2001年9月
■2001年9月24日(第509号)
- 手作り醤油 ただ今熟成中
- すごーい! 見わたすかぎりの大豆畑。15ヘクタールあるそうです。ここは千葉県野田市。この畑の大豆が、農民連の橋渡しで県内の醤油屋さん「宮醤油店」で、天然醸造の醤油に仕込まれています。大地に蒔かれた一粒の種が、大豆を実らせ、大樽に仕込まれて、醤油となって食卓に――農家から醤油職人へ、大豆のリレーで、手作りのおいしい醤油がいま熟成中です。
- 国内初、狂牛病の疑い
- 9月10日、国内で初めて狂牛病(牛海綿状脳症)の疑いがある牛(メスの乳牛、5歳)が、千葉県白井市で見つかりました。この牛は食肉処理場で起立不能になっていたため、と畜後に脳を採取して調べたところ、狂牛病に特有の空胞(小さい穴)が見つかったもの。
- 狂牛病 万全の補償を農家に
- 「酪農家には何の罪もない」――狂牛病の現地調査は、現場の酪農家や関係者の苦悩、努力とともに、あらためて防疫対策を怠ってきた政府の責任を痛感させるものでした。
- 今こそ全国から怒りの声を
- 8月26日、国民大運動実行委員会全国代表者会議が開催され、国民の諸要求を突きつけ、小泉「改革」に真っ向から対決した大運動、大集会を地域から起こしながら中央に総結集していくための秋から来春にかけた方針が決定されました。
- 継続強化の奮闘を
- 農地の相続税・贈与税納税猶予制度廃止の動きに反対する運動は、重要な局面を迎えています。
- “電気柵で効果抜群”
- それはまさに「コロンブスの卵」でした。獣害から農作物を守る電気防護柵の絶縁体に廃ペットボトルを使うという、安価で効果のある装置が、長野県小県郡武石村で都市との交流を深めて農山村の活性化をめざすグループ「信州せいしゅん村」(小林一郎代表=50)が開発したのです。ワンセット2万3千円のこの装置は、県林務部も注目し全国に紹介。県内の新聞や地方テレビで報道されるとサル、イノシシ、タヌキ、アナグマ、ハクビシンなどの被害に遭っている全国各地の農家や自治体から視察、問い合わせが相次いでいます。「信州せいしゅん村」ではこれを「獣害解決柵(R)」の名で特許申請をしました。
- 農業不況と自殺(上)
- 自殺が増加している。年間自殺者は昨年、全国で3万9千人余、その6割は中高年であるという。そして負債や失業など経済、生活問題による場合が増加の傾向にあると報道されている。
- 青年部が「釣り大会」
- 青年部が「釣り大会」(福島・浜通り農業を守る会)/全国かかし祭(山形県上山市)
- ラウンドアップ耐性稲
- きびしい暑さも一段落した8月下旬、愛知県長久手町にある県農業総合試験場の試験田を、生産者、消費者、生協組合員らで組織する「中部の会」が見学しました。
- テレビデビューで問い合わせ殺到
- 徳島農民連がとりくんでいる青空市が、県のローカル番組「フォーカス徳島」で放送され、「農民連とはどんなところか?」などの問い合わせが相次ぎました。
- 信州のおばあちゃんと“茶のみ”
- 北安曇郡小谷村は、新潟に接する豪雪地です。とても料理上手なおばあちゃんがいると聞き、山田ちさとさん(69歳)を訪ねました。
■2001年9月17日(第508号)
- 農業復権へ共同の力を
- 「シンポジウムの5名の方々のお話を一生懸命に聞きました。私たちをいろんな面で応援してくれるんだなあと思い、今まで以上に米作り、野菜作りに力をいれます」(岩手県・菅原里枝さん)。
- 農に触れ学び生きる喜び
- いまの子どもたちの問題の一つに、子どもたちが「生産者的人格」から引き離されつつある、ということがあります。私が大好きな言葉に「まめまめしさ」という言葉があります。まめまめしく体を動かして、環境に適応したり、克服したりしながら、自然のなかで対象に働きかける。そしてそのなかにあるさまざまな喜びや不快、こういう人間的な生きる振幅の広さが子どもたちの生きる喜びにつながっていくんだと実感しています。これを「人間力」と言ってよいと思うんです。人間らしく生きる根底的な喜びを、体に刻んでいく、こういうことを私たちは「まめまめしさ」という言葉でいっているわけです。
- 運動の前進に確信もって
- 「国民諸階層と連帯し、農業・農山村の復権を」――2001年農民連全国研究・交流集会が、8月28〜30日、東京・浅草で開かれました。39都道府県から、約250人が参加して、この間の運動の前進や奮闘を交流。1日目には、各界の方たちをパネリストに招いてミニシンポジウムを開催(1面)。その後は、参加者が持ち寄った自慢の品々で大懇親会。青年や女性が目立つ会場は大きな笑い声に包まれ、活気あふれた集会になりました。
- 農民連シンポでの発言(1面のつづき)
- ●私は「農民連のみなさんと親戚である」と思っています。私たちの労働組合には種屋、米卸、市場など農業・食糧関係で働く人たちがたくさんいるからです。
- 農家260万戸バッサリ切り捨て
- 農水省は8月30日、「農業構造改革推進のための経営政策」を決めました。これは、今ある307万戸の農家のうち、規模拡大と法人化を基準にして40万戸程度を「育成すべき農業経営」として選別しようというもの。
- 実践活動通して農業、農山村の復権を
- お忙しい中、全国からの参加ご苦労様です。この研究交流集会は、1月の大会から半年が経過した折り返し点であり、この間の全国の活動や経験を出し合い学び合い、大いに発展させ「共育ち」で成長するということがねらいであります。そして今回、初めて東京での開催です。ここ浅草は春の東部共同行動など、地域ぐるみで運動の展開されているところであり、広範な国民との共同を目指す農民連にとっても、意義あるものであります。
- 全国研究・交流集会への報告(1/4)/(2/4)/(3/4)/(4/4)
- 1、参院選の情勢や新たな段階を迎えている開発輸入、WTO交渉の本格化などのもとで、国民と連帯して農民経営と日本農業を再生する農民運動の発展方向を研究・交流すること。
- ひと夏の達成感を求めて/高校生から届いたお礼の手紙
- 「山岳部に入っているんです。1週間前は奥穂高へ登ってきました」――小柄な体に大きなリュックを背負い、東京・正則高校の2年生、鈴木雄二郎君が農業体験のため、8月3日山形県庄内にやってきました。とにかく色々な農作業を体験してほしいと、農民センターの青年部員2人で受け入れることにしました。
- 「顔のみえる米がいい」
- 農民連の東北・北海道産直ネットワーク(ほくほくネット)は8月26日、昨年に引き続きお米屋さんとの交流会を東京で行いました。これには東京や神奈川の30数軒のお米屋さんが参加し、「ほくほくネット」と今回から新たに関東と北信越の農民連も加わり、総勢80名以上となり、今後もいっそう「準産直米」を発展させようと話し合いました。
- 分析センターだより/段々薄っぺらになる食文化
- 先日、滋賀県で開催された第47回日本母親大会分科会にパネラーとして参加し、分析センターでの活動を報告してきました。
- 安い農産物の向こう側/タイの農村はいま
- ブラックタイガーを中心とするタイのエビ輸出は、米・ゴム・水産缶詰に次ぐ主要輸出品となっており、外貨獲得に貢献しています。
- 力が湧いた! 守ろう日本の農業
- 第47回日本母親大会が8月25日〜26日、滋賀県で開催され、農民連女性部も多数参加しました。1日目の分科会では54ある分科会のうち「日本の農業を守ろう」「安全な食べ物」「学校給食」等の教室に、それぞれ分散して熱い討論が交わされました。
- 演劇/加藤健一事務所「すべて世は事も無し」
- 山口果林、倉野章子、一柳みる、岡まゆみ――と、魅力あふれる女優が勢ぞろい。しかも、65歳から72歳までの四人の老姉妹という役になるというのです。その舞台とは、加藤健一事務所が上演する「すべて世は事も無し」です。アメリカ中西部の町はずれ、夏の終わりの出来事を描いています。
- 本の紹介/土と共に 日本農業(食糧)のゆくえ
- 「今年は数えで77歳、喜寿になりました。何かしなければと考え、自分史を書くことにしました」という今井さん。神奈川県の自作農の長男として育ち、少年の頃、小作と地主の関係の矛盾を感じたのが、人生の出発点になりました。
■2001年9月10日(第507号)
- 初めての農業体験
- 8月5日正午前、東京・正則高校2年生の柴田有理さんと永坂梢さんを新幹線佐久平駅に迎えに行きました。家に着いた時、彼女らの第一声は「わぁ、お金持ち!」でした(庭が広く家が大きいのを見て)。
- 農林中金が単位農協を「JAバンク」から排除することも
- 来年4月に迫った金融機関のペイオフ(預貯金の払い戻しを一定額までとする措置)解禁にそなえて、いま各金融機関は、不良債権処理を急いでいます。近年になって「JAバンク」を自称しはじめた農協でも、昨年秋の全国大会や、6月に成立した「農協改革二法」をふまえて、「経営破たんを未然に防ぎ、JAバンクの信頼性を高める」ことをねらいとした不良債権処理対策が進められています。
- 米検査機関への登録準備
- 今年四月のJAS法の改正にともない、米の表示方法が変わりました。未検査米の場合は品種銘柄の表示ができなくなり「国産米」としか表示ができなくなりました。これは、米の産直を小売、卸も視野に入れて拡大をはかるうえで、大きなネックになるものです。
- 米の減反などで県交渉/「教科書問題」で学習・申し入れ
- 山形県農民連の代表約20人は8月21日、米の減反をはじめセーフガードの本発動、輸入弁当の問題などについて山形県農林部と交渉しました。
- ベビーフードから残留農薬を検出
- ベビーフードの原料となる冷凍ホウレンソウから残留農薬を検出――これは「ベビーフードから農薬を検出」という農民連食品分析センターのデータが、厚生労働省を動かし、調査を実施させた結果、明らかになったもの。新日本婦人の会が分析センターのデータを重視して厚生労働省に申し入れ、このほど同省から新婦人会長の井上美代参議院議員に回答(別項)がありました。
- 受け入れて感じたこと
- (1)受け入れる農家の主婦にとって大変なことは、三度の食事のことをはじめとする気苦労でしょう。「ふだんと同じでいいんだ」といっても「女の立場はそうはいかない」というのです。
- 千葉県・東総大豆畑トラスト 恒例の草取り/「おいしい〜」と大満足
- 大豆畑トラスト運動が始まって4年目、今年も千葉・東総農民センターの寺本幸一さん(八日市場市)の畑で8月19日、恒例の草取り作業を行いました。
- 生産・流通こぼれ話/8月の空で思い出す「食糧不足」 戦前への逆行、二度と許さない
- ●台風11号は農作物にどんな影響・被害を及ぼしたのだろうか。自然は大きな恵みをもたらすが、その逆もある。地球温暖化・環境破壊などに対し、怒りを発しているかのように。
- “はちきん”さん 夏の奮闘記
- “はちきん”とは、高知の方言で、快活な女性のことです。すっきりと甘い冬の味覚――文旦は今“はちきん”さんの手によって、ソフトボール大の大きさに育っています。現地から届いた手紙を紹介します。
- 牧場の夏
- 長野県須坂市から登る上高井郡高山村の標高1500メートル地点にある山田牧場は、のんびり草を食む赤や黒の牛に混じって、訪れた観光客が赤トンボを追ったりしていました。
|