2003年6月
■2003年6月30日(第592号)
- 生産広げ、国民とのルート切りひらく全国ネット立ち上げへ
- 「地域からもの作りを広げ、全国ネットの力で国民総ぐるみの自給率向上運動にとりくもう」――。産直運動全国協議会(産直協)は6月12〜13日、秋田県田沢湖町で第15回総会を開きました。総会の最大の眼目は、「米改革」など農民を生産からしめ出す攻撃をはね返し、安心・安全の国内産を求める国民と結んで、生産を守る運動を前進させること。来年、農民連と産直協が共同でつくりあげる「農民連全国ふるさとネットワーク(仮称)」の基本的な方向や役割などのたたき台が提起されました。29道府県、131人の参加者は、各地で積み上げてきた多彩な実践を交流。「全国ネット」で切り開く展望や組織のあり方を熱心に討論しました。
- 消費税800万円強戻る/堆肥舎に高い税 納得できぬ
- 消費税の課税免税点が、これまでの3千万円から1千万円に引き下げられることになりました。酪農畜産農家のほとんどが消費税申告の対象になることから、多くの組合員が不安にかられています。
- 協議案の問題点(1)
- 全国農協中央会は、本年10月10日に第23回JA全国大会を開催します。このため現在、大会協議案の討議が進められており、6月20日にこれを集約、7月17日の全中理事会で最終議案が決定されることになっています。
- 企業にウソつかせない体制を
- 兵庫食健連は6月初め、神戸検疫所の見学と「食品汚染と学校給食」をテーマにしたシンポジウムを行いました。
- お米屋さんの期待ふくらむ
- 全国オリベッティ米穀店経営研究会(米研)の第19回全国大会が6月8〜9日、宮城県松島町で開かれました。米研には、農民連が4年前から交流を続けている西東京米研が参加しており、ほくほく・北陸・関東ネットの稲作農家8人も全国大会に参加しました。
- 運動強化へ全国縦断集会
- 政府は“米つぶし”政策を進める一方で、ばく大な予算を投じて消費者も生産者も拒否している遺伝子組み換え(GM)稲の研究・開発を行い、一般ほ場への作付を強行しています。
- 多様な産直探究 東海ネット設立
- 東海四県と長野県の農民連が参加する「有限会社農民連ふるさとネットワーク東海」の設立総会が5月28日、名古屋市内で開かれました(写真)。総会には、名古屋北部市場に加工ダイコンを出荷している鹿児島の大崎町農民連、ジャガイモ・玉ネギをリレー出荷している供給センター長崎や北海道の小清水産直センター、東海コープと取引のある関東、関西の産直組織も参加して、42人が集まりました。
- 安全な産直物 何よりの宝
- 広島県農民連は6月7日、新婦人呉支部との産直交流会を行い、30人が参加しました。
- 兵庫農民連の淡路オレンジ 高校文化祭模擬店で大好評/絶滅寸前のオレンジ復活
- 「香りに誘われてきました」「めちゃおいしい」――私立龍谷高校(神戸市中央区)の文化祭のPTA模擬店で6月6日、兵庫農民連産直センターの淡路オレンジのしぼりたてジュースが販売され、大好評でした。
- おっかなびっくり 田植えツアー
- 13回目を迎えた、空知中央農民組合と空知産直センター、新日本婦人の会北海道本部共催の「田植えツアー」が5月31日、岩見沢市で行われました。
- 食べながら交流、満足
- 東京・品川区職労の17人が6月14〜15日、山梨農民連の丹沢民雄会長のブドウ園と、小野得温さんのサクランボ園でブドウ・サクランボ狩りを楽しみました。
- 旬の味
- 新婦人との交流会で参加者全員が輪になり、笠木透作詞の「水田」を歌った。初参加した青年が感想を寄せた。「ここに生まれたのだから/この土で取れたものを食べ/ここで働いて/この土に帰って行くのですもうからないと言われている農業に夢中に取り組んでいる母の姿が思い浮かんで声が出ませんでした」
■2003年6月23日(第591号)
- 漢方薬から残留農薬
- 農民連食品分析センターが、薬局で市販されている漢方薬(生薬)を分析したところ、日本では使用禁止になっているパラチオンをはじめ、フェンバレレート、マラチオンなどの残留農薬を検出しました。
- 米改革で米価下落は明らか
- 参議院の農水委員会で6月12日、参考人質疑が行われ、食糧法改悪案の破綻ぶりがいっそう鮮明になりました。
- 米改革の危険性わかった
- 千葉県農民連は6月5日、真嶋良孝副会長を講師に米情勢学習会を酒々井町で開きました。政府が進める「米改革」の危険な中身を一刻も早く農家に知らせ、草の根からたたかいを広げるとともに、準産直米のとりくみを飛躍させようと開いたもの。大規模稲作農家をはじめ40人が参加しました。
- 宮城食健連が発足
- 宮城食健連の結成総会が6月4日、仙台市福祉プラザで開かれ、全国で44番目の県食健連が誕生しました。昨年12月から、県労連、宮商連、新婦人、農民連の4団体で発起人会をつくり、準備を進めてきたもので、8団体から51人が参加。農民連食品分析センターの石黒昌孝所長が、「それでも食べますか? 輸入食品」と題して記念学習講演を行いました(写真下)。
- 障害者施設に直売生鮮市/陸前高田市へ慰安バス旅行
- 「新鮮で、安くておいしい」と評判をよんでいる「農民連ふるさとネットワーク東海」の生鮮市。その3番目のお店が愛知県瀬戸市に誕生しました。5月23日にオープンし、毎週金曜日の午後1時半から3時半まで開いています。
- 田植えしながら米糖ペレット除草
- お田植間近のある日、大塚献三さんの小屋では、奥さんの昌子さん(元佐久病院看護婦)が米糠ペレットの作り方を友人に教えていました。建設業でもう使わなくなったコンクリート・ミキサーに米糠を入れ、5%の水を少しずつ加えながら均一になるまでミキサーを回します。昌子さんは「こんな仕事は冬にできるね、なんていっていたのですけど、結局今ごろになってしまったの」と笑っていました。握って固まるようになったら、それを器械に入れてペレットにします。
- 田んぼにカン高い歓声
- 「おいしいおにぎり」を食べたのがきっかけで米産直が始まり、やがて保育園児たちの田植え体験ツアーに発展――山形県庄内地方で5月31日から3日間、「生命の源にふれる旅」が行われました。今年で6回目、横浜市の苗場保育園が63人、みどり共同保育所が29人、庄内産直センター30人と120人の大交流となりました。
- 初デートは菜の花畑
- 千葉県農民連の専従の小林朋子さん(28)と、房総食料センター職員の小島鉄雄さん(33)が、この度めでたく結婚し、組合員手作りの結婚式が行われました。
- 松尾佐知子のやっぱりごはん
- 「冷やし中華もおいしいけど、すぐにおなかがペコペコになっちゃう」と、今年社会人になった娘。空の弁当箱を出しながら「やっぱりご飯の力はすばらしい」という。「そうね。ご飯は腹もちがいいからね」。
- 旬の味
- 友人の死から数カ月がたった。突然の悲報に私はア然とした。それも自殺だという。農業を志し、ともに農業高校に学び、生徒会長まで務めた君は、最愛の妻とともに私の手の届かないところへ行ってしまった。負債の重圧もあったというが、農業が好きで、有機・無農薬農業を実践し、常にまわりの人達を和ませ冗談が大好きだった。後継者夫婦もいて、まわりから見ると順風満帆に見えたのだが
■2003年6月16日(第590号)
- 破綻必至の米改革押しつけるな
- 減反拡大と大赤字の米価を押し付ける食糧法改悪案が6月5日、衆議院で自民・公明など与党の賛成で可決されました。4日の衆院農水委員会では、民主党と社民党が提案した野党案と、与党案を同時に審議。野党案は、1兆円規模の所得補償制度を創設するほか、備蓄米数量を増やし、市場に影響を与えない棚上げ備蓄とするなどの内容。日本共産党も賛成しましたが、否決されました。
- 有事関連三法案成立強行の暴挙に抗議し、具体化を許さないたたかいをただちに開始しよう
- 一、政府・与党は民主・自由両党とともに6月6日、参議院本会議で有事三法案の採決を強行しました。この暴挙に、私たちは満身の怒りを込めて抗議するとともに、戦争への道を阻止するために全力をあげる決意を表明するものです。
- 危ない輸入牛肉を 私たちに食べさせるな
- 「輸入牛肉にもトレーサビリティの表示義務を」――6月3日の参院農水委員会で、輸入牛肉にも表示を義務づける野党の修正案が、自民、公明など与党の反対で否決されました。表示義務を国産牛肉にしぼった政府案が賛成多数で可決、四日の本会議で成立しました。
- 食糧法改悪許さない/「ふるさとネット関東」発足
- 全国食健連と農民連は6月4日、食糧法の改悪に反対する署名、17502筆を日本共産党の中林よし子衆院議員に手渡しました(写真)。同署名は累計で、32787筆になりました。
- 国民の権利、国の責任の明記を
- 食品衛生法改正案を審議している参議院厚生労働委員会で、5月21日、参考人質疑が行われました。参考人として、農民連食品分析センター所長の石黒昌孝さん、弁護士の神山美智子さん、順天堂大学医学部教授の丸井英二さん、(社)日本食品衛生協会HACCP普及推進部部長の丸山務さんが出席し、意見を述べました。4人とも今回の改正案におおむね賛成しました。
- 茨城でもSOSの仲間に救いの手/親子で手分けしてサツマイモ苗植え
- 新聞「農民」の「田んぼはオレたちにまかせろ―大ケガの仲間に救いの手」(5月19日号1面)に目を落としていたら、東海村の沢畠武也・農民センター理事(75)から突然の電話。「ふみやん(同理事の川崎冨美男さん=72)の足が駄目になった。誰か田植機を動かしてくれ」。
- 『きくまの民話と伝説』
- 愛媛県菊間町は人口が減り続けています。先祖から語り継がれてきた民話が消滅してしまうのではないかと心配です。民話や伝説を後世に語り継いでいけば、ふるさとを見直し、住んでいて幸せを感じることができると思います。地元の若田日出夫さんらが中心となってまとめた『きくまの民話と伝説』集の中から随時紹介します。
- この人/農業以外の青年とも交流
- 大型トラクターを軽快に操り、農作業に励む俊博さん。両親とともに、北海道倶知安町でジャガイモ2.7ヘクタール、大豆2ヘクタール、小豆1ヘクタール、ビート2ヘクタール、ニンジン1ヘクタールを生産する後継青年です。訪ねた5月のこの日は、これから大豆を播くという畑に、熟成した鶏糞堆肥を散布していました。
- 平和願い今年も田植え
- 新緑まぶしい5月18日、自衛隊百里基地の隣の百里平和農園で田植え交流会が行われ、大学生や青年、子ども5人を含む30人が参加しました。
- “オッ、かなり曲がったゾ”
- 浜通り農業を守る会青年部は5月10日、共同で取り組んでいる黒紫米(古代米)の田植え作業を行いました。
- 旬の味
- わが家の庭先に柏がある。ブナ科で葉が大きく、周辺は深い波状になっている。柏餅やおにぎりを包むのに使おうと数年前から植えたものだ。最近は柏餅の葉がビニールのものがあり、がっかりする。やっぱり、本物の葉でくるんだ柏餅の味は格別だ
■2003年6月9日(第589号)
- “人のぬくもり感じる医療がうれしい…”
- 「患者や介護を受ける人の身になって、よりよい医療や福祉を」とがんばっている全日本民医連。そこに加盟する庄内医療生協は、地域世帯の6割を組合員に組織し、いま「安心して住み続けられる地域づくり」に力を入れています。
- 全国食健連が第14回総会開く
- 「天下分け目の今こそ、食健連の本領を発揮して前進しよう」――国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(食健連)第14回総会が、5月24・25の両日、東京で開かれました。
- 準産直米で説明会/ストップ 有事法制「参院で廃案に!」
- 兵庫県農民連産直センターは5月21日、小野市民会館で近畿ブロック米対策部の佐保庚生(つぐお)さんを招いた準産直米説明会を開き、米農家など15人が参加しました。
- 公明・創価学会が悪質な誹謗・中傷
- 4月におこなわれた一斉地方選挙では全国各地で、民医連に対する悪質な誹謗中傷が公明党・創価学会によっておこなわれました。
- 「米改革」では稲作が崩壊する
- 全国食健連と農民連は5月27日、東京・日比谷公会堂で開かれた「全国農業委員会会長大会」の会場前で、米つぶしの米改革を特集した新聞「農民」号外を配布しました。
- 高い固定資産税払ってないか
- 今年は3年に一度の固定資産基準年度評価替えの年。各地ですでに課税台帳の縦覧が始まっています。高い固定資産の評価を引き下げ、現況と違う評価で払わされた高い税金を取り戻し、生産緑地指定をさせる取り組みを、今年は発展させようと5月23日、東京で固定資産税の交流集会が開かれ、全国から30人が参加しました。
- “主食・米は自国で”の理念ない
- 「国民の主食・米を守れ」――5月27日、衆院農水委員会で食糧法改悪案の参考人質疑が行われ、全国食健連の坂口正明事務局長が意見陳述しました。坂口氏は「法案には、主食である米を自国でまかなうという理念がまったくない」と述べて反対する態度を表明しました。
- わが町・村の農業振興に力つくす(1/3)/(2/3)/(3/3)
- 国民の食料を生み出す農山村は、生命の営みに欠かせない空気や水、土壌と緑を守っています。そして、その地域の人々の生活と生産は、日本の文化の基層を形成してきました。「このかけがえのない農山村を守ろう」とがんばっている自治体のとりくみを紹介します。
- 読者からのお便り
- 分析センターの充実に期待/稲作の一年を眺めるの好き/農業はロマンあふれる仕事/アワやヒエをご飯に入れた/おいしそうなピースごはん/田舎の母からグリンピース/あやかりたい雑草の生命力
- 地場産小麦のパンおいしい
- 参議院内閣委員会で食品安全基本法案の最後の審議が5月15日に行われ、日本共産党の吉川春子参院議員は豊かで安全な学校給食を求める立場から質問しました。同法案は昨年のBSE発生やその後の輸入農産物の残留農薬が大きな社会問題となり、政府が法案化せざるをえなくなったもの。
- 集落のみんなの合意で水田転作
- 話し合いを大切にして集落の合意で水田転作に取り組む千葉県横芝町の北清水営農組合。ブロックローテーションで転作作物として小麦と大豆を栽培し、味噌や豆腐などの加工と販売に取り組み、女性や高齢者の働く場をつくり、より豊かな生活の実現をめざしています。その取り組みを発表した千葉県農業コンクールで最優秀賞を受賞した営農組合のある横芝町を訪ねました。
- 松尾佐知子のやっぱりごはん
- 茨城県西産直センターの田植え交流会に今年も出かけた。水田のある風景はなんとも心が安らぐ。田植えといっても田んぼに入る人は少ない。それを見越してか、田植機が用意されており、あっという間におおかた終えてしまった。「さすが高価な機械!」と感心するものの、米の値段が保障されない今、農家のやりくりを考えると胸が痛むやら、腹が立つやら…。
- 家族への愛情を優しく力強く/久保田民絵さんに聞く
- 「もしも、俳優のほかにもう一つ別の生き方が選べるとしたら、こういう人になりたかった――。『怒りの葡萄』のお母さんです」という久保田民絵さん。劇団昴が6月に上演する『怒りの葡萄』で、ジョード一家の母親を演じます。初演から2年半、再演の舞台にかける心意気を聞きました。
- 旬の味
- 霜が降るかと心配するような陽気や梅雨寒の日が続いたと思うと今日は真夏の暑さだ。モロコシも芽を出すが雑草も芽を出す
■2003年6月2日(第588号)
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農村のお年寄りのゆかいでたくましくすてきな笑顔
- 「忘れていた大切なもの、探しに行きませんか…」――農村の元気なお婆さん、お爺さんをモデルに、温かな人形を創作している人形作家、高橋まゆみさん。長野のアスパラ農家のお嫁さんでもある高橋さんの、たくましくて、愉快で、心優しい人形世界を紹介します。
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税3万5000円もどる
- 都市近郊の営農と命のかかった固定資産税引き下げの運動とは違って、もともと農地に反当たり数100円から1000円強程度の固定資産税しかかからない町村の農村地域。そのため固定資産税への農家の関心もあまり高くありません。しかし、多くの農家で共通の「見落とし」があるようです。
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お米屋さんも田植え/農民運動功労者 今年も顕彰会
- 滋賀県の農民連と新婦人は5月11日、近江八幡市の「ふれあい実習田」で田植えを行い、新婦人会員の他、保育園や養護施設などから80人が参加しました。実習田は、滋賀産直農協組合長の大西一幸さんの田んぼ。
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“国の計画は違法”農民側勝訴
- 熊本・川辺川ダム建設にともなう農水省の利水事業に対し、「ダムの水はいらん」と農家が起こしていた川辺川利水訴訟の控訴審判決が5月16日、福岡高等裁判所で言い渡されました。小林克己裁判長は、ダム利水に関する3つの国営川辺川土地改良事業のうち2つが「法で定めた農家の3分の2以上の同意を得られていない」として、国の計画を違法とする判決を下し、原告農民が完全勝訴しました。
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農薬制度の不備是正を
- 農薬取締法が3月10日から実施されました。違反した生産者には、懲役3年以下・罰金100万円以下という罰則強化が先行する一方、登録農薬の不備や矛盾は十分に改善されていないため、生産現場では混乱が激化しています。
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土作りと有機物の使い方(12)
- 年間の食品廃棄物は2千万トン、含まれる窒素量は10万トンを超えると推定されます。農業生産全体で使う窒素施肥量が60万トン余ですから、食品廃棄物は廃棄せずに使わないといけません。
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土地は基地のためでなく作物をつくるためにある
- 「生命(いのち)を生みだす母親は 生命を育て 生命を守ることをのぞみます」をスローガンに、半世紀の歴史を積み重ねてきた日本母親大会。今年は、8月2〜3日、秋田で開かれます。実行委員長を務める木村康子さんに、今年の大会の魅力や母親大会にかける思いを聞きました。
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旬の味
- 筍(たけのこ)、まさに今が旬。山形・鶴岡の人たちは、とくに筍が好きだと思う。地域に昔からの筍の産地があるからだ。昔は旬の季節だけの食材だったが、輸送手段の発達した昨今は3月ごろから鹿児島、熊本、静岡、石川など、桜前線ならぬ「筍前線」のごとく北上し、八百屋さんに並ぶ
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