2002年4月
■2002年4月22日(第536号)
- 緑と若者あふれる国 インドネシア/豆腐と納豆もあるインドネシアの食事
- 熱帯特有のさまざまな表情を持つ緑があふれ、街にも村にも若人や子どもたちがいっぱいの若い国インドネシア。4月1日から5日まで首都ジャカルタで開かれた「農民の権利についての東南アジア・東アジア農民会議」に農民連を代表して参加しました。日本から参加したのは、コーディネーター兼通訳の伊庭みか子さん、有機農業をやっている黒澤勝さん(茨城・大宮町)と私。農民会議の結果については次号で報告することにして、垣間見たジャワの農業と農民の表情をリポートします。
- 地元で親しまれる店に
- 鹿児島県農民連の姶良・伊佐支部(姶良・伊佐農業を守る会)は3月23日、国分市に「地元農産物直売所」を開設しました。日曜日を除く週6日間午前10時から午後5時まで開いています。開店から1カ月近くになりますが、連日50人以上が訪れ、常連客も増えています。「新鮮な野菜や花が買えてうれしい」「漬物はないの」「毎日開いてね」など、直売所への期待が寄せられています。
- 「BSE損害補償を求める会」結成“国のやり方に腹立つ”
- 4月2日、北海道農民連と食農連絡会が呼びかけた「BSE損害補償を求める会」の結成総会が行われました。この「会」は2月28日の緊急集会で呼びかけられ、約1カ月の期間で加入者が514人となり、当日は全道各地から代表40人が参加しました。
- “畜産農家の訴え”
- 「狂牛病学習会 畜産農民の訴え」が4月7日、岩手県湯田町で開かれました。主催は町内の生産者がつくる「湯田町狂牛病から畜産農家を守る会」。生産者だけでなく、消費者(主婦)、役場助役、農協役員など町内から40人が参加しました。
- 「だだちゃ豆」栽培者講習会
- 庄内産直センターは3月28日、第2回栽培者講習会と全員協議会を開催しました。
- え!「とぎ汁が環境破壊の帝王」?
- 米を研がないでご飯が炊ける便利さから、普及し始めている「無洗米」。全国無洗米協会などの業界は、さらに販売を伸ばそうと、「米のとぎ汁が出ないので環境にやさしい」と大々的に宣伝しています。しかし、とぎ汁が「環境破壊の帝王」というにいたっては、行き過ぎた誇大宣伝と言わざるをえません。
- 趣味の農機整備
- 今回は最終回ですので、整備をするときに必要な工具について考えます。工具をそろえるときは最初が肝心です。中途半端な工具を買ってしまうと、ろくな分解整備が出来ないばかりか、かえって機械を壊すことになります。
- 『稲の旋律』ができるまで(上)/(下)
- 作家の旭爪(ひのつめ)あかねさんは、農民連青年部の第10回総会(3月30日)で「農業にたずさわる人たちと出遭って感じたこと――小説『稲の旋律』ができるまで」と題して講演し、参加者に感銘を与えました。『稲の旋律』は、「しんぶん赤旗」に連載され、読者から大きな反響を呼び、新日本出版社から単行本として出版されています(一冊・本体1800円)。 講演のなかから、農業や農民連に関わる話を紹介します。
- 農の考古学(6)
- 稲作は、どこで始まったのでしょうか。中国南西部の雲南地方からインドのアッサム地方にかけた地域で稲作が始まったとする「アッサム・雲南起源説」を渡部忠世氏(京大元教授)が発表したのは1977年でした。
- 旬の味
- 泊まりで外出し帰宅すると、すぐハウスへ飛んで行き、「みんな元気だった? 何かしてもらいたいことはない?」とトマトと話をしながらハウスの中を歩きます。こんな時が一番幸せです。青いトマトが初めて赤くなる時、感激します。初物はいつも仏様にあげ「今年もこんなに素適なトマトが出来ました」とご先祖様に報告します
■2002年4月15日(第535号)
- BSE新法の早期成立を/愛する牛、かわいい孫 大切な心の宝を失った
- 「BSEによる損害の補償を法律で義務づけよう」――「BSE緊急措置法案」を国会に提出している野党4党(民主党、自由党、日本共産党、社民党)の呼びかけで、4月4日、同法の早期成立を求める国民集会が開かれました。会場の東京・日本青年館大ホールが、つめかけた2千人の農家、消費者、流通・小売業者などの熱気に包まれるなかで、4党の党首・幹事長が、新法成立に向けた決意を述べました。
- “農業守れ”政府に猛抗議
- BSEを発生させた政府の「重大な失政」が天下にさらされた2日後の4日、食健連と農民連が主催して「第3次BSE損害請求中央行動」が繰り広げられました。
- 最終報告「重大な失政」指摘
- BSEへの行政対応を検証してきたBSE問題調査検討委員会は、4月2日、「重大な失政」「政策判断の間違い」などと農水、厚労両省の対応を厳しく指摘した最終報告書をまとめて、武部農相、坂口厚労相に提出しました。
- 野菜価格暴落の実態を知らせながら販売
- 神戸医療生協40周年まつりが3月17日、神戸市須磨区で2万人の参加で盛大に開かれました。まつりでは、兵庫農民連の6地域から参加した43人の会員が模擬店で販売。近県に呼びかけたところ和歌山の協同組合ゆあさ、コープファーム有田も出店。このほか愛媛や高知の産直組織も参加しました。
- 趣味の農機整備
- 今回は、エンジン以外の作業機について考えます。農業機械に限らず、作業機はエンジンの回転力をギヤやベルトなどによって取り出して利用しています。この回転力を利用する部分には必ず、ベアリングやオイルシールが使われています。
- HAPPY料理/何10年作り続けても予想外なことが…
- 千葉そうさ郡の房総食料センターより、なんと9種類もの野菜が詰まった産直ボックスが届けられました。そのうえ、ターサイの花芽(トウの部分の野菜)、ガザニアという花苗のポット入り、と、2つのおまけもついて全11種類。盛りだくさんでびっくりしました。ひとつひとつの野菜ごとに、農家の方が手書きで書いたものを印刷した小さなカードがついています。「ハウス栽培を始めて20年。毎年1年生。初心を忘れず頑張っています」など、心温まるメッセージに、遠くの生産者の方がぐっと身近に感じられました。感謝していただきます。
- 農業と地域の将来ど〜する
- 「農業の大切さ、すばらしさを、あらためて感じた」「地元で青年の仲間をふやしたい」――青年部第10回総会が3月30日から2日間、東京・本郷で開かれました。北海道から高知まで、生産者、専従職員、学生など総勢50人の青年が参加。全国各地の青年の奮闘が次々と飛びだしました。
- “青年が切り開くあすの食と農”
- 小さいころからプレッシャーを/トマト苗の匂いに感動した/産直組織で働くなかで…
- 炭焼き農民のすすめ(2)
- 竹は、松、梅とともにめでたい植物であり、日本人の文化と深い関わりがある。竹材は、カゴなど生活用品のほか、日本建築にも欠かせない存在である。しかし現在は、プラスチックなどにとって替わられ、安い竹材の輸入とあいまって、業界は瀕死の状態にある。
- 旬の味
- いつもの年より梅の花が半月も早く咲いた。桜はまだ蕾が固い。普通の年だと梅に続いてすぐに桜が咲くが、温暖化で暖地なみになったかと思う間もなく梅が満開のうちに桜が満開になった
■2002年4月8日(第534号)
- この大暴落はなんだ!
- キャベツが1個たったの5円、ダイコンが1本10円、ホウレンソウが1束10円、ニラ1束が15円……。「地獄を見るような思いだ」という産地の声が聞こえてくる最近の野菜の安値。「すべての農産物がこんなに安いのは初めての経験」と農家が口をそろえる、再生産価格を大きく割り込んだ暴落価格が、産地を崩壊の淵に追いやっています。
- 生産者・小売り 価格二重併記制に
- 野菜の生産者価格は下がるが、スーパーなど量販店の小売価格は下がらない。この理不尽な事態をどう解決し、生産者の生活を守っていくか――。フランスでは青果農民などの激しい運動で、いくつかの成果をあげました。その一つが、店頭では小売価格だけでなく生産者価格を併記させる、価格の二重表示制度の導入です。
- 「加工原料乳補給金」農民連が引き上げ要請/岡県椎田町の農業委員会がBSEの意見書採択
- BSEの深刻な影響が続くなかで、加工原料乳補給金を決める「食料・農業・農村政策審議会」畜産物価格等部会が、3月28日に農水省分庁舎で開かれ、農民連は引き上げを求める要請行動を行いました。
- 牛飼いはすごい!
- 2月22日、農民連・畜全協、食健連が共同した「第2次BSE損害請求行動」には、生産者とともに群馬、茨城、千葉から乳牛6頭も参加した。何台ものテレビカメラが牛に向けられ、政府の無責任な態度に対する怒りともあいまって、農水省前は騒然たる状況に。
- 反響の声つぎつぎ
- 農民連食品分析センターが行った中国産冷凍野菜の残留農薬の検出結果に、反響が相次いでいます。東京新聞や産経新聞に記事が載り、新聞社から農民連の連絡先を聞いた消費者などからの電話が殺到。その一部を紹介すると――。
- 「第28回食糧の生産と消費を考える」シンポ
- 食糧の生産と消費を結ぶ研究会(宮村光重会長)と神奈川農業問題研究会(諏訪謙司代表幹事)の共催する「第28回食糧の生産と消費を考える」シンポジウムが3月22日、箱根高原ホテルで開かれ、80余人が参加しました。
- 趣味の農機整備
- 点火装置は、プラグに火花を飛ばすために高圧電流を発生するもので、コイルと点火ユニットから構成されています。
- 地元の野菜を学校給食にもっと
- 「地元の野菜を学校給食へ」「ほんものの食材で子供たちの“食歴”を育てよう」――全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)のよびかけで「学校給食の充実をめざす交流会」が、3月23日、東京で開かれ全国各地から100人近くが参加。熱意あふれる討論で盛り上がりました。
- 農の考古学(5)
- 縄文時代のイネ栽培は焼畑農耕だったとする論は農学者や考古学者の間で、半ば「定説」化した観があります。
- 旬の味
- 豪雪地帯の秋田県南地方にもやっと春が訪れた。五カ月、雪との格闘だった。人の背丈ほどの雪の塊が小さくなる
■2002年4月1日(第533号)
- 連続講談「平塚らいてう伝」の宝井琴桜さん
- いま女流講談師・宝井琴桜(きんおう)さんが“売れ”ています。『元始、女性は太陽だった』で有名な平塚らいてうの生涯を語った「平塚らいてう伝」(全19話)、大正七年の米騒動を描いた「おかか衆声合わせ」、最近の男女共同参画社会基本法をテーマにした「山下さんちの物語」などなど女性を主人公にした新作講談が好評です。
- 米を守る一大闘争に
- 農民連は3月20日に東京で米対策全国会議を開き、25道府県から59人が参加。農民を励ましながら米卸・小売、消費者とも提携して主食の米を守る運動を大いに発展させようと意思統一しました。
- 元気が出た産直交流会
- 「ものを作り、産直を一緒にやり、元気になろう」――長野農民連産直協議会の呼びかけた産直交流会が3月3日、塩尻市で行われました。
- 農民連の「短期売店」を農水省地下に開設
- 農民連・産直協の「短期売店」が4月22日(月)から26日(金)の5日間、農水省の地下売店で開設されます。
- 農民連第2回常任委員会(要旨)
- 3月18日・19日に開かれた第2回常任委員会の要旨は次の通りです。
- 今年の「フーデックスジャパン」
- アジア・環太平洋地域最大の国際食料・飲料展「FOODEX JAPAN 2002」が、3月12日から4日間、千葉県幕張メッセで開かれました。毎年恒例のこの展示会、今年の副題は「作り手の心と味を伝えます」。もっともらしい宣伝文句ですが、実態は大量生産の加工食品、輸入食品のオンパレード。2万7千平方メートルの広大な会場に74カ国、2311社が出展し、色とりどりの商品を陳列して大売り込みをかけていました。
- 東京で報告会ひらく
- 第2回世界社会フォーラム(WSF2002)報告会が3月9日、東京で開かれ、60人が参加しました。
- 「オーベントー」次は中国産「うな重」
- 今年のフーデックスでは、「オーベントー」を販売するNREワールドベントー(株)のジェフリー・B・シュナック社長が講演しました。同社は、JR東日本の子会社のカリフォルニアにある現地法人。ご飯の上に肉や魚を載せて「肉魚調整品」だと言いはるサギまがいのやり方で、低関税でカリフォルニア米弁当を日本に輸出しています。
- いま食卓に急増する中国野菜は安全か(1/2)/(2/2)
- 急増する輸入野菜のなかで、とび抜けて伸びている中国野菜。それが農薬まみれで、香港では『毒菜』と呼ばれて恐れられている――こんな実体を暴露した新進気鋭のルポライター、瀧井宏臣さんと、農民連食品分析センターの石黒昌孝所長が対談しました。
- 読者からのお便り
- 内容が充実し読みやすい紙面/人の見える記事がとてもいい/雪印事件など徹底的な究明を/青大豆の豆腐評判上々です/黒豆まく時期早すぎたか?/イチジクの栽培来年の出荷準備
- 例年より早い白鳥の北帰行
- 白鳥の飛来地として有名な新潟県水原町瓢湖(ひょうこ)。久しぶりに白鳥の北帰行に出合いました。
- 演劇/誠実に生きる姿・清々しく
- 俳優座劇場プロデュース公演の「高き彼物」は2000年に初演され、「舞台からさわやかな風を吹き送ってくれた」(小田島雄志・産経新聞)と評された作品です。今回は2年ぶりの再演です。題名は、歌人・吉野秀雄の「屑たばこ集め喫へれど志す高き彼物忘らふべしや」からとられています。マキノノゾミ作、鈴木裕美演出。
- 趣味の農機整備
- われわれ整備屋はエンジンの診断をする時は、まずプラグをはずして電極部分の焼け具合を点検します。
- むちゆし(沖縄のことばで“持ち寄る”)市で地域を元気に
- 沖縄県の玉城村農民組合は農産物直売所「むちゆし市」を立ち上げ、運動の輪を広げています。
- HAPPY料理
- 今回は私の地元、いつも使わせていただいている東京の産直BOXです。農家の方にお会いしたこともあり、車で通る時、畑をたびたび見ているので、とても身近に感じられます。野菜を料理したり食べたりする時、カラシ菜畑の内田さんのおばあちゃん元気かな?など思い浮かべると、野菜がいっそうおいしく、いとおしい気持ちになります。産直BOXの野菜がおいしいのには、野菜そのものがおいしいのはもちろんですが、作った人のまごころが感じられるのでいっそう美味しいのだと思います。
- 休耕田を自然公園に
- 両脇を海抜25、6メートルの山に挟まれた、1.2ヘクタールほどの田んぼが広がる千葉県多古町の谷津田。――それも今は昔、稲作の減反ですべてが遊休地となっています。そんな荒れ果てた谷津田を、産廃の捨て場にさせないでどう復元・保存していくか。知恵を出し、労力を提供しあって、自然公園に変えていく住民ぐるみのとりくみが進んでいます。
- 炭焼き農民のすすめ(1)
- 「炭やきは地球を救う」と題するフォーラムが、3月9日、東京の錦糸町三井生命ホールで開かれた。炭化によって二酸化炭素を固定するプロジェクトや、酸性雨によって立ち枯れた森林を蘇生させる炭の活用などが報告され、活発な討論が行われた。私も、このフォーラムの世話人を務めた。
- 旬の味
- 私の子どもの小学校の卒業式が3月18日にあったが、いつもより2週間ほど早く桜が咲いた。晩霜が心配だ
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