もっと実効ある対策を」と締めくくった一回目の交渉。帰りの車中は、「百姓をなめる」政治への怒りと現場の生の声を届けた満足感とが混じって最高の盛り上がり。翌日さっそく新聞「農民―庄内版」を作り、組合員はもとより地域の農民に交渉の模様を伝え、要求実現に向けたとりくみを開始しました。

 私が“たたかう農民組合”づくりに若き情熱を傾け、奔走したのは三十六年前。今、その当時を思い出しながら、仲間と仕事を分け合い、来年一月の全国大会に向けて、できる限り要求をかち取り、仲間を増やそうと奮闘しています。

(新聞「農民」2004.12.20付)
ライン

2004年12月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2004, 農民運動全国連合会