「農民」記事データベース20041206-663-03

「公正・的確な検査」は公的検査のいのち(4)

信頼される農民連の検査確立のために


鑑定技術を鍛錬する

 前回までに検査を行ううえで大事だと思うことを八点にわたって述べてきましたが、なんと言っても大事なことは、自らの鑑定技術の鍛錬です。いかなる条件のもとでも的確な格付けができるようにするには、日ごろから検査実用標準品を物差しとして、鑑定・分析研修することが大事です。見た目の整粒歩合が分析結果に近づくことや、被害粒など限界基準品についての習熟も必要です。

 また、実践と併せて、検査の理論と実務、規格規程を正しく学びましょう。「農産物検査の理論と実務」(農産物検査ハンドブック)は、先輩検査官の経験の蓄積です。検査現場で生じた疑問なども含めて、繰り返し学ぶ価値のあるものです。

 終わりに、登録検査機関としての責任、役割についてひと言。機関は、検査員任せにせず、「農産物検査の方針」(業務規定)にもとづく検査の実施に、機関として責任を待つことが大事です。公正・的確な検査ができるように、検査員の技術向上のための研修などを保障していきましょう。合わせて、流通段階でクレームが発生した場合に備えて、マニュアルの作成など、その処理に責任をもつ体制も必要です。

 以上、信頼される農民連の検査を確立するうえで大事だと思うことを述べてきました。これらのことが現場でスムーズに行われるように、農民連として、検査員の交流会なども開けたらいいと思います。

(おわり)
  ((財)大阪農業振興協会検査員 佐保庚生=元大阪食糧事務所業務管理官)

(新聞「農民」2004.12.6付)
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2004年12月

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