「農民」記事データベース20010910-507-03

京都農民連

米検査機関への登録準備

食糧事務所OBの協力で販路も拡大


 今年四月のJAS法の改正にともない、米の表示方法が変わりました。未検査米の場合は品種銘柄の表示ができなくなり「国産米」としか表示ができなくなりました。これは、米の産直を小売、卸も視野に入れて拡大をはかるうえで、大きなネックになるものです。

 一方、食糧庁は米の民間検査への移行を決定し、今年から五年間かけて移行します。こうした事態を受け、京都農民連は米検査機関への登録を進めています。

 京都では産直米の取り扱いをめぐって「特別栽培米」の時代も含めて十年間にわたる農協との協議・提携の歴史があります。当初、さまざまな意見の違いはありながらも、農業を守るための運動を進めるという大きな立場から、検査協力、農協倉庫への搬入、精米についても協力する旨の合意があり、比較的スムーズに米産直が進められてきました。

 登録申請は米産直に重要

 ところが、農協の大型合併、減反の一層の強化ということを背景に、昨年は農協の対応が一変。農協は、米の刈り入れ直前になって「減反に協力しない者には米袋をわたさない」「米需給調整・需要拡大基金へ参加しない者からは米の買い入れをしない」などと回答してきました。激しい交渉がもたれましたが、結局、独自に倉庫を確保し、米の自主検査を行って非常事態を乗り切りました。こうした昨年の経過があるだけに、検査問題への対応は、米産直の前進にとって大きなカギとなる問題でした。

 民間検査への移行にかかわって、食糧事務所と再三再四協議を重ね、米袋については、早くから産直センターとして独自のものを作る準備にとりかかりました。ネックは、産直センターはまだ法人化しておらず、法人資格がないと検査機関として登録申請できないという点でした。

 食糧事務所に問い合わせると、「倉庫会社でも法人であれば可能」とのこと。それならと、社団法人である「農民会館」として申請することにしました。食糧事務所との協議でも、「必要な書類、体制さえ整えば問題ない」ということで、現在、申請実務を進めています。

 協力者によって新たな展望が

 こうしたとりくみとあわせて、食糧事務所OBの方々にも農民連の方針を伝えて協力をいただこうと、懇親会を開催。遠方から六人の方が参加してくれました。検査業務への協力を引き受けていただいただけでなく、OBの方たちのつながりで米屋さんグループとの懇談の場を計画しようということになり、新たな販路の拡大、運動の広がりに展望が開けています。
(京都農民連 上原実)

(新聞「農民」2001.9.10付)
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2001年9月

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