生産・流通こぼれ話8月の空で思い出す「食糧不足」 戦前への逆行、二度と許さない
●台風十一号は農作物にどんな影響・被害を及ぼしたのだろうか。自然は大きな恵みをもたらすが、その逆もある。地球温暖化・環境破壊などに対し、怒りを発しているかのように。 ●台風一過、八月の青い空を見ていると、ふつふつと蘇る。昭和十九年、父の実家、新潟へ学童疎開した。食べ物は、サツマイモのつる入り雑炊ばかり。ご飯粒が数えるほどしか。東京へ帰ってからも、ひもじさは続いた。「腹一杯食べたい」「ご飯が食べたい」…幼い頃の願いだった。 ●私は「人生の草たち」(ともろぎゆきお作)の詩をよく口ずさむ。 『これはハコベ これはアカザ これはセリ 母が教えてくれた 草たちです あれはノビル あれはヨモギ あれはツワブキ 幾度も食べた 戦争の草たちです オオバコ ホウコグサ ギシギシ キツネノボタン 母が歩いた道端で 精一杯生きて 黙って枯れていった雑草たち これがオオバコ それがイノコヅチ あれがスズメノテッポウ どれも母が愛した人生の草たちです』 ●いよいよ実りの秋、「黄金の穂波、豊年の喜び」…なのに…食糧自給率世界で百三十六番目。何が大国日本だ! 何がG7だ! 外米輸入、減反、そして青刈り。農作物、生産をおろそかにすることは絶対に許さない。半世紀のタイムスリップは、二度と許さない。 (農民連生産流通対策部 佐藤 龍雄)
(新聞「農民」2001.9.10付)
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[2001年9月]
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