有事関連三法案成立強行の暴挙
に抗議し、具体化を許さない
たたかいをただちに開始しよう

2003年6月6日　農民運動全国連合会

　一、政府・与党は民主・自由両党とともに六月六日、参議院本会議で有事三法案の採決を強行しました。この暴挙に、私たちは満身の怒りを込めて抗議するとともに、戦争への道を阻止するために全力をあげる決意を表明するものです。

　有事三法案について政府は、「外国からの攻撃から国民の命と財産を守るため」としていますが、国会審議で明らかになったことは、アメリカの無法な戦争に自衛隊が武力をもって参戦し、国民を強制動員することが最大のねらいであるということです。この法案の危険な内容を知った広範な国民から反対の声が沸き上がり、アジア諸国からも懸念の声が高まったのは当然のことです。

　いまアメリカは、イラク攻撃に続いて先制攻撃戦略にもとづく戦争を拡大しようとしていますが、世界では、アメリカの無法を許さず平和のルールを取り戻そうとする巨大な流れが広がっています。有事法案はこの世界の流れに真っ向から逆行するものです。

　二、有事三法案は強行されましたが、これを具体化するための米軍支援法案、「国民保護法案」などは先送りとなっています。たたかいは、まさにこれからです。成立した有事関連三法の内容と、政府がこれから整備しようとしている有事法制の全体像をあらためて広く国民に知らせましょう。有事法案の具体化とその発動を許さないたたかいを草の根から燃え上がらせ、「戦争をする国」への道をきっぱりと断ち切るために、農民連は全力をあげるものです。

　三、第二次世界大戦で戦場に累々と屍（しかばね）を重ねたその多くは軍服をまとった農民でした。戦争によって働き手を失った農村は疲弊し、これが食糧不足となって国民を苦しめ、ジープ供出など、強権発動による生産統制、食糧統制が行われたのは、たった半世紀前の事実です。

　生命に働きかけて国民の命の糧を生み出す農業は、平和でこそ発展する。だからこそ、一切の戦争への道の策動を許さずたたかう――これが一九八九年の農民連結成以来の私たちの不動の立場です。

　平和を守る農民の底力をいまこそ発揮し、憲法九条を守り、アメリカの無法を許さず平和のルールを取り戻す世界の巨大な流れの先頭に立つ日本に転換するために全力をあげようではありませんか。

　私たちは、そのために全力を尽くします。