WTOは世界の農業と食糧に何をもたらしたのか 》下《―いま世界の農民が団結してたたかう時
農民連専従者研修会でのインドNGO活動家 デビンダ・シャルマさんの講演
すべての国で食糧主権確立を各国の農民がお互い、輸出用に作れば作るほど、輸出先の農民を苦しめる。農民という駒を将棋台の上に並べて、敵対させている人たちがいるのです。こんなことをしても世界の農民はだれももうからない。アグリビジネスがもうかるのです。
輸入依存の時代に開発、開発と言って、大きなダム、インフラ整備がなされてきました。そのたびに、農民はどんどん農村を追われたわけです。しかし、これからは、農地は生産を続けつつ、農民を農地から追い出していく状況が起こってくると思います。二〇一五年までには、インドでは少なくとも今の半分の農民が農地を捨てて、都市部に移ると思います。中国も同じ政策を出しています。農村部から都市部に移住させる政策です。そうなると、世界は二つに分かれると思います。お金のある国が、企業の主導の下で、世界中の主食を生産する。一方で、途上国は、トマト、切り花、イチゴ、野菜など、西側諸国の要求を満たす換金作物を作るようになります。 途上国がこれらの作物の輸出から稼いだドルは、結局、先進諸国から食料穀物を買うのに使われ、「船から口へ」(輸入依存)の時代に戻ることになります。 すべての国は、自国の国民の健康と生存を第一の目的にして、食料政策を行う権利がある。これが食糧主権です。貿易のために、他国の言いなりになる必要はありません。この権利を認めさせることが何よりも重要です。 いま世界で、生産されている食料の九割は、生産国で消費されています。残りの一割が貿易で取引されています。たった一割の農産物貿易のために、なんで振り回されなければならないのでしょうか。
将来失わないため一番重要なのは、世界中の農民が団結しなくてはいけない、早く力を合わせなくてはならないということです。お互いのためにならないような農業はやらず、お互いに敵対しないような戦略をつくる。そのための相互理解を深めなくてはなりません。日本の農民に、アジアの農民は期待しています。確かに日本の農家の経営規模は小さい。しかし、小さいことはいいことだという自信を持って、アジアをまとめていただきたい。いま運動を始めなければ、私たちは将来を失う、それ以外の選択はないということです。いまやらなくてどうするのでしょうか。 (おわり)
(新聞「農民」2004.12.20付)
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[2004年12月]
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