松尾佐知子のやっぱりごはん(月2回掲載)
茨城県西産直センターの田植え交流会に今年も出かけた。水田のある風景はなんとも心が安らぐ。田植えといっても田んぼに入る人は少ない。それを見越してか、田植機が用意されており、あっという間におおかた終えてしまった。「さすが高価な機械!」と感心するものの、米の値段が保障されない今、農家のやりくりを考えると胸が痛むやら、腹が立つやら…。 その後、堤利一さんのニンジン畑へ。一本抜いては「うわぁ 大きい。これ見て」と大はしゃぎ。葉も天ぷらやゴマ和えにするとおいしいので持ち帰ってきた。次は、新井文治さんのブロッコリー畑とレタス畑へ。収穫をする、この充実感はどこからくるのだろう。 交流会も毎年参加していると、お客様扱いはされない。おいしいご飯は炊いてくれるものの、手作りの味噌汁、採ったばかりのレタスサラダ、国産大豆一〇〇%の豆腐と湯葉、それに朝早く起きて作った煮物で昼食会。 私は、乾物の買い置きを切らさない。梅雨を前にして家にあるものすべて使いきろうと、切り干し大根、ひじき、干しいたけ、高野豆腐、それに油揚げとニンジンを加えた煮物。乾物は、お日様の香りがする。昔の人の知恵がなんともうれしい。ご飯には、やっぱり煮物がよく合う。 イラスト・松尾友子
お日様パワーの乾物たちの煮物
(新聞「農民」2003.6.9付)
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[2003年6月]
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