「農民」記事データベース20010917-508-15

第47回日本母親大会

力が湧いた! 守ろう日本の農業

分科会から

 第47回日本母親大会が八月二十五日〜二十六日、滋賀県で開催され、農民連女性部も多数参加しました。一日目の分科会では五十四ある分科会のうち「日本の農業を守ろう」「安全な食べ物」「学校給食」等の教室に、それぞれ分散して熱い討論が交わされました。

 夜の「農村のお母さんの交流会」でも、分科会の感想が出され「とても勉強になった」「力が湧いた」と内容が深められました。二日目の全体会では、井上ひさしさんの講演で女性の権利、自立を改めて確認。その後に続く各地域、団体の女性たちの意見発表、交換で大いに連帯を深め、明日へのエネルギーを分かち合って、来年の大会へとつなげました。

(斎藤裕子)


第17分科会

セーフガードで守ろう日本の農漁業

 セーフガードの運動ではシンポジウムを開催したり(兵庫、高知)、五十三市町村のうち一町を残して意見書をあげた高知県の事例が報告される一方、「議会が全く受け付けない。畳屋さんからは原料が値上がりしたら困るといわれた」と言う発言(愛媛)もあり、引き続き学習や署名などの運動が必要と思われました。「小農家の売り先がない」「中山間地農業への補償は農家の選別になる」「青刈りなどといっているがお盆以後、低温が続いてとても心配だ」といった悩みや心配も多く出されました。

 農業を守る視点から、産直や学校給食の取組み、悩みなどの発言があり、各地の経験が交流されました。

 パネリストの杉本敏隆氏(漁民の立場)は「農業も漁業も大変だけれど、今、ここで踏んばる気力が必要」。消費者の秋元真由美さんは「お店に当たり前に安全な国産物が並ぶような運動をしていきたい」とのべました。

(高橋マス子)


第18分科会

安全な食べ物は 家族の健康は

 三百人以上が入る教室は、ほぼ満席の状態。話し合いの中で「無洗米」が大きくクローズアップされた。

 各パネリストの意見として、藤原邦達氏は「食文化をどう見るかが大切。企業・コマーシャリズムは消費者の意識を変える。利便性を追求する商品ではないか。栄養学的にも専門家の検討が必要」。宮本千恵子氏は「『紙おむつ』よりそれ以上の問題、日本人の主食のあり方として大きいスケールで考える必要がある」。

 印象に残ったのは、小西律子氏が話した保育園での「人間、作って食べる」を保育の柱とした実践。また、コンビニの前で高校生たちがファーストフードを食べながら「おまえそんなもんばっかり食べてたらちゃんとした大人にならへんで」という会話に、「子どもたちはちゃんとした大人になりたいと思っている」と語った言葉。

 農民連食品分析センターの八田純人氏は、「最近日本食の濃度が薄くなった、正体がなくなっていく」と食文化継承の危惧が話された。自分自身の食生活の暴露もあり、頑張れ青年!と逆にエールを送りたくなる気持ちにさせられたのは、参加者への深い意味での提案だったのでは。

 中川和氏は、労働者の食生活の問題を投げかけられ、賃金体制などをふくめ職場に憲法の実現をと話された。

 参加者の「不況のしわ寄せが食に来る」という発言も印象的。多分野にわたった「食」への認識・学習をする機会になった。

(吉川路子)


第7分科会

子どもたちをめぐる食生活と学校給食

 学校教育としての給食が企業の利潤に利用される危険性、使用されている食材の輸入品は農薬の汚染が心配なので、地場産のものを使う運動を広める事が大切と提起されました。

 行政改革による経費節減のための民間委託導入は、食材の冷凍食品化、労働条件の劣悪化につながり、調理師のエプロンは自前のものというところもありました。学校教育、給食法に定められている学校給食。次代を担う子供たちにきちんとした食文化を伝えていく事。地元の農家や商店といかに結びついていくか。それらを通して農業の大切さを理解してもらうことが、日本の農業を守り、発展させることにつながっていくと思います。

(棚橋順子)

(新聞「農民」2001.9.17付)
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2001年9月

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