全国研究・交流集会への報告(4/4)農民連事務局長 笹渡 義夫I 全国研究・交流集会の目的/ II 選挙結果をどうみるか/ III 農業・食糧をめぐる 情勢について/ IV この間のたたかいの教訓/ V 第14回定期大会を展望した当面の活動/ VI 今がチャンス、大きな大志をもって新聞「農民」と会員拡大に全力をあげよう/ VII むすびに
VI 今がチャンス、大きな大志をもって新聞「農民」と会員拡大に全力をあげよう1、情勢のもうひとつの側面を確信に、組織づくりを飛躍させよう多くの農民が展望を失っているもとで、確固とした展望をもって運動している農民連が、どれほどのスピードで組織作りを前進させることができるかが、いま、鋭く問われています。特に、農民の要求がいっそう切実となり、国民諸階層と連帯して農業を守る条件もさらに広がっているもとで、農民連が大きな力をもつことが求められています。
2、活動の中心である新聞「農民」の拡大についてセーフガードのたたかいでも、食の安全問題でも、悪政を追い詰め、国民との連帯を広げるうえで新聞「農民」は欠かせません。「農民」が数十万の規模となり、農協や農業委員会などの大多数に普及されていたら、こうも農業破壊を許すことはなかったというのが私たちの痛苦の思いです。また、「食と農を守る共同の新聞」として広範な消費者や流通関係者などに普及されたなら、農業を守る国民合意と連帯がどれほど大きな力をもつか、大きな展望が広がります。 マスコミの多くが大企業や自民党農政を賛美して垂れ流しているもとで、本来、農民のためのジャーナリズムであるべき農協系統の新聞が、今年、株式会社化する方向を確認しました。文字通り新聞「農民」の持つ役割は重大になっています。「総対話運動」では、埼玉県連が二百部の県連目標を達成し、この研究交流集会の直前ギリギリまで奮闘した千葉県連が二百五十部の目標を達成しました。 共通する教訓は、県連が「決めた目標をやりきる」立場を貫き、役員を先頭に団結して取り組んだことであり、役員が成果をあげながら要求運動の話題をもって単組や支部・班に足を運んで学習と議論を広げ、拡大チャレンジャーを組織して成果をあげたことです。「農民」の対象は無限であり、紙面を力にみんなで広く訴えるなら急速に講読を広げることが可能ということです。 新聞「農民」は、都道府県連や本部にとって財政の大きな支えです。それぞれが決めた目標をやる切るために、全国の経験に学んで新聞「農民」を増やしましょう。
3、視野を広げ、数十万の農民連めざして会員拡大を飛躍させよう要求運動がどんなに前進しても、組織拡大の前進なしには、日本の農業の再生も農民経営を守ることもできません。情勢の変化に対応し「農民の多数を結集する」大きな構えで、もの作りや産直、税金など、あらゆる要求運動と結んで会員拡大に全力をあげ、それぞれが自主的に決めた目標をやりぬきましょう。
(1)全農民を対象にした会話と要求にもとづいた「相談会」運動を総対話運動の中で、五十人以上の仲間を迎え、団体加入を含めて百八十人の会員を迎えた千葉県連は、年間目標の二百人に接近しています。数年来、上尾や築地市場などとの提携による「だだちゃ豆」作りを中心にして会員を増やし、生産量を年々倍に増やしてきた庄内農民センターの取り組み、この四年間、税金要求を中心に会員を三倍に増やした長崎県連や、十数名でスタートした鹿児島・東串良農民組合が税金要求で一年で三倍に前進し、福井県連が武生市で一気に二十名以上の仲間を迎えて直売所をオープンさせた経験なども、意識的に会員拡大を追求すれば可能性が広がっていることを示しています。前進している組織の多くは、野菜作りや産直、税金、鳥獣被害対策など、多様な要求にもとづいた「相談会」によるものです。「相談会」を全国で無数に開いて会員の拡大に結びつけましょう。
(2)生産グループなど、団体加入を広げようJAの部会や任意の生産・出荷団体が、農産物価格の暴落のもとで、市場出荷が行き詰まり、私たちの流通との提携への共感が広がっています。こうした団体との対話や交流、働きかけによって団体加入をすすめましょう。各地で大豆生産や加工、直売所グループなどの団体加入が広がっています。全国に数万あるといわれている直売所や朝市は、農民連の会員が中心的役割を担っている場合も少なくありません。それぞれの取り組みの中で生まれている要求に応え、団体加入の働きかけを強めましょう。
(3)空白自治体に組織を作る努力を強めよう広大な自治体が空白のまま残されています。全国のどこの地域でも、農民連をつくる条件が広がっているもとで、条件を生かして空白自治体に組織を作ることは、農民連が「センター」の役割を果たすうえで欠かせません。新聞「農民」を先行して増やし、読者単位に支部をつくり、単組を結成した新潟県連の佐渡島や、同じく下越農民センターの計画的な支部づくりは教訓的です。こうした経験に学び、計画をたてて集中して取り組みを強めましょう。
4、農民の多数を結集する「センター」にふさわしい改善を(1)「決めた目標をやり抜く」組織づくりの独自の努力をこの間、新聞「農民」や会員の拡大を前進させてきた組織は、計画をよく話し合って決め「決めたことは必ずやり抜く」という役員の団結、特に県連会長、事務局長の構えが決定的でした。すべての都道府県連や単組が、来春の大会にむけて再度目標を明確にし、組織づくりの計画を具体化しましょう。
(2)方針が会員に届く組織、支部・班が「計画」をもって自主的に行動する組織へイ、どんなに方針を決めても方針が伝わらない弱点の克服全国連や都道府県連が、方針を提起しても、会員まで届かなければ運動は前進しません。この改善はもっとも急がれる課題です。
ロ、支部・班の「私たちの活動計画」について今回の「総対話運動」で呼びかけた「支部・班の『私たちの計画』作り」で、福島県連は、支部・班の多くが「計画」を作成し、分担して要求運動や仲間作りを前進させる契機になっている経験は貴重です。この取り組みは、全国や都道府県連の方針が会員に届くこと、支部・班が話し合って自分たちで計画を決め、みんなで手分けして活動することへの挑戦でした。私たちが、農民の多数を結集するためには、生産の現場である集落や地域に根をはって自主的に要求運動にとりくみ、まわりの農民に働きかけのできる支部・班を作ることであり、組織づくりの中心的課題です。
ハ、自主性を引き出す学習活動、「農民連テキスト」を普及・活用しよう会員が農民連を自信を持って語ることなしに運動も組織も前進できません。毎週届く新聞「農民」は身近でもっとも手っとり早い学習資材であり、「農民連テキスト」は最良の教材です。全会員規模で普及と学習をすすめましょう。食健連と共同して作成したビデオ「あぶない、あなたの食と健康」を普及し、多くの会員に鑑賞してもらいましょう。
ニ、コンピューターによるネットワークの構築について全国の情報や地域の情報が瞬時にして会員に伝わる情報伝達のシステム化や実務処理の機能強化が必要になっています。都道府県連と単組、また、単組役員クラスまでコンピューターを導入しましょう。会員にも広げましょう。
5、財政問題(略)VII むすびに私たちは、一九八九年の農民連結成大会の宣言で、「国民にとって一日たりとも欠かすことの出来ない食料を生産する農民の労働を虫けらのように踏みにじる政治はけっして許すことはできない」「生産を放棄し、生産をあきらめるとき、農業破壊の政治への怒りも忘れる。生産と労働に価値と誇りを見いだすとき生気を取り戻す」と誓い、生産に全力をあげながら、国民と連帯して農業、食料を守るために全力をあげてきました。今日の政治は、農民連結成時を上回る規模で農業破壊の道を突きすすみ、農業ばかりか、国民生活のあらゆる分野で悪政が吹き荒れています。 しかし、こうした現象は、悪政を進める側の強さではなく、これまでの政治支配が国民と矛盾を引き起し、継続できないギリギリの段階に追い詰められているなかで起きているものです。 こういう激動の情勢のなか、英知を結集して農民の要求に根ざした運動を、国民と連帯して広げることや、けっして生産を放棄することなく、あくまで食料の生産を続ける強い意思をもった農民連が存在していることは、農民にとっても、日本国民全体にとっても希望です。だからこそ、私たちの役割は重大です。広範な農民や国民が私たちに注目し、期待しています。この期待にこたえ、全国研究・交流集会の成功を力に、運動と組織を大飛躍させて来春の第十四回定期大会を迎えましょう。
(新聞「農民」2001.9.17付)
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