「農民」記事データベース20030616-590-09

平和願い今年も田植え

茨城・百里基地隣で青年ら交流


有事法制絶対反対の決意

 新緑まぶしい五月十八日、自衛隊百里基地の隣の百里平和農園で田植え交流会が行われ、大学生や青年、子ども五人を含む三十人が参加しました。

 この交流会は、茨城県農民連青年部、百里平和委員会などで作る「一緒に作ろう! 『日本のお米』実行委員会」が主催し、食と農・平和を考える出会いのイベントとして開いているもの。今年で十回目になります。

 この日は曇り空で、風が冷たく、季節が逆戻りしたような天気。素足で田んぼに踏み入った参加者は、最初は水の冷たさに足がすくんでいましたが、泥の感触を気持ち良く感じ始めると、楽しそうに手植えをしていました。ただ、まっすぐ植えられず、芸術的(?)蛇行線となったところもあり、稲刈りがちょっと心配です。

 田植え後、身支度を終えた参加者はかなりお腹がすいたらしく、交流会では用意したバーベキューや焼きそばをまたたく間に平らげてしまいました。

 お腹いっぱいで幸せな気分になったところで、自己紹介。常連の方、初めての方、それぞれが満足げに感想を述べ、イラク戦争、国会で与党・小泉内閣が成立させようとしている有事法案についての発言もありました。

 百里基地反対農民の一人、宮沢昭さん(75)は「国は太平洋戦争の時、国民の人権を平気で破った。今度の有事法案で『基本的人権を尊重する』と明記しても絶対破るに決まっている」と力強く断言。参加者はこの言葉に大きくうなずきながら、傍らで遊ぶ子どもたちのためにも、平和な世の中にしなければならないと決意を心に刻みました。

 ヒューマン・ファーマーズの陽気な歌声がみんなに元気を与え、気持ちが晴れ晴れしたところで、食と農をテーマにしたクイズで盛り上がりました。参加者は、「今度は稲刈りで会おう」と言葉を交わし、別れを惜しみながら家路につきました。

(茨城県青年部事務局長前田修一)

(新聞「農民」2003.6.16付)
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2003年6月

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